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生徒会の日常  作者: 結城ミライ
生徒会の日常
4/7

四話 スポーツ祭準備

教室にて 


「大宮、お前大抜擢だなぁ。」

「まあ、姉さんがゴリ押したのもあるんだけどね、」

「あんたの姉ちゃん会長だもんな。学園でも美人で有名だし、羨ましいよ。」

「そう、かな?」

「いやー、俺は付き合いたいぐらいだよ?成績優秀、運動もできる、人当たりもいいし、何より可愛い。」

「?なあ、籠原、なんで副会長が氷の女王とか呼ばれてるのに姉さんはそういう異名がないと思う?」

「え?こう、明るいからじゃね?」

「答えは単純明快、告白されたことがないらしいんだよ。」

「は?!あんなに可愛いのに?」

「そうだ、誰に聞いても、そんな話は聞かない。一説によると告ろうとした奴はみんな誰かに粛清されるとか…。」

「こっわ。」

「まあ、学園七不思議の一つだから、あんまり気にしなくていいと思うよ。」

「そんなのあるんだ、他に何があるん?」

「まあ、調べればわかると思うよ。」

彼は籠原二郎、僕の級友だ。簡単にいうと、青春だ。なんて表現したらいいか難しいというか、こいつと一緒にいると青春してるなぁっていうか思うというか、今を精一杯楽しんでいるというか。

「それでさ、大宮、昨日のノート見せてよ。」

「また授業聞いてなかったのか?まあ、いいけど。」

「ありがとう!心の友よ」

「大袈裟じゃあ」

教室に誰かが入ってくる

「大宮瑞樹っていうのはあんたか?」

「ええ、そうですが、なんのようですか?」

「おい、スポーツ祭について話がある。」

「なんか、頑張ってねー。」

籠原…もうちょっとなんかあったろ…明らかにごっつい体格してる人に連行されてるんだよ?さすがにやばい…。


空いてた教室にて


「二人ともお揃いだなぁ。」

「って、鶴見、お前もこいつらに?」

「そう。急にこわーい顔して、この人がちょっと来いって、」

「まず、あなたたちは誰なんですか?」

「俺は野球部部長の所沢、こっちはサッカー部部長の川崎、こいつはラグビー部部長の浦和だ。」

「なるほど…お三方が、提案者ですか…。それで、受けてくださるのですか?協力依頼?会長か副会長が打診したと思うのですが。」

「その話を今からしようと思ってな、委員長さんに副委員長さん。俺らが全て運営するのであれば、任せて欲しい、だが、生徒会側から口出しされるようなら、運営はしない。一応、会長さんの気持ちもわかるんでな、功績が欲しいのは。俺らからするとどうも実績のない年下からこき使われるのはなんだからな。」

「そうですか…。」

「美波一人では決められないのでー、明日答えます、じゃあ、美波はお友達とご飯の約束があるので、失礼しまーす。」

「行っちゃった…。それでは、僕も失礼します。委員長がこんなので申し訳ありません。」

二人は教室を後にした。


「なあ、所沢、これでよかったのか?いくら北先生に言われたからって…。」

「しょうがねえ、北先生の知り合いのグラウンドを使わせてもらってて、コーチもつけてもらってる俺らからしたら、逆らう余地なんてないんだよ。それに実際、スポーツ祭をやりたがったのは俺らだからな。」

「…。」


生徒会室


「え、そんな要望されたの?!」

「そうなんですよー、ひどくないですか結衣せんぱーい、美波、悲しいですー」

「それで、姉さんあの部長たちからの協力どうするの?」

「うーん、あの三部活からの協力は得たいんだけどなぁー」

「お困りですねー結衣さん。」

「品川くん?!」

「今日はあいにくの天候だからね、生徒会室のソファを拝借させてもらってるのだよ。」

「それで、何かいい案があるの?」

「もちろん。案というのはかいちょー自ら説得することだよー。」

「それはいいけど、そんなんであの三人が従うの?」

「そうだねぇ、それだけじゃ難しいだろうねぇ。」

「もちろん根回しはするよ?でも、あの三人に要求するのは三人には参加してもらわなくて良いということ、ただし、その三人は運営の妨害をしないこと、それと、それに従わなかった場合、予算を減らすということ。まあ、反対する理由はないでしょ。」

