1月21日
1月21日。喫茶店にて女性同士斜向かいに座っての会話。
「ねぇ、……そう言えば、彼とはどうなってる?」
「ふふ……聞きたい?」
「えっ、まぁ聞いても良いけど……なんか嬉しい事でもあったの?」
「……プロポーズされちゃった」
「……はァ!?」
「くふふ……チミは1番の友達だから、教えてやっても良いけど……まぁ来月になったらね」
「いや、ちょっとおかしいでしょ、何でよ! アイツ何企んでんの!?」
「彼、チミとも仲良いみたいだけど、流石にプロポーズを女友達には知らせないって……一生に1度の事だよ?」
「いや、え、そう?」
「で、祝福してくれないの?」
「え、あ……急だから……ごめん。動転しちゃった。その……おめ……おめ……」
「おめ? ……変なの。じゃあ、祝福代わりにここの支払いお願い出来る? お金が必要になっちゃって……」
「ああ、良いけど……」
「何かバツが悪そうな顔してるね」
「いや、そうでもないよ。あ、そう言えば最近痩せた?」
「ふふ……分かるかな? 私、彼の為に痩せる事にしたの……本当、来月が楽しみ」
「あー、その話聞きたいけど今から夜勤だわ。患者さんが私のおっぱい待ってるわ」
「昔からなにか困るとすぐおっぱいおっぱい言うよねチミ」
◇ ◇ ◇ ◇
1月21日。夜。携帯電話越しに男性と女性の会話。
「ちょっと! どうなってんのよ! 彼女アンタにプロポーズされたって言ってるわよ!」
「はぁ!? 何でだよ!」
「そんなの知らないわよ! この根性無し! アタシに嘘付いてどうすんのよ! 全部バラしてやろうか!」
「いや、それは……やめてくれ……頼む。本当に……何でそうなったか分からないんだ」
「どうだかね……最近痩せて可愛くなった彼女とせいぜい楽しい結婚生活でも送ったら? もう私知らないから」
「ちょ、待てよ!」
「……ツー……ツー……」
「最近痩せて可愛くなった……か、はァ」