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第31話 逃げた僧侶

 朝起きると身支度を整えとりあえず母さんと顔を合わせてくる。いつも休みは健太が来るのが早すぎてあまり顔を見せていないからだ。たまには会わないと部屋にやってきそうで危険なのだ。


「はよーっす」

「おはようございます」


 部屋へ戻るところで庭で健太と結奈さんに遭遇。やっぱり少し遅かっただけで来るのが早い。扉の鍵を開け中に入ると結奈さんが早速朝食を並べ始める。はっきり言って家で食べてくればいいのにといつも思うんだが…まあくれるというのでありがたくいただいた。


 朝食を食べ始めたころ、この部屋の立ち入り許可を出しておく。するとすぐにファーナさんとホルンさんがやってきた。


「ヨシオ、開けるの遅いよっ」

「今日もよろしくお願いします」


 挨拶を済ませると2人も朝食に参加する。よほどこっちの世界の食事が気に入っているのだろう。最近はお茶以外の持ち込みをしなくなった。


「おはよーっ」

「おはよ…」


 食事を終えお茶を飲んでいるとミネとリノがやってきた。これでここに集まっているメンバーがそろったことになる。


「んで、今日からどうやっていくよ」

「そうだな~ ボス部屋までは地図埋まっているし、とりあえず2パーティに組んで一緒に行けば…」

「すまないっ ヨシオとやら!」


 健太と今日のことを話ていると勇者パーティ(仮)の3人がやってきた。


「こんなことを頼むのはよくないとはわかっているんだが…」

「うん?」


 勇者(願望)が少しだけ言いにくそうに一度言葉を切ってから続けた。よくないと思うならやめて欲しいところなんだけどな。


「みたところそちら2パーティで構成されており人数の上限に空きがあるとみられる。そこで、ぜひ私達もそのパーティに加えてもらえないだろうか」

「…いや無理だろう? そっち4人だよね」


 人数を合わせると11人になってオーバーしてしまうのだが…なんでそんなことをいいだしたんだ?


「いや、こっちは3人だ」

「えーと…回復の人はどうしたの?」


 そう言えば来た時から僧侶の姿が見えないな…というか昨日もいなかったっけ。


「実は昨日あれからあいつの家に行ったら、もうダンジョンには行きたくないと言われてしまってな。回復役がいなくなってしまったのだ…それでそちら2パーティなら回復が2人いるだろうと思ってな」

「だそうだけど…どうするよ??」


 俺は他のみんなの顔を見渡した。それぞれが顔を見合わせながらどうしようかと思案しているようだ。


「別に問題ないんじゃね?」

「健太様っ 気軽に考えるものではありません!」

「私もいいと思うんだけど?」

「ファーナ様まで! まずは相手の目的を聞いてからですっ」


 まあお気楽コンビは置いておくとして、ホルンさんの言う通り勇者パーティのダンジョンの攻略目的くらいは聞いたほうがいいかもしれないな。

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