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天使の妃  作者: 観月 あき
第一章  夢
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第6話

 マリアベルがほとんど硬直して立ち尽くしたまま、どれくらいの時間が経ったのだろう。

 唐突に、部屋の扉が叩かれた。びくっとして、マリアベルは扉を振り返った。シオンはゆっくりと顔を上げる。

 どうぞ、とシオンが言った。入ってきたのは、アイリス城の召し使いだった。

「リリエラお嬢様。いま、使いが参りまして」

「使い?」

 リリエラが聞き返す。その召し使いは答えた。

「はい。リチャード様が、戻られるそうです」

 言われたことを、リリエラはすぐには理解できないようだった。だが、みるみるとその目が輝き出す。

「リチャードが!? じゃあ、間に合ったのね!」

「……リリエラ?」

 まったく話が見えない。マリアベルはシオンに視線を向けたが、彼も頭をかしげていた。

 リリエラはマリアベルを見る。マリアベルを振り返る彼女は、興奮しているのか頬に血がのぼって、なんだか顔色がよかった。

「マリアベル、一度広間へ戻りましょう。リチャードに紹介したいわ」

「でも…」

 シオンさまのことは。そう言いかけたマリアベルに「大丈夫だから」と言って、リリエラはその手を引っぱった。

 それからシオンに急いで退室の言葉を述べると、まるで逃げ出すような勢いで、その部屋を飛び出した。

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