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「ぎー」

 金属音が響いて、古びた観覧車がゆっくりと動く。

 塗装は浮き、剥げたところは錆びついている。

 観覧車は急に停止した。

 ゆらゆらとゴンドラが揺れる。

「がん」

 真横についているゴンドラが落ちた。

 観覧車は再び動き出す。

 悲鳴のように、錆びた体を軋ませながら。




「へーい、パス」

 トモヤは背が高く、手を伸ばしても届かない。マサヒロも素早く動き回るので、加奈子はついていけない。

「ほら、要らないのか? 早くしないと落ちちゃうよ?」

 トモヤが、片手で加奈子のカバンを掴んで、見せつけるように高く揚げた。

「ほーら、パス」

 加奈子のカバンは、マサヒロに渡る。だが、マサヒロはカバンを受け取ってから、わざと落として見せた。

「ほら、チャンスだぞ」

 カバンを拾おうと加奈子は走るが、マサヒロの方が一瞬早かった。カバンを片手でさらうと、すぐにトモヤに渡した。

「動きおそっ。運動神経悪過ぎだろ。マジウケる」

 マサヒロが冷やかした。

 加奈子は必死にカバンを取り返そうと懸命に手を伸ばした。だが、橋の真ん中に辿り着くまでにカバンを取り返すことはできなかった。

「はい、終了」

 トモヤが、カバンを力強く放り投げた。

 カバンは、欄干を越えて、川へと落ちて行った。

「また挑戦してねー」

 トモヤたち三人は、何事も無かったかのように、加奈子を置き去りにして歩き去っていった。

 激しく体力を使ったせいで、息が荒い。

 加奈子は、顔を真っ赤にしながら、悔しさと惨めさで涙を流した。

「加奈子……」

 加奈子の肩に、手が置かれた。亜里抄だった。亜里抄は小学校からの友達だが、中学に上がってからは隣のクラスになった。橋の上で泣く加奈子の姿を認めて、走ってきたのだ。

「今日は、なにされたの?」

「カバン……カバンが……」

 亜里抄は、橋の上から川をのぞいた。

「大丈夫。岩にひっかかってる。浅いところだから、大丈夫だよ。ここで待ってて」

 そう言って亜里抄は、自ら川に入って、加奈子のカバンを拾ってきた。

「……あー、濡れちゃってるね」

 亜里抄がカバンを開いて言った。ノートや、教科書が濡れて、ページがはりついている。

 

 


 学校から帰った加奈子は、濡れた教科書を広げた。まだ乾燥していない。川の水が汚れていたせいか、茶色の薄いシミになっている。乾かせば、見た目は悪いがなんとか使えそうだ。

(母さんには、なんて説明しよう……)

 明らかに濡れたと分かるカバンや教科書を見られれば理由を聞かれる。加奈子は濡れたままの教科書をカバンにしまって、素早く自分の部屋に入った。

 何も言わずに帰宅した加奈子を追って、母親が部屋に入って来た。ノックをせずに入って来たので、加奈子は教科書を隠した。

「加奈子、今日、学校遅刻したんだって? なにかあったの?」

「え、ううん。ちょっと途中で……お腹痛くなっただけ」

 加奈子は咄嗟に嘘をついた。

 加奈子の動作に違和感を覚えたのか、母親は、

「どうしたの? なにかあった?」

「ううん」

「お腹は、治ったの?」

「うん。もう大丈夫」

 両親にだけは、自分がいじめられていることを知られたくない。母さんが、自分がひどいいじめに遭っていると知れば、どれほど深く傷つくだろう。

 加奈子は、両親を守りたかった。だから、自分は普通の子と同じように学校生活を送っていると……そう演技をしてきた。




 体育の時間になっても、加奈子は校庭に出なかった。女子生徒が着替える場所になっている自分たちの教室で、体操服を探していたのだ。朝、カバンにいれておいたはずなのに、トイレから教室に帰ってきたら無くなっていた。

 カバンの中に無いとすれば、ロッカーの中に移したか。当然見てみたが、ロッカーの中にも無い。どこかに置き忘れてきた、ということではないようだ。

(無い…………)

