表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/37

第32話 勇者パーティの目的

「ではこちらが目的を話せばパーティに入れてもらえるか?」


 勇者(願望)の言葉に俺達は再び顔を見合わせた。まあ健太とファーナさん以外という言葉が頭につくのだが、お互い頷きあっている。


「内容によっては断るかもだけどいいか?」

「よっすー厳しいな!」


 なんでも受け入れられるわけもないだろうに…というか厳しいか?


「私達のパーティ構成を見てもらえればわかると思うのだが、目的は魔王討伐だ。勇者としてやはりことを起こされる前に魔王は仕留めておきたいと思っている」

「つまりこのダンジョンに魔王がいると??」

「いや…それはまだわからない。ダンジョンのどこかから生まれるはずなのだ。生まれた魔王が何を目的に外へと出てくるのかはわからないが、危険な存在であることは間違いない」


 つまりこいつらはいるかわからない魔王を探してダンジョンを攻略していると? もう少し詳しく聞いたほうがいいか。


「魔王ね~…目的はわかったけど、なんでこのダンジョンなんだ?」

「よくぞ聞いてくれた!」


 大きな声をだし勇者(願望)に肩を掴まれる。中々うっとおしいやつだなこいつ。


「ダンジョンは他にもいくつもあるのだが、ダンジョンのランクが上がったのは実は数十年ぶりなのだよ」

「すまんが全然意味が分からん…」


 勇者(願望)はもしかしなくても説明とか苦手なんじゃないだろうか。ちらりと隣にいる踊り子(未熟)のほうを見ると難しい顔をしていた。


「簡単に言うとこのダンジョンで魔王が生まれそうな予兆があるということ」

「ああ、つまりランクが上がるのはその予兆の一つということ?」

「はい、そうなりますね~」


でもそうなると少しおかしいんじゃないか? 他のダンジョンの状態は知らないが、同じランクの中級ダンジョンならいくつもあるとおもう。そのダンジョンだって最初は初級から上がったはずなんじゃないのか…?


「ランクの上がったダンジョンは警戒されて、私達のようなパーティが中の状態を見にくるの。でね、このダンジョンなんだけど初級が他のダンジョンに比べてかなり緩いのよ。ということは攻略されやすいってことになって、ランクも上がりやすいでしょう? 強い魔物が増えるでしょう? 魔王が生まれやすいってことなのよ」

「補足するわ魔王がどう生まれるのかは流石に知らないんだけど、私達が魔王に遭遇することが出来るとすれば上級の最下層よ」

「え、ってことは魔王はダンジョンの上級のボスってことなのか?」

「ええ、今までダンジョン内で確認されたのはそうね。まれに外へ出てくる魔王がいるから確実とはいえないけれども」


 (将来の)賢者の補足で幾分わかりやすくなった。こいつらは本当に魔王を倒すつもりらしいな。本当にこのダンジョンに生まれるかどうかは知らないが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