二話 スポーツ祭の要望
数日後 生徒会室
大宮結衣と高崎詩音が話している。
「スポーツ祭がやりたい?」
「はい、会長。そういう要望が上がっています。」
「一応聞くけど、体育祭があるのは要望者ご存じ?」
「もちろん知ってるみたいです。どうやら体育じゃなくてスポーツ、玉入れとか綱引きではなく、野球とかサッカーみたいなもの、つまりはクラス対抗スポーツ大会のようなものをやりたいみたいです。」
「なるほどね…要望者は運営がどれだけ面倒なのかわかってないのかしら?すでに体育祭を春と秋の2回開催ってだけで周辺住民への説明も大変なのにさ、予算はどうなの?予算は。」
「ここに結構しっかりした要望書が上がっていまして、…予算的には大丈夫そうです。というのも、使用する物品は全て学校の備品、景品は出さないようですので、予算から出す費用はゼロ、ですね。」
「じゃああとは生徒会と教職員会議を通れば実行するってこと?」
「そうなります。副会長にはまだですが、少し、要望者が面倒でして。」
「面倒?」
「スポーツ祭を実現する会と、会を作っているんですよ。」
「あー、一人でじゃなくて複数人でってこと?」
「そうです。それどころか会員は50人をゆうに超えるとか。」
「一クラスより多いじゃん。」
「しかも、要望書の最後のページ見ていただけますか?」
「一週間の間に肯定的な回答を得られなければデモを起こす?うわー、面倒い。」
「しかも会長は野球部部長、副会長にサッカー部、バスケ部両部長が就任しているので尚更大変です。」
「その三部活は人数多いからなぁ、決算を不承認にされたり今後の運営に支障きたすよなぁ、これは実現するしないじゃなくてしなくちゃいけないやつかぁ。」
そこに鶴見美咲が入ってくる。
「話とはなんだ?」
「副会長、来ていただけましたか。ちょうどいいです、この案、どうします?」
要望書を手渡す。
「ふむ…スポーツ祭か…悪くはないが、問題は時期、だな。」
「そうですね。四月の説明会は乗り切れましたが、生徒総会がまだ控えています。五月には体育祭、六月には旅行、七月には期末テスト、そして夏休み、八月にまたがる希望制の林間学校、十月に体育祭、十一月に文化祭、十二月に期末テスト、クリスマス関係、二月はマラソン大会、三月には卒業式がありますからね、行事だけで、最低でも。」
「空いているのは九月と一月しかないかー。」
「いや、甘い、これからもどうせ要望がくる。間違いなく。」
「そうですね。去年もこの他に合唱コンクールに俳句大会、立宮漫才大会通称Rー1グランプリなどもやりましたからね。」
「確かに、あと行事じゃないが選挙や引き継ぎ、予算もあるからな。」
「そっかー、じゃあいつやる?」
「それじゃあうちがいい方法を教えてあげるんよ、それは特別委員会の設置や。」
「凛!いつの間に。」
「そのシステムねぇ、去年使ったら悲惨だったの覚えてる?」
「もちろんさ。去年、春の運動会で適用して体育大会実行委員会を作ったら逆にグダって仕事が増えたちゅうことやろ?」
「おまけに機材も壊されて大変でしたもんね。あの時は前会長もご立腹でしたから。しかし、提案するぐらいなら何かそうならないよう対策がおありで?」
「そりゃ、そうよ。ほら、会長の弟さんに副会長の妹さん優秀なんやろ?あの二人にそれぞれ委員長、副委員長任せたらどうなんや?」
「美波にか?」
「そうよ、あと瑞樹くん言うんやっけ?会長の弟さん。」
「ええそうね。」
「会長たちは今年最後やろ、留年しなきゃ。今のうちから教育しといたほうがええと思うけどなぁ。」
「確かにそうね。留年なんて絶対御免だし、あの二人には将来会長、副会長にはなってもらいたいからね。」
「結局いつやるんですか?」
「わざわざ要望してきたんやから、教職員会議通した次の週でええんじゃないか?いかにスポーツ大会の運営がいかに大変か、検討の時間を十分に取らせなかったこと、身をもって受けるがいいの!」
「府中さんはバイトしてて大変ですしね。」
その日の夕方 大宮家
俺は姉さんに呼び出されていた
「姉さん、なんのよう?」
「瑞樹、おめでとう!初仕事、決まったよ。」
「初仕事って生徒会か。で、何をするの?企画書?」
「違う違う、瑞樹にはスポーツ祭実行委員会の委員長か副委員長をやってもらいまーす!」
「?実行委員長か副実行委員長?」
「そう、美波ちゃんと相談してどっちが正副か決めておいてね。」
「いや、そこもだけど、なんで俺が正副委員長?」
「一応、今度の生徒総会で承認を得てからだけど、まあ、経験を積んでってこと。生徒会役員としての経験を積むためにも、かくかくしかじかあって私たちの仕事を減らすためにも!」
「まあ、なんとなくわかったけど、スポーツ祭って何?」
「詳しくはこれを見て。」
「あー、新しい行事か…。」
「そ言うこと、よく読み込んで準備しておいてね。あとは学校側から許可もらうだけだから。」
「…サッカー、バスケ、野球…一日で三個も大会を回すの!?」
この学校では行事を無理やり組み込めるのは理由がある。そう、土曜日が休みなのだ。土曜日に無理やり行事をねじ込んでいるのだ。だから授業を潰さず、いろんな行事を企画、運営できるらしい。一番激しかった時は一週間にいっぺん行事があったという恐ろしい一ヶ月があったとか。
三日後 生徒会室
「戻ったで。」
「凛、教職員会議どうだった?」
「通ったよ。」
「いやー、よかったよ。これで瑞樹と美波ちゃんに初仕事決定だね。今日は月曜日だから、五日間でやってもらおう!」
「いやぁ、デットライン短すぎないかい?自分は初仕事そんなに短くなかったよー?」
「品川?いつも寝てるからでしょ?」
「そうかもねぇ。」
「あ、ごめん?今週はサッカー部がここで対外試合あるみたいだから来週にしてくれだって。」
「十二日かぁ、あの二人は腕の見せ所だねー。」
「十二日もあれば完璧に仕上げてくれるでしょ!私の弟なんだから!」




