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第5話 察してくれ

 ダンジョンの体験を終えた結奈さんを連れて俺の部屋、プレハブダンジョンへと戻ってきた。まだ健太とファーナさんは戻って来ていないみたいだ。部屋に戻ると早速結奈さんがティーセットを取り出し紅茶の準備を始めていた。


「……はぁ」


 もうねため息もでちゃうよね…結奈さん、この人怖すぎるわ。これから俺この人に付き合ってまたダンジョン行かないといけないわけ? というかなんで健太の時もそうだったけど、無理やり連れていかれるのか…デフォなのか?? 快適な部屋を手に入れた俺にダンジョンでの目的なんてそもそもないんだぞ。


「どうぞ」

「…ども」


 カップを渡され俺は受け取ったがすすす~っと結奈さんとの距離を開ける。はっきり言って必要以上にかかわりたくはない。


「由雄様明日は日曜日です。今日は準備をいたしまして早速ダンジョンの攻略へとまいりましょう」

「…そうですね」


 視線をそらしつつ返事を返す俺。嬉しそうに話をする結奈さん…外から見たらどんな光景よこれ。


「ただいまぁ~疲れたーっ」

「ファーナさんおかえり」


 11階層はよほど厳しいのか俺たちと変わらないほどの時間で2人は帰ってきた。2人が帰ってきたのを確認すると結奈さんが紅茶の準備を始める。その間に俺は健太の袖を引っ張り耳元へ顔を寄せた。


「結奈さん秘書って聞いたんだけど」

「あーうん。一応俺の秘書な。言ってなかったっけ? 俺高校卒業したら家の会社で働くんだわ」

「そうなのかっ 初耳だ」


 なるほど…そのためにすでに秘書が付いているってことなのか。普通の家ではありえないことだけど俺は納得する。


「それまでしか自由もないし、まあ…邪魔にならない程度ついてくるだけだから気にするなよ」

「ああそれなんだけど…」

「健太様紅茶が入りました」

「ああ、さんきゅっ」


 結奈さんについて話を勧めようとしたら紅茶が入ったらしく会話を止められてしまった。気のせいか結奈さんがこっちをじっと見ていて怖い。


「健太様、明日なのですが私由雄様とダンジョンの攻略へと行ってまいります」

「…は?」

「攻略を進め健太様のいらっしゃる11階層へと追いつくつもりでおりますので、その時はぜひ私もお連れください」

「え、何よっすー…ゆいのダンジョン攻略付き合うの? 俺には付き合ってくれないのに??」

「…察してくれ」


 俺の顔を健太がじっと見ている。だがこの顔はわかっていないときの顔だ。すっと俺はポケットからスマホを取り出し健太へとメッセージを送る。


(詳しくは後で)

(よくわからんがまあ、後で?)


 健太の背後から結奈さんがそっとスマホの画面の覗き込んでいる。この場で内容書かなかった俺グッジョブと褒めたい。


「ヨシオ、ユイナさんとダンジョンなんだ…ねえもう一人くらい増えてもいいかな?」

「もう一人?」

「うん、私の知り合い~同じように私がいる階層まで来れるようにして欲しいんだよね」

「ファーナさんの知り合いか…魔物相手とか出来る人?」

「それは大丈夫ーむしろ私より強いからね」

「なら楽になるからいいよ」


 戦える人ならむしろ歓迎だ。俺は軽い気持ちでそれを引き受けた。これで俺はダンジョンのことを教えながら後ろからついていくだけでいいんだからな。

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