1月26日
1月26日 オリオンビールのポスターの貼られた部屋にて隣り合った男性と女性の会話。
「あっち向いて」
「ぐぇ」
「君は横顔の方が可愛いよ」
「なぁ、ぅお」
「あっち向いて」
「だからってビンタするなよ」
「好き……」
「んん……」
「横向いてるとね、君の睫毛がとても綺麗なの。あと、この腕の血管がセクシーでね、この長い指と縦長の綺麗な爪が私を包んでくれるのが、最高に好きなの。そう、こうやって……ねぇ、ちゃんとして! 逃げないで!」
「逃げるさ」
「何でよ……」
「うるさいな! お前とは別れたいって言ってるんだろ!」
「嘘よ!」
「本当だ」
「嘘だっツッてるでしょう!」
「俺が嘘ついてどうするんだよ! 嘘なら何で俺から別れたいなんて言うんだよ! 好きじゃないからだろ!」
「よく分かんないけどみんな嘘!」
「じゃあプロポーズも嘘だって分かるだろ! ふざけんなよ! 俺の気持ちを考えろ!」
「それは本当!」
「都合良い事ばっか言ってんじゃねぇ!」
「そんな事ない! プロポーズは本当の気持ちでしょう!? 私と結婚したいんでしょ!! それだけは死んでも本当! 絶対痩せるから死んでも結婚するからね!」
「死んでも……? 死んでも! 死んでも! 死んでも! 死んでもォアアア! 俺がッッ死んでも……かよ!」
「!! !」
「……あ、……ごめん。大きい声出してごめん」
「いいよ……、でも君の本気の声が聞けたからいい、死んでも……結婚する」
「……」
「……」
「……勝手にしろ。その代わり1gも多かったらダメだからな」