「それだけでいいの?」

「うんうん、それで自分たちは部員の方々の協力を取り付けるってこと、まあ、こっちは任せておいてくださいな、高崎たちの担当だから。そんじゃ、そっちは頼んだよ。」

品川が退室する。

「ねえ、姉さん、品川先輩はいつもあんな感じなの?」

「まあ、あれはやる気になってる時だね。やる気じゃない時は寝てるだけか、それじゃーがんばってねーって言ってどっか行くかだから。」

「まあ、やる気になってるのであれば、俺たちは俺たちがやるべきことをやるかぁ。」

「それじゃあ、交渉は明日の放課後しよっか。多分その間に品川が根回ししてるから。」

「そうだね。」

「それにしても、今まではこんなに積極的じゃなかったのに…明日は雪でも降るんじゃないかしら。」


次の日 放課後


「それで、要件なのですが、以上三つの契約を認めて欲しいのです。」

「会長自ら…まあ、この程度であれば…。」

「それでは、お願いしますよ。」


生徒会室

「それにしてもよく考えたよね、部としてじゃなくて自由参加ってことで部から審判で必要な人数だけ人を借りるなんて。」

「そうでしょ、もっと褒めてくれてもいいんだよ。」

「他はどうやって集めたの?」

「普通に募集しただけだよ?大森に聞いて手伝ってくれそうな生徒を高一から順に当たっただけだよ。」

「でもそれじゃあ結局私たちがやってない?」

「いや、本当に大変なのはこれからだよ。」

「え?」

「瑞樹くんたちにはまだ彼らの教育が残ってる。陣頭指揮が上手くても、結局従う人がいなければ意味がないからね。だから瑞樹くんには彼らに何をやればいいのかまとめるマニュアルを作るよう言っておいたから。」

「なるほど、それじゃあ、美咲ちゃんには?」

「彼女は諸注意や流れなどの説明を作らせてるよ。」

「なるほど、もうやってきたのね。」

「それに、二人で近隣に説明文を書いてもらわないとね。まあ、公式ウェブサイトに載せる文書を考えればいいだけだけど。」

「まあ、高崎を動員する必要がなかったのはよかったけどね、」

「一人でなんとかなったの?」

「この学校の生徒は比較的やる気があるとはいえ、高一のフレッシュな時期に呼びかけるとやる気に満ち溢れてるからね。」


「瑞樹くん、調子はどうだい?」

「いや、難航してますね。」

「そうだよね、書面で人にわかりやすく伝えるのは大変だよね。図や絵を適度に挿入するとわかりやすくなるよね。」

「そうなんですが、問題は審判の質疑応答でして、ルールについての質問にどう対処するかとかで。それに、量が多くなりすぎないようにしないとなので。」

「そうだね、まあ、どこからどこへ移動させておいてぐらいは簡単だけど、このルールって何って言われたら大変だよねぇ。まあ、自分はスポーツ、体育の授業以外でしたことないからアドバイスできないけど、いいものを渡そう。」

「いいもの?」

「どうしても眠くなった時に飲むといい。」

お茶を渡される。

「お茶?」

「それはただのお茶ではない。カフェインがその一本に120mg含有されている。」

「これ300mlって書いてありますけど、安全ですか?」

「大丈夫だ、問題ない。それとも、こっち飲む?」

紫色の液体を見せられる。

「なんですかそれ。」

「これは…鶴見副会長が作ったスープ…もどきだねぇ。」

「ええっ」

「これを飲んだら自分も気絶しそうになったよ。横浜がなんかを入れて中和したら美味しくなったけど…これは調整前の代物…間違いなく眠気は覚めるよー。」

「…こっちでいいです。」


スポーツ祭四日前 空き教室


「本日はお集まりいただきありがとうございます。」

俺達はボランティア向けの説明会を行なっていた。

「…以上のことを注意していただいて、詳細はこの冊子をご熟読ください。何か説明はありますか?」

「ないようでしたら以上で終了とさせていただきます。ありがとうございました。」


スポーツ祭一日前 体育用具用倉庫


「えーっと、これは体育館…Aアリーナ、それはサッカー場、そっちは野球場よろしく。」

俺たちは荷物の運搬をしていた。そもそも、なぜこの学校は一気に3つものスポーツの大会ができるのか、それは簡単だ。この学校、無駄に広い…さすが私立というレベルだ。サッカーコート2面、野球場2面、体育館…バスケットボールコート六面分+フットサルコート1面分、テニスコート8面、屋内温水プール(25m×50m)など、まだまだある。これが大学、中学併設ならともかく、そんなことはない、高校単体だ。そのため、移動には台車を使うことが多い…使わないと遠くて運搬が大変だからだ。今回はサッカー場2面、野球場2面、バスケットボールコート4面が競技場になり、バスケットボールコート1面分の体育館の敷地が本部、残りの一面がバスケットボール用本部兼救護所、サッカーコート、野球場それぞれに面したテニスコートがそれぞれ用の本部兼救護所となる。今日運搬しているのはテントそして各競技用の道具、放送道具、そして椅子である。

こうして、ものを所定の場所に設置して、スポーツ祭の準備は整ったのであった。

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