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【完結】そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?  作者: 氷雨そら
幸せな結婚生活を目指しましょう。旦那様?
32/43

第三十二話 魔眼に魅入られたんですか。旦那様?



 ✳︎ ✳︎ ✳︎



 観劇から帰ってきて、ようやく一息つく。

 リーフェン公爵と離れて、黒いローブを脱いだ。


 途端に鏡の前には美しく着飾った公爵家の奥様が現れた。


「せっかく着飾ったのに。少し勿体無いわね」


 そんなことを呟いてくるくると鏡の前で回っていたら、侍女長のマリーと侍女のリンが現れて無言のまま私をバスルームへと連れ去る。


 さっさと綺麗なドレスが脱がされていく。もう少しだけ着ていたかったような気もする。少し残念だ。


「あれ? お出かけはもう終わったのよ?!」


「これからが本番です!」


 なぜか私は、磨き上げられる。

 香油まで、いつものよりさらにランクが上の最高級のものだ。


 そして、部屋着に着替えさせられてさらに黒いローブを上に被せられ、夫婦の寝室に押し込まれた。


 ――――ご飯も食べていないのに?


 そう思ったけれど、不思議なことに寝室には軽食が用意されていた。


「ルティア……。魔眼の、いや聖なる瞳の乙女の加護を俺にくれ」


 ――――心から、せめて魔眼に魅入られし者の方でお願いしたいと願いながら、おずおずとリーフェン公爵に近づいていく。


「ところでルティアは、魔眼の力を相手に与える方法わかっているの?」


「え? そういえば知らないわ」


「やっぱり……。俺としては、そんな理由でこんなことになるのは納得いかないんだけど」


「え?」


 なぜがどんどん距離を詰めてくるリーフェン公爵。魔眼の力を抑えるローブをまとっているからか、リーフェン公爵に全く遠慮が感じられなくて戸惑う。


「魔眼の力のためなんかじゃない。俺が望んでいるんだって……これだけは覚えていて?」


「え? 魔眼のためじゃないって」


 魔眼の力を渡すのと、リーフェン公爵の望みは、なぜか一致するらしい。


「好きだよ。ルティア。この後、俺の名前をたくさん呼んでね?」


 名前を呼ぶことと、魔眼の力を与えることには、どうも関連があるらしい。


 その意味がわかった時には、すでに私は逃げられない状態になっていた。


 その夜、私は一生分かと思うほど、リーフェン公爵の名前を呼ぶ羽目になった。




最後までご覧いただきありがとうございます。


二章完結です。


『☆☆☆☆☆』からの評価やブクマいただけるとうれしいです。』

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― 新着の感想 ―
[良い点] 観劇中にルティアと一緒に泣くリーフェン様!なんだかかわいいです リーフェン様の名前を呼ぶルティア\(//∇//)\ 幼なじみ溺愛end いいですね♪
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