 ということは、どういうことか。

 腹部の下の方に、チクチクとした疼きが生まれた。やがてそれは、濁った黒い液体のようになって、腹部に充満した。

 隠された。

 それ以外に考えようがない。ということは、自分の置き場とは別の場所を探さなければならないということ。

 加奈子は仕方なく、うろうろと教室の本棚を探したり、清掃用具入れをのぞいたりした。

 本来は自分の所有物なのに、自分が好きに使うべきなのに、他人が勝手に触れて、あまつさえ隠す。 

 うろうろとあても無く捜し回る姿。それは屈辱以外のなにものでもなかった。 

 加奈子はふと、教室の時計を見た。

 あと三分で、体育の授業が始まってしまう。

 加奈子は焦って、あちこち探した。

 結局、ゴミ箱の中から体操服が見つかった。

 加奈子は着替えて、体育の授業へ向かった。




「私の財布がない!」

 ジュンが叫んだ。

 体育が終わった後のことだった。女子生徒の着替えが終わって、男子生徒も教室に戻ってきていた。

「え? 無いってなんだよ」

 教室にいた全員がざわめいた。

 トモヤの彼女である、ジュンのカバンから財布が無くなったのだそうだ。

 加奈子も、遠巻きにジュンの様子を見ていた。

「誰だよ、おい! 私の財布盗んだやつ! 出て来い!」

 ジュンはものすごい剣幕で怒鳴った。加奈子は、怒ると暴力的になるジュンが怖かった。彼女はいつも、トモヤやマサヒロとつるんでいて、加奈子をいじめては満足げに笑っていた。そのくせ、ジュンは、みんなの前では品のある人間のように振る舞う。実際、勉強も運動もできたし、容姿も優れていた。

「財布には、いくら入ってたんだよ」

 男子の一人が聞いた。

「二万。でも、お金の問題じゃないの。あの財布、気に入ってたの」

 ジュンは甘えるような声を出した。

 マサヒロが口を開いた。

「……俺、見た。加奈子が、ジュンのカバンからサイフ抜くとこ」

 全員がどよめいた。

「加奈子が?」

「うそだろ?」

 みな口々に言った。全員の視線が、教室の隅にいる加奈子に集まった。

「マサヒロ、それホントなの?」

 ジュンが、加奈子を睨みながら聞いた。

「ああ。俺、トイレから戻ってきて、校庭に行こうとしたら、加奈子がジュンの席に一人で立ってたんだ」

「私、そんなことしてない!」

 加奈子は大きく首を振って叫んだ。

「ふうーん」

 ジュンはゆっくりと腕を組んだ。そして、ゆっくりと加奈子の席へ向かう。

「加奈子、あんたを疑うわけじゃないけど、カバンの中、見せてくれる?」

 ジュンは、教室では大人しく振る舞っている。いきなり脅すようなことはしない。自分の人気を失うことは、少しでもしたくないのだ。

「私、盗ってない」

 加奈子は、もう一度ジュンに向かって言った。

「じゃあ、見せてくれる?」

 ジュンは、加奈子の机に手を置いた。

 拒否する権利などないというような、威圧的な表情だった。

 加奈子は、無実を証明するために、黙ってカバンを開いた。

 ……中に、見慣れないものが見えた。

 高そうな皮製の、黒い何か。

「あ! 私の財布!」

 加奈子と一緒に中を覗き込んでいたジュンが叫んだ。それから、カバンに手を入れて、財布を取り出した。

 驚いたのは加奈子だった。

(なんで、こんなものが入っているの……?)




