なろうのTOP5の累計アクセス数を見てみる話
今回はちょっといつもとは分析やツールとは違った話で、なろうの累計ランキングTOP5のデータを見てみたいと思います。
高すぎる目標ではありますが、目指すべき目標になると思うのでまずは目標を知ってみようというところから。
2022/1/21時点のなろう累計ランキングを参照しています。
では、TOPから。
普通は勿体つけて5位からいくものですが、別にここで勿体ぶる意味もないのでTOPからいきますよー。
―――――――――
小説家になろう累計ランキング1位
転生したらスライムだった件
なろうの王とも言われる作品ですね。
そちらのこの作品のUAグラフがこちら。
※画像はクリックすると「みてみん」に飛んで、そこでさらにクリックすると大きく表示されます。
はい、圧倒的なアクセス数。
そしてほぼ離脱のない推移。
1位の座にふさわしいグラフの形ではないでしょうか?
終盤落ちているようにも見えるのですが、
転スラは最終話後に番外編を連載しているので260手前の飛び出しているところがストーリーの最終話となります。最終話だけ大きく飛び出しているのは途中離脱した人が最終話だけ見るなどがあるためだと考えられます。
また、最後から2つ目が大きく飛び出ているのは、書籍の特典の転載かつ、アニメで言う温泉回だからですかね。誰しも本能には勝てないということでしょう。
もう一つ特徴的なのは通常は落ちていくはずの推移が70話前後で大きく伸びている点。連載話数と照らし合わせると丁度「魔王誕生編」になっていて、この章の人気が高い、あるいはUAとして再カウントされる程度に間を開けて再度読みに来る人が多いなどと考えられます。
―――――――――
小説家になろう累計ランキング2位
無職転生 - 異世界行ったら本気だす -
こちらも大人気作品
2021年にはアニメ化もされています。
はい、こちらもほぼ横ばいの貫禄のあるグラフです。
特徴的なのはエピローグが突出していることでしょうか。
本編の最終話は一つ前の話なのですが、そちらより圧倒的にエピローグのUAが多くなっています。
エピローグは飛ばされたりすることもあると思っていたので、これは意外でした。
私は本編を読めていないので、詳細はわからないのですが、何か仕掛けの有りそうなタイトルなので人を呼ぶ要素があるのかもしれません。
―――――――――
小説家になろう累計ランキング3位
とんでもスキルで異世界放浪メシ
こちらはアニメ化こそされていませんが、書籍類は累計350万部を越えているとのことで、当然ながら大人気作品です。
こちらは休載期間などがほとんどなく、そのため突出して読まれる話数もないという形になっています。
連載期間は丸6年を越えたようですが、こち亀のような安定感で連載が続けられている作品です。
突出している話数がない、という形で安定感もグラフから感じられます。
グラフは徐々に落ちているように「見える」とあえて文字で書いたのですが、これは決して悪い意味ではありません。
4位、5位の作品踏まえて最後にその点も記述します。
―――――――――
小説家になろう累計ランキング4位
ありふれた職業で世界最強
絶賛アニメ放送中の本作、累計発行部数は500万部ということで商業的に見れば3位の作品よりも上かもしれません。
そんな作品のグラフはこちら。
こちらはストーリーは完結していて、現在はアフターストーリーが続いている状態です。
第80部分前後が突出しているのですが、特に休載が長かったとかもなく、原因がわからなかったので、特記はしませんでした。
部分タイトルでいうと「無能の無双」「再会後のあれこれ」「宣戦布告」辺りが該当するので、主人公の活躍シーンが描かれている人気のシーンなのではないかと推察されます。
こちらのグラフも3位同様、見た目上は落ちているように「見える」と記載しましたが、その辺りについては5位の後に記載します。
―――――――――
小説家になろう累計ランキング5位
蜘蛛ですが、なにか?
