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生徒会の日常  作者: 結城ミライ
生徒会の日常
6/7

六話 附属は一つじゃない

「ねえ、瑞樹、もう体育祭なの知っている?」

「えっ?スポーツ祭が終わって一週間経ってないよ?」

「もちろん、まだ少し時間はあるけど、何でこの学校が二回体育祭があるかわかる?」

「えっ?さあ?」

「瑞樹も立宮大学の付属高校は一つじゃないっていうのは知ってる?」

「まあ、そうだね、立宮大学附属立宮高等学院っていうのがあるよね。紛らわしいから中学時代から色々言われてたよ。」

立宮大学附属高等学院、関東外からの生徒が多いらしい。ただ、受験生からは、名前が紛らわしいため、高等学校のほうに入ろうと思ったら、学院の方に入った間抜けな生徒は毎年後を絶たないらしい。なお、海辺にあることからか、景色はいい。また、立宮大学の附属校の中では、学院と呼ばれる。

「その学院との交流のためなんだよ。毎年交互にそれぞれの校庭を使って催されて、今年はこっちが受け入れる年なんだよね。」

「へえ、それで、なにかあるの?」

「ご明察!今、諸々の準備をどうするかとかを凛と高崎くんが向こうと話し合っているんだけど、実際に受け入れるのはこっちだし、顔合わせは毎年やっているんだけど、それに参加して欲しいってこと。」

「そのぐらいなら。」

「今度の土曜日の10時から、大会議室で。」

「ああ、うん、」

「じゃあ私は流しそうめん同好会に招待されてるから行ってくるね。」

この学校の生徒数はかなり多く、自由な校風から、さまざまな部活や同好会がある。生徒数が多いのは附属は二つあるのに、付属の中学校に通っていた全生徒を受け入れているからだ。もちろん、受験でもかなりの量の人を受け入れている上でだ。流しそうめん同好会もその数ある同好会の一つ、話によると、流しそうめんの台の竹の材質の研究もしているとか。また、この学校では会議室が複数ある。教員が使うことも、生徒が使うこともある。


土曜日 9時


「早めに着き過ぎてしまった。」

「おや?瑞樹くん、来てたのかい?」

「品川先輩?何でこんな早くに?」

「自分は結衣に頼まれて先に来て準備を手伝ってくれっていうから。」

「なんか、品川先輩、姉さんと仲良くないですか?」

「まあ、三年以上の長い付き合いになるからね、役員に誘ったのも、結衣なんだよ?」

「そうなんですか、意外です。」

「それじゃあ、瑞樹くんにも手伝ってもらおうかな。」

「何をですか?」

「会議室をこの形に椅子を並び替えて欲しいんだよ。」

「何で昨日までにやってなかったんですか?」

「昨日は臨時の会議があったみたいでね、そのせいだよ。」

「じゃあ、自分は他のことやってるから、力になれるかわからないけど、困った時は電話してね、まあ、結衣もいるから、結衣に電話してもいいけど。」

「わかりました。」


9時45分 正門前


「ようこそいらっしゃいました、高等学院生徒会の皆さん。」

「高崎さん、お出迎えありがとう。府中さんはいらっしゃらないのかしら?」

「府中はあいにく今日は他の用事がありまして、ご容赦を。」


10時頃 大会議室


「高等学校生徒会、会長、大宮結衣です。ご足労いただき感謝します。」

「いいんですよ。こちらこそ、お手数おかけしまして申し訳ありません。高等学院会長、上野すみれです、どうぞ宜しくお願いします。顔合わせですよね。府中さんがいないのは残念ですが、こちら側から自己紹介いたします。」