「私じゃない! 私、盗ってないんです!」

 その後の授業は中止となり、話し合いの場が開かれた。加奈子は、必死に訴えていた。

「じゃあ、これはなんなんだ」

 担任の本田崇行が、ジュンの財布を見せつけながら言った。

「わたし、本当に盗ってないんです」

 加奈子は、そう言うしかなかった。

「じゃあ、先生はこれをどう信じたらいいんだ? じゃあ中川たちが嘘をついてるってのか?」 

 本田崇行が言った。浅黒い肌で、三十で既に頭頂部が薄くなっている、目つきの悪い男だった。

「往生際が悪いぞ、犯人」

「罪を認めろ」

「丸刈りにして反省しろー」

 冗談まじりに、加奈子のことをなじる声が飛んできた。

「江木、お前、体育のとき、最後まで教室に残ってうろうろしてたっていうじゃないか。あれはなにをしてたんだよ。みんなのカバンの中を覗いてたんじゃないのか?」

「あれは、体操服が無くて……」

 加奈子が弁解した。

「もういい。江木、こっちこい」

 加奈子は、自分の席から担任のところへ行った。すると、担任は組んでいた腕をほどいた。

分厚い掌で、加奈子に平手打ちをした。

 加奈子は、口の中から血の味がするのを感じた。

「盗んでおいて、バレたら言い訳か? ふざけた奴だ。本当なら、親を呼んで警察に突き出すんだが……」

 担任はそこまで言って、わざと黙った。

「先生、加奈子に、罰を与えた方がいいと思います。全然反省してる様子がないので」

 マサヒロが言った。

「罰? 罰か……」

 そこで、ちょうど良い罰を思い付いたのか、担任はニヤリと笑った。

「おい、お前のしたことは犬以下だからな。犬の真似をしろ。四つん這いで、ワンワン鳴くんだよ」

「え……?」

 血の気が引いた。なんでそんなことをしなければならないのか。

「やれ! 許してほしかったらやれ! 親を呼ぶぞ」

 担任がどやした。

 親だけには、知られたくない。親を傷つけたくない。自分は無実だが、加奈子は抵抗する自分の体を動かし、心の悲鳴も抑えつけて、床に手足をついた。

「ほら、鳴けよ」

 マサヒロが、椅子から見下ろしている。

「……ワン」

 加奈子は、犬のように鳴いた。

「もっと元気に鳴け!」

「ワン。ワンワン……」

 涙が床にこぼれた。

 どうして、こんなことをしなくてはいけないんだろう。

 みんなが、加奈子を笑っていた。

「分かったか。人様の物を盗んだら、本当はこんなもんじゃ済まないぞ。少しは身に沁みたか。どうだ、お前たち。これで気が済んだか? 中身は盗られてないんだろ? これで許してやってくれよ。な?」

