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シンタロウ・オガタの場合 16


第十八節


「バカ言っちゃいけない。職業婦人を差別するもんか」

「へー」

「第一根無し草の俺がそんな偉そうなこと言わんって」

「ま、いーわ。悪いこと言わんから、お客として来る気が無いなら近づかんことだね」

「そんなに怖いところか?ここ」

「遊園地に比べればアブないんじゃない?」

「それはそうか…」

「この間もマフィアのボスと飲んだわ」

「そ…そう」

「あっちは一山幾らのバニーガールなんて顔も覚えてないだろうけどね」

 ドアがバタン!と開いた。



第十九節


「おいキャシー!テメエ何油売ってやがる!」

「うるさいよ!まだ真昼間だろうが!」

 キャシーも負けずに言い返す。

「いいから来い!来やがれ!」

 強引に腕を引っ張るスミス。

「痛い!痛いってば!」

「レディに乱暴はよせ!」

 こちらを観るスミス。

「へっ!レディだぁ?ビッチの間違いだろうが。毎日半分尻見せてる女なんぞ殴って言う事きかせるんだよ!」

 ビシッ!とスミスに指を刺すシン。

「袖すり合うも他生の縁と言ってな、次に見た時にキャシーの顔にあざの1つもあったら…タダじゃおかねえぞ」

「突然威勢よくなりやがる。うるせえよ!」

 乱暴にドアが閉められる一瞬前にシンに向かってウィンクするキャシーが見えた。



第二十節


「邪魔するぜ」

「すみません。まだ準備中で…」

 目の前にサングラスの大男がいた。

「…あんたがメグか?」

「…そう…ですけど」

 ハンドガンを取り出すサングラス。

「あんたに恨みはねえが、ボスに目を覚ましてもらう」

「何の事?」

「あばよ」

 耳障りな音が響いて腹部に痛みを感じるメグ。

 その場に倒れ込んだ。



第二十一節


 ドアが破壊された。

 黄色い悲鳴があがり、色とりどりのバニーガールたちが店の奥の方に逃げ去った。

「…ディックを出せ」

 炎の様に燃える目のシンだった。

「へっ!また来やがったか」

「知ってたのか」

「何言ってんだ」

「メグを撃ったのは貴様か」

「…は?何だそりゃ?」

 胸倉をつかみ上げるシン。

 周囲を一斉に男たちが取り囲む。

「テメエ…何考えてやがる」

「知らん!俺は知らんぞ!」

「俺がやった」

 もう一人のサングラスが出てきた。

「ケビン…てめえ」

 スミスは知らなかった様だ。

「何故撃った」

「テメエの知ったことか」

「もう一度聞くぞ。何故撃った」

 サングラスを外すケビン。

「ボスに目を覚ましてもらうためさ。あんな年増なんぞに熱を上げていいことがあるかよ」

「おいスミスとやら」

 目の前で釣り上げてるスミスに声を掛けるシン。

「お前も同じ意見か?」

「…メグは死んだのか」

「死んだ」

 沈黙が流れる。

 茫然としているスミス。



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