「副会長の日暮里翔太です。よろしくお願いします。」

「書記の海老名慎二です。どうぞよろしく。」

「財務局長の船橋真帆です。よろしくお願いします。」

「体育祭実行委員長の柏球太だ、よろしく。」

「体育祭副実行委員長の柏杏です。よろしくお願いします。」

「高等学校生徒会副会長、鶴見美咲だ。よろしく頼む。」

「財務委員長の高崎詩音です。よろしくお願いします。」

「総務委員長の品川煌です、よろしくお願いします。」

「庶務の大宮瑞樹です。よろしくお願いします。」

「庶務の鶴見美波です。よろしくお願いします。」

「それでは、双方顔合わせも済んだことですし、詳細を詰めましょう。まずは、担当場所ですね。」

「ええ、高崎はプログラム番号奇数がこちら、偶数はそちらが担当する手筈と言っていましたが、これはよろしいですね?」

「異論はありません。」

「場所に関してはどうしますか?」

「そうですね、一応、こちらが考えたものとしては、お送りした資料のことを想定しています。」

「私たちはあまりこの学校は詳しくないですし、これで構いませんよ。」



数時間後


「では、話もひと段落つきましたし、少し現場に行きませんか?一度見てみるのはいいことだと思いますよ。」

「そうですね、二年ぶりですし、そのほうがいいでしょう。」


校庭へ移動


「相変わらず、ここ広いですね。前来たより時より時間はたっていますが、広いってことは覚えてますからね。」

「皆さん広いって言いますよ。誰であっても。通っている私でさえかなり広いと思いますし。」


「こりゃすごいな。あんた、会長の弟なんだろ?どうなんだ?あんたから見て。」

「そうですね。これはかなり広いかと、別の高校にも行ったことはありますけど、この規模は…ないですね。ところで柏さん、そちらはどうなんですか?」

「そうだな、一応広いんだが、ここと比べるとどうしても狭いからなぁ。まあ、普通に部活動とか体育を行うんだったら全然申し分のない広さなんだけどな。」

「そうなんですね。」

「というか、あんたの姉さん、うちの会長と比べても美人だな、彼氏いんのか?」

「何ですか?姉さんが目的ですか?彼氏がいるなんて話は聞いてないですが、告白しようとしたりした人たちはみんな誰かに消されるとか…。」

「何だそりゃ。」

「さあ?あくまで七不思議と呼ばれるようなものですから。」


「瑞樹?そこで二人で何してるのさ。さっさと次行くよ?」

「あ、ああ、ごめん。」

「じゃあ、行くか。」


およそ一時間後、大会議室

「今日はわざわざありがとうございました。」

「いえいえ、こちらこそ。ここを自分の目で見れたことはすごい勉強になりましたわ。」

「では、また当日お会いしましょう。ありがとうございました。」

「僕がお送りいたします。」

「ありがとう。」


学院側が退室

「姉さん、なんか必要以上に敬語じゃなかった?同い年でしょ?」

「そうなんだけど、あの人この学校法人の創立者の系譜で今の理事長の娘なのよ。」

「えっ、そうなんだ…。確かに、それだったら、そんな態度にもならないことはないか…。」

「ちなみに、勉強できるし、運動できるし、人望もあるらしいよ。」

「ただのボンボンじゃなかった…。」

「瑞樹くん?柏委員長と何話してたの?」

「品川先輩?ああ、この学校広いねって。」

「それだけ?」

「いえ、なんか委員長に告白しようって言ってたので、七不思議なんてものがあるって話をしたんですけど?」

「そっか、それだけ?」

「ええ、はい。」

「まあ、いっか、ちょっとあの人は要注意人物だからね。」

「何かあったんですか?」

「この話は忘れて瑞樹、瑞樹が知る必要はないんだよ。」

「姉さんまで…。」

「悪いな、瑞樹くん、このことは君たち下の世代が知る必要はない。」

「副会長まで。」

「そこまで言われると美咲、気になります!」

「いや、鶴見、今回は諦めよう、姉さんがああ言ってる時は絶対に話さない。」

「でも…。」

「ほらほら、せっかくの休日に学校に来たんです。この後はどこかでご飯でも、どうですか?」

「そうだね。高崎、たまにはいいこと言うじゃん。」

「それじゃあ、何食べる?」

「自分は、あのイタリアンの店がいいかな。ドリアが食べたくなったんだよ。」

「いいね、それ。私は若鶏でも食べようかしら。みんなそれでいい?」

「「賛成!」」


イタリアンの店


「ひさびさの遠出ですが、こういうのもたまにはありですね。」

「いや、上野さんが異常なんですよ?あなた、何でこう何でもできるんですか不思議です。私の幼馴染なんて後輩に起こしてもらって着替えを手伝ってもらって…お弁当まで作ってもらってるらしいですからね。」

「それは、あんたの幼馴染が異常だよ。」

「海老名さん、そうなんですかね。」

「というか、すごいね、その後輩はどんな気持ちだか想像できないよ。」

「後輩さんはこれも修行の一環とか思ってるのかわかりませんが、嫌な顔ひとつせずにやってるんですよ。」


高等学校生徒会側

「ここの店は安くて美味しいんだよね。」

「そうそう。ここ他の倍安いし、美味しいし、いいよね。」

「そういえば、品川、君はいつもドリアを頼んでいるね。何でだ?」

「そういえば品川そうだよね、あなたが一度でもドリアを外しているのを見たことがないわね。」

「自分はここのドリアが好きでねぇ、別に一週間に一回来るわけじゃないから飽きないのさ。」

「ここのパンも美味しいのに。」

「自分はドリアを一回食べたらお腹いっぱいだからね。」

「それじゃあ、合同体育祭に向けて頑張ろう!」

「おお!」

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