 犬の真似をやりおおした加奈子は、床に顔を伏せて、ただ泣くしかなかった。




 加奈子は、音を立てないように父親の部屋に入った。父親は帰ってきて、食事をしている。

 加奈子の表情は沈鬱なものだった。

 仕事から帰ってそのままになっている、父親の鞄を開けた。父が長年使っている財布がある。財布を開いた。

『ちょっとお金貸してほしいんだよね。色々買いたいもんあってさ』

 学校での、ジュンの言葉がちらついた。

『いいんだよ? あんたが私の財布盗んだこと、アンタの親に報告させてもらっても』

五千円札が二枚と、千円札が何枚かある。加奈子は千円札の方を二枚抜き取った。

「どうした?」

 父親が後ろで見ていた。加奈子は慌てて、札と財布を隠す。

「え、ちょっと……」

 すでに現場は抑えられているから、何を言っても無駄だった。加奈子の父親は、頭ごなしに怒ることはしなかった。

「なんだ、お小遣いじゃ足りないのか? なんか、欲しいものがあるのか?」

 脅されて、金が必要だから。本当のことなど、言えるはずがない。

「母さんから聞いたんだけど、なんだか色々物を失くすそうじゃないか。もしかしてお前……」

「ちがう……そうじゃない。ごめんなさい」

 加奈子は、札と財布を机に置き、自分の部屋に逃げて帰った。




 夜になって、亜里抄が加奈子の家に来た。最近では珍しいことだった。

「たまにはさ、遊びに行こうよ」

 そう言って、亜里抄は加奈子を外へ連れだした。

「どこ行く? カラオケは?」

 加奈子は、急に表情を暗くする。

「ダメ」

「何で? 加奈子、歌はうまいでしょ?」

「ああいう、密閉されたせまいところ、嫌なの」

 亜里抄は立ち止まった。

「閉所恐怖所?」

「うん。出口が一つしかなくて、狭いところにいると気分が悪くなって……吐いたりするの」

 亜里抄は加奈子の顔を覗き込む。

「あれ、昔からそうだっけ?」

「ロッカーに閉じ込められてから、怖くなったの」

 亜里抄は、それ以上何も聞かなかった。

「分かった。じゃあさ、公園で話そうよ」

 それから、こう言った。

「大丈夫。私がちゃんと守ってあげるからさ」





「悪かったよ」

 トモヤたちは、学校でまた加奈子を呼び出した。だが、今日は恐喝ではなかった。

「本当に、すいませんでした」

 加奈子は、驚いて彼らを見た。

「これまでしたことは許して。これからはさ、仲良くしよう」

 ジュンは、そう言った。

 放課後、結局その三人と帰宅することになった。

 ジュンは、道を歩きながら、

「カバン持たせて」

 と加奈子に言った。

「え?」

 その申し出に加奈子は当然身構える。

「持たせてよ」

 ジュンは、半ば強引に加奈子のカバンをひったくった。手ぶらになった加奈子は、歩きながら、自分のカバンの行方を見ていた。

 橋の上の真ん中にさしかかって、ジュンは突然、欄干のそばへ走った。それからカバンを欄干から突き出して加奈子を見た。

 やっぱり、落とす気だ。加奈子は、カバンを取り返そうとジュンのそばへ走る。するとジュンは、

「なんて冗談よ。もうそういうことはしないんだって」

 と、カバンを加奈子に手渡した。その姿のまま戻ってきたカバンを手にして、加奈子は少し安心した。



 それから一週間後。一か月後に控えた修学旅行について、加奈子たちのクラスで当日の日程を打ち合わせていた。

 おもに自動車工場の見学や農業体験をする予定となっていた。生徒の一番の目的は、一か月前にオープンした遊園地だった。

「それでは、遊園地に入ってからのグループ分けをします。遊園地では、仲のいい人同士で行動してもよいので、四人一組でグループをつくってください」

 加奈子は、誰と組もうか考えていた。とはいっても、浮いた存在の加奈子はグループに入りそびれた大人しい子と組むしかない。

「加奈子は誰と組むの?」

 後ろから、ジュンが近づいてきて、尋ねた。

「まだ、決まってない」

 加奈子がそれだけ言うと、

「じゃあ、私たちと一緒になろう。トモヤとマサヒロと一緒だけどいいよね?」

 他に組む人もいない。加奈子軽くうなずく。

「私たち、一緒だよ。よかったね」




 修学旅行の当日。予定通り、一日目は午前中に自動車工場見学を済ませて、昼食をとったあとに遊園地に到着した。

 生徒たちは、さっそくグループごとに行動を始めた。

 加奈子も、ジュンやトモヤたちと一緒に園内を回ることにした。

 あれから一度も、嫌がらせを受けていない。物を隠されることも、脅されることもなくなった。

もう、いじめの事実は無くなった。

 親に、いじめられていることを隠さなくてよくなった。

 加奈子は安心していた。

 加奈子は、園内で行く場所を彼らに任せた。ジュンたちは意外にも、アトラクションは乗らず、売店やレストランに行きたがった。

 それからジュンたちは、観覧車乗り場に向かった。園内全体を見渡したいのだと言う。

 加奈子は観覧車を見て、青くなった。

 狭い。

 それに、乗ったらしばらくは出られない。加奈子にとっては間違いなく、恐怖の対象だ。

「私、ここで見てるから」

 加奈子は拒絶した。

「私は無理。乗れない」

 しかし彼らは、その申し出を受け入れなかった。

「いいから、乗れ」

 三人で強引に背中を押した。抗いきれずに、加奈子はゴンドラに押し込まれた。

「いいから、閉めちゃってください」

 ジュンが言った。観覧車には長蛇の列ができている。係員は渋々、扉を閉めた。

「じゃーねーたのしんできてねー」

 三人は乗らなかった。わざとらしい笑顔で、三人が手を振っていた。

 加奈子をいじめ抜いた、あの意地の悪い目だった。最初からこれが狙いだったのだ。

「いやだ。いやだ。いやだ!」

 こんな閉塞感のある乗り物は耐えられない。狭い。顔にゴムでも被せられたかのように息が苦しくなってくる。