こちらもアニメ化もされ、書籍も430万部を超える人気作。
そんな本作のグラフはこちら
こちらの作品は結構休載が多いのが特徴かもしれません。
休載期間が長いと、そこまでの最終話にアクセスされることが多くなり、休載手前の最後の話数が髭のように大きく飛び出します。
それがいくつかあります。
また、途中で過去話を挟んでおり、そこが落ち込んでいるのも特徴的かもしれません。
マンガの連載でも過去話はありますが、過去話が長いと読者の間で文句が出たりしますが、過去話に人気がないという点が現れていると言えるかと思います。
そして、こちらのグラフも見た目上は落ちているように「見える」形となっています。
―――――――――
さて、上記が現時点の小説家になろうの五傑です。
いかがだったでしょうか? それぞれご自身で読まれた方もいると思いますが、みなさんが想像したようなグラフの形をしていたでしょうか?
自分はこの中だと転スラだけ読んでいたのですが、特に何も考えずに読んでいたのでグラフを見ながらただ「ほえー」と思いました。
左の軸が50万からってなんですか?転スラに至っては100万からて……
TOP層の作品の凄さが伺いしれます。
さて、上記の補足になりますが、横軸に話数をとったグラフでは1位、2位の「転スラ」と「無職転生」はほぼ横ばいで3、4、5位の作品は落ちているように見えました。
では、1、2位に対して3,4,5位が劣っているかというとそれはまだわかりません。
それはなぜか。
この違いが出る要因が完結済か否かという違いが大きいからと推測されるからです。
1位、2位の「転スラ」と「無職転生」は完結しています。それも5年以上前に。
対して3位、4位、5位の「とんでもスキルで異世界放浪メシ」「ありふれた職業で世界最強」「蜘蛛ですが、なにか?」は未だに連載中です。
新しく投稿された話数のUAが積み重なるには、相当数の時間がかかりますし、それがこれだけのUA数ともなればなおさらです。
いやいや、そうはいっても5年以上も連載されている作品群ですし、実際読者数がガクッと落ちているのでは?
という人もいるでしょう。
というわけで、3位の「とんでもスキルで異世界放浪メシ」のUAを横軸に日付でとったグラフがこちら。
はい、勢いはほぼ落ちてないんです。横軸に話数をとったグラフと受ける印象がぜんぜん違うかと思います。
なので、例えば完結後にパタッとメディアミックス展開などが止まったりすると後の話数が落ち込んだまま追いつかないという場合もありうるかもしれませんが、そういう結果がわかるのは完結してから数年必要なので、まだまだ結果はわからないという形になります。
前に本連載で長期連載が失速型のように見えるのは、実質的に避けられないと記載しましたが、この辺が理由です。
これは「転スラ」や「無職転生」も例外ではありません。
こちらは「転スラ」のストーリーが完結して少しマージンをとった1ヶ月後(2014/8/14)時点まで横軸話数のグラフです。
はい、話数が進むごとにUAが落ちているように見えます。
なろうの王といえど、この宿命からは逃れられないのです。
なので、失速型と書いちゃいましたけど、見た目上そう見えるだけで、実質の勢いが落ちてるかは横軸を日付にしたグラフで見てみてください。
横軸日付で縦にUAを積み上げたグラフが落ちていってるなら読者離れが進んでいます。
キープできているなら人気は衰えていません。
長期連載作者の方はその点注意してみるといいかもしれません。
さてさて、今回結構長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
データもいろんな角度で見てみないと、わからないこともあるので、その辺大事だなぁと改めて思いました。みなさんもご自身のデータを見る際にいろんな尺度を持って見てみると、新たに気づく良い点、悪い点があるかもしれません。
次回はちょっと転スラを深堀りしてみようと思います。
ではまた
あとがきのコピペ
自分の小説のアクセス集計もやってみたい!という人はここで試用版のツールを公開していますので、
興味あればご自由にどうぞ
【非公開化済】https://cathut.booth.pm/items/3569867
----------------------
環境によってはソフト起動時に『WindowsによってPCが保護されました』と表示されます。
通常は[詳細情報]をクリックすると『実行』ボタンが表示されると思いますので、こちらをお試しください。
発行元が不明な発行元になっていると思いますが、こちらはデジタル署名などを使用していないためです。
すみませんが、ご了承ください。