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聖女君と呪いの王子の異世界生活〜勇者召喚とかハーレムじゃなくて聖女ってそもそも俺男だし!!〜  作者: 橋本衣兎


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1/2

異世界転生は突然に ①


「」は普通の会話 『』は過去や電話など

〈〉は小声で話している () は心の声や動作


・・・は時間経過 ***は話し手交代


○○○は過去振り返 ー文章ーはナレーション







夏の暑さを感じる7月下旬のとある夕焼け空が目立つ放課後、とある生徒の数も少なくなった少し古さが感じ取れる中学校の昇降口で、騒がしい6つの人影が見える。

まだあどけなさを残しつつ、大人の雰囲気を纏い、だが子供らしい会話をしながら校門に向かう。その影はバラバラで高い物あれば低い物あり、性別も1人を除けば全員男と言う側から見たらどんな関係かも分からない。

そんな6人の会話と言うと、


「早く家に帰ろう、5人とも」


「待って、千結(ちゆ)剣一(けんいち)が転けた」


と言うのは(ねい)こと野々村寧(ののむらねい)。可愛い顔立ちで意外と毒舌なんだよね。実はバレー部員。小柄なのが嫌らしいがもっと低いのが居るのを忘らないで欲しい。


「みんな、俺に荷物渡し、過ぎ、、、、グフッ」


その隣で息絶えそうなのが、剣一こと杉谷剣一(すぎやけんいち)。ザ・スポーツイケメンって感じで剣道部の副部長。だがイジられキャラ。一応本人曰くモテるらしい。


「ジャンケンで負けたからしょうがない。あと(りん)、前見ないとぶつかりますよ」


敬語で喋りながら注意をするのは、(まこと)こと青野誠(あおのまこと)。見た目通りの真面目で成績優秀、頭も良いがちょっと抜けているところがある。あと、剣一に厳しい。


「大丈夫だよ、誠。慣れてるから」


注意を聞き流しながら歩き続けているのは、鈴こと神倉鈴(かみくらりん)。ゲーマーで実力は本物。友達思いなんだけど、ゲーム優先な時がある。前髪がちょっと長い。


「慣れてても、危ないと思うな、私は」


そう言いながら、ぶつからない様にするのは、(はるか)こと大村遥(おおむらはるか)。唯一の女子だが男勝りな所があり腕っぷしであれがこの中で最強。見た目だけは清楚。内面ゴリラ。


「ハァ、、、、個性が強いな、俺ら」


そんな会話をしている夏休みに入ったばっかりの中学2年生の少年5人と少女1人は、学校の荷物を持ちながら帰路に付いて居るばかりだ。

そして最初に言葉を発し最後にため息をついたのは俺、こと村井千結(むらいちゆ)、中学2年生、身長154cmのバリバリの男だ!

黒髪短髪のいかにもな見た目でちょっと、幼くて周りからは女顔って言われるけどれっきとした男である。筋肉はないけど。

まぁ、全部の男が筋肉あるってわけでも無いし、別にいっか、、、、ハハッ、ハハハッ。

と、危うく心の中で闇堕ちする所だった。


「早く家、帰りたいな。好きなアニメの録画見たいし」


「荷物が重い。助けて」


「しょうがないなぁ、、リコーダー持ってあげますよ」


「誠、1番軽いのを持つなんて鬼だね。僕引いちゃう」


「、、そう言いながらリコーダーを取る寧が1番引くと私は思うな」


「善意が特には悪意に変わる事ってあるよね。僕は、持たないのが1番の善意だと思う」


「鈴、それは1番違うと俺思うから、持ってあげよう。スマホは収めて」


多種多様な性格や見た目、趣味嗜好を持った親友達5人と家に帰るのは俺の楽しみの1つだ。

信号機が青になるのを待ちながら、俺は通学鞄を背負い直しながら、ふと1人考え事を始める。


「(もし、此処でいきなり異世界転移、とかしたら面白そうだな。みんな兄弟居るし、孫問題は大丈夫だし、、、、でも寂しいか。それは、うん、どうするか)」


って、そもそも異世界転移とかってラノベとか漫画の世界の話か。馬鹿な考えしてるな、なんて心の中で苦笑いをして、前を向こうと一瞬地面に視線を向けた時、俺は信じられない光景を見た。


「え?、光って、る?」


「「「「「え?」」」」」


俺の言葉を聞いた5人も地面に視線を向けた。

そこには、俺達5人を囲むように円状の、なんて言うんだ?ぁ、あれだ、魔法陣だ、魔法陣。それに似たのが地面に光って浮かび上がっている。

それを見た俺達はただ困惑する事しか出来ず、下手に動いたら怪我をするって考えになって、動けなくて慌ててしまう。


ー皆、自然と一塊になり、離れない様にする。得体の知れないものに変に何かするのではなく、動かない選択肢を取り、もしもの時は友を守る決意をしている。だが、戸惑いは隠せずその表情には困惑が読み取れ、心臓がドキドキと聞こえるほどに早く鼓動している。

