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第5話 テンプレ展開は正義

 ーー最上階に着いた。人と出くわすことはなかったが、さすがに見張り……いないの? なんで?

 ぬいぐるみ女神の言う部屋の前どころかこの階に、警備はおろか人がいない。

 であるならば、さっさと目的の部屋へ迎えとぬいぐるみが反応した。

 扉の前に来て理解した。どうやら魔法の結界が施され、安易に侵入出来ない仕組みになっているらしい。かなり高度なもので、解錠に時間がかかるらしい。

 なるほど、騒ぎになればすぐ人が来る。警報装置みたいなものが付属しているな。

 仕方ない、女神に任せよう。ぬいぐるみだが。


 しかしこの聖女、夜間警備として働く者を案じ配慮したのか。もしくはまさか、自分が襲われるとは考えもしない。

 ふむ、人気者の自覚がないのか、あるいは慈愛に満ちているのか。

 なるほど聖女、その仮面を剥がし面の皮ごと剥いでやる。キレイなマスクなら、どこかの中尉も喜んでくれるだろう。

 あの人気漫画は実に面白かった。ゴールデンゴールデン。


 おおマゴーネマゴーネ、俺良いこと思い付いた。南アルプスを首都圏に転移させよう。新宿辺りがいいだろう。日本の東京一極集中はこれで解決。するかもしれない。

 ドリフトアンドドリフタ。

 もう色々な作品を読めないと思うと、なんだか物悲しいな。

 よし、聖女を殺ろう。


 ーー解錠完了。

 ぬいぐるみが親指を室内に向け「行け、殺れ」とボディランゲージで伝えてくる。

 よかろうならぱ殺ってやる。俺の怒りはライトユーザーの怒り。テンプレに従い正当な転生ボーナスを受け取ることこそテンプレ展開。


 テンプレを崇めよ!

 テンプレフォーマットを利用する振りをして、読者を惹き付けるは創作界隈における常道。俺はそれで一位になった。

 連載中四百ポイントにも満たぬ作品が、連載中総合ランキングに入るとか、なろうは一体どうなってる。賑わってるのか違うのか、こんなじゃカケヨメにユーザーを持っていかれるぞ。なんだこの命令口調なサイト名、言われんでも書くわ!


 なろう民からすれば、企画やフォロワーが評価する「見える相互クラスタ」が常態化したあのサイト、いずれ攻略しようと考えていたが今更遅い。

 ちなみだが、同じ企画に参加した者同士が評価してもランキングには反映されないはず。確かそう。

 そして見える相互クラスタではなく、人気が可視化されたシステムなだけだ。

 文筆家になろうとは文化が違う。

 実に異文化、システムが違うだけ。

 だがしかし、読み合い企画なんて大っ嫌いだ、バーカっ!

 プリンがぷるんぷるん!


 実際部屋に食べ残しのプリンがプルプルと震えていたので、別にそういう意味ではない。

 そして読み合いが苦手なだけで、企画主として普通に読んでいた。お陰でテンプレとは何かを学んだぞ。

 企画から色々読んで知ったのだが、悪役令嬢追放系はともかく、松永久秀も流行ってるのか? そういや大河なドラマにもちょくちょく出てくるようになったな。時代劇では大体無視される、面白武将な位置付けだったのに。


 なぜか久子になる展開は笑ったが、残念もう続きは読めない。くそ、全部聖女のせいだ。俺殺したのお前だろう。絶対そうだ、そういうことにしておく。お前は現代の松永久秀、そうなんだろう?

 足利将軍のよう、俺を殺したお前は絶対許されない。

 異世界下克上はこちらの台詞だ。

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