その6人の様子に周囲の者達は不思議そうな顔をして観察しているか、気にしてないのかスルーして歩いたり運転しているかのどちらかだー


「ど、どうする!?動いたら死ぬ!?」


「いや、剣一なんでそんな物騒な考えになるんですか!アホですか!」


「誠酷くない!?」


誠の肩を掴んで揺らして慌てている剣一に冷静に見えて少し動揺が隠しきれてない誠が言い放つ。

それを聞いてショックを受けているがこれは日常茶飯事なのでいつもの事で気にしない。

他にも動揺しているのが居る。


「遥、触ったらダメだよ。触ったら遥の体溶けるよ」


「寧はなんでそんな脅すような事を今私に言うの、変に触れないでしょ」


「そもそも触る考えになるのはダメだと思うんだけど。僕も寧の意見に賛成、触るのはね」


「はい、2対1で遥の負けだから」


「これ、そう言う勝負だったかなぁ?」


寧の意地悪な言葉に、いつもは見れないぐらい困惑している遥と、それをなんとも思ってなくて普通にスマホで写真を撮っている傍観者な鈴。

これが経ったの1分以内に起きた事って考えると、焦りよりも楽しさが出てしまうのが俺達の仲なんだと実感すると同時にアホなんだと分かる。


「とりあえず、消えるのをm」


シュッ


待とう、と言おうとしたその瞬間、俺達の体は光に包まれた。文字通り、魔法陣経由から光に包まれたと分かる。

体が浮く感覚と急激な体の内部が熱くなって、細胞が変化する感覚に襲われる。

光の中だからか、5人の姿が目視出来なくて苦しい声しか耳に届かない。


「(なんなんだよ、みんな大丈夫かな)」


焦りながらも腕を伸ばすが誰にも触れなくて、次に俺が5人を目視出来て触れるようになった時には光はなくて、俺達は知らない場所に居た。

ドゴンッて言う音がしたと同時に煙と埃に包まれて、晴れたと思って周りを見たら、さっきまで居た道路じゃなくて、埃が舞うちょっと中世ヨーロッパ風味のある閉ざされた部屋だった。

少し暗く顔は確認出来るが色の認識が少し曖昧に感じる。何とか、顔を見て会話が出来る。


ー皆、特に千結は見ず知らずの場所に飛ばされた戸惑いと恐怖に襲われながらも、なんとか落ち着こうとしている。5人の親友が居るから、精神は落ち着けれているが1人では困惑しパニックを起こしていたに違いない。それは他の5人も同じで、自然と近い距離にまとまる形を取る6人ー


「ど、何処、此処???」


「ゎ、分かんねー。だけど、さっきまで居た道路じゃない事は分かる」


「さっきの魔法陣のせいで俺達は此処に来たのですかね?」


「え、それだと誠、僕達異世界転移したって事になるじゃんか」


「え、私異世界転移したって事になるの!?」


「いや、そんなの現実的じゃないでしょ。ゲームとか漫画とかアニメじゃないんだから」


「でも、鈴それだとこれはどう説明する?」


「千結、それh」


バンっ


鈴が言い終わる前に部屋の出入り口の扉が勢い良く開く音がした。俺達はビクッと体を震わせながら、埃が舞う部屋の中で咳き込みをしてから、出入り口の方に視線を向ける。

そこには、


「なんの音だ?!、、、、誰だ、お前達!」


「「「「「「、、、、」」」」」」


出入り口に立っていたのは、銃刀法違反だ、と言いたくなるぐらい立派な剣と中世ヨーロッパ風味の衣服を着て、明らかに日本人とは思えない顔立ちをしたイケメンと、その後ろで明らかに騎士と分かる男達が俺の、いや俺達の視界に映っていた。


ー千結達6人と対峙した青年と騎士達は警戒心剥き出しのまま千結達を睨み付ける形で見つめていた。当然、彼らからすれば千結達は当然現れた侵入者であり不審者である。だが、彼らが現れた事で千結達は自分達が陥った状況下を理解したのだー


「(ある意味、現実になっちゃった、じゃん)」


この時、俺達は確信をした。肌で感じ、目で見た物が本物だと分かるからだ。本心として夢であって欲しいって思うけど、これは当然の事ながら夢でも嘘でもない。俺達が今居るこの場所は、異世界で、俺達が経験したものは、


「「「「「「(異世界転移)」」」」」」


だと。

そして、もう1つ気づいた。部屋の中が明るくなって俺達はお互いの姿をちゃんと認識出来る様になった。そして改めて確認したら思わず部屋中に響く大声を発してしまった。


「「「「「「髪色!?あとなんか生えてる!!?!?」」」」」」


俺達種族まで変わってました。









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