 加奈子は扉を開けようとしたが、しっかりとロックされている。

 ゴンドラは乗り場を離れて、ゆっくりと上昇を始めた。

「いやだ! いやだ!」

 加奈子は両手で窓を叩いた。もう、頭の中は真っ白でパニックになっていた。

 下を見た。もう、降りられる高さではない。

 うずくまって、目をつぶった。それから耳を塞いで、なんとか落ち着こうとした。だが、呼吸はますます乱れ、鼓動も狂ったように速くなってじっとしていられなくなった。

 加奈子は再び扉を開けようとした。

 腕に力を入れた。

「あ…………」

 すると何の拍子か、本来開くはずのない扉がすっと動いて……そして開いた。

 瞬間、加奈子は宙に放り出された。前のめりになって、アスファルトへと落下していく。

 40キロもの物体が落ちたと言うのに、意外にも音はしなかった。

 多くの人間が、加奈子が落下する瞬間を見ていた。

 加奈子は血の海の中で冷たくなっていた。

 数時間後。かけつけた両親は、変わり果てた我が子の姿を見ることとなった。

 20メートルもの高さから地面に激突した衝撃で歯は全て折れ、首はねじれていた。全身の骨が粉砕されていて、腕を取り上げると、普通は曲がらない方向にだらりと曲がった。

 加奈子の両親は、毛布をかけられた遺体の前でただ泣き崩れた。

 死亡事故のせいで、この遊園地はしばらく休園となった。そして遊園地の評判は落ちた。来場者がめっきり減ったせいで、数か月後には閉園することとなった。




「いじめがあったというような事実は、認識しておりません」

 観覧車の係員の報告により、先の一件が明るみに出た。

 中学校の校長は会見でこう説明した。

「亡くなった女子生徒の担任からは、大人しい生徒ではありましたが、いつも明るく元気に登校し、部活にも力を入れていたと聞きました。いじめを受けるような子ではないと」

 いじめの事実など全く認識していないと発言をした。校長は用意された文章を、淡々と読み上げた。

「今回の事故は偶発的なもので、三人の生徒は、亡くなった女子生徒が閉所恐怖症であることを認識しておりませんでした。観覧車に乗せた三人は、亡くなった女子生徒と下校も一緒にするなど、亡くなった女子生徒とは、仲の良かった生徒でした」

 その言を受けて、一人の記者が質問した。

「その係員の報告では、三人の生徒は嫌がっている女子生徒を無理矢理乗せたような感じだったとありましたが、本当にいじめは無かったんですか?」

「それは、客観的に、傍から見れば、そうだったかもしれませんが、実際はふざけていただけだと、三人の生徒にはそう聞き取りをしています。ですので、悪意とか、いじめようという意図でしたことではないということです」

 校長は、こう結んだ。

「本当に、痛ましい事故でありました。このようなことが繰り返されないように、今後は修学旅行先の行き先を充分、検討していきたい。そう考えております」

 校長は徹底して保身の為にいじめを否定した。加奈子がいじめをひた隠しにしたことと、加奈子の担任が、いじめの事実を生徒たちに口止めしたことから、トモヤたちの行いが明るみに出ることはなかった。




 閉園となった遊園地は、ただ静かだった。その園内を二人の男が並んで歩いていた。

「だから、俺ァ嫌だ、つったんだよ。ここに遊園地つくんのさあ」

 色黒の老人が開口一番、隣の男にこう言った。受け口で、鋭く尖ったような眼光だった。グレーのよれた作業着を着ていたが、暑さのせいで羽織るだけにしていた。

 老人は、隣の男と園内を進みながら、煙草をふかしていた。そして歩きながら、廃墟となった園内の建物やアトラクションを観察していた。

 この男は、土地の所有者だった。

「俺がガキの頃は、ここァ山だった。サワガニ捕ったり、アケビ採ったりして、生きてきたんだ。遊園地なんて、どこの文化だかわかんねえもん、この土地にぶったてるのは嫌だってんだけど、勝手に工事始めちまってよう。金さえはらやァ、いいと思いやがって。氏神様が泣いてるよ」

 隣で聞いていた男は、何も言わない。日差しとアスファルトの照り返しを受け、さらに老人の苦言のせいで、渋い顔をして、黙って歩き続ける。三十後半の男である。この男は、地域開発に取り組む建設会社の社長であった。

 老人は、指に火がつきそうなほど短くなった煙草を、もう一口吸った。

「ここァ、墓場だなァ」

 その言葉の意味が分からず、若い方の男は老人を見る。

「いくら見栄えよく造ってもよウ、風情、がねえんだよ」

 老人は風情、という言葉を強調した。それから乱暴な仕草で立ち並ぶアトラクションを指差す。

「こんなもん、ガイコツみてえなもんじゃねえか。鉄のバケモンじゃねえかよ、おい。奈良時代の宮大工が建立した古刹を見ろよ。威風堂々としたもんじゃねえか。結局、魂がねえんだよな、こういうもんにゃ。あんたも後世に残るようなものを作らなきゃだめだ。鉄の筒、地面にぶっ刺して、ペンキべらべら塗ってるだけじゃダメだァ」

「木造のジェットコースターなんて、怖くて誰も乗りませんよ」

 男は、小声でささやかな反論をした。

「……これバラすのにいくらかかる?」

 老人は、男を無視して質問した。

「さあ……。専門の解体業者をいくつかあたったらいいんじゃないですか? これくらいの規模なら、きっと建物とアトラクション全部合わせて八千万くらいでおさまりますよ。ウチでやってもいいですけど、高いですよ」

 老人は舌打ちした。煙草を持つ反対の手でペットボトルを持ち、煙草を持つ手で蓋を開けた。

「足元見やがって。てめえでつくったもんはてめえで片付けろって」

 老人はペットボトルの茶を一気に飲んだ。

「これつくったの、ウチじゃないですよ。ウチは向こうのレストランです。そんなに片付けたいのなら、買い取ってもらったらいいじゃないですか。まだ新しいことですし」

 この遊園地のアトラクション建設は、二社が区域ごとに担当した。この若い男はレストランや売店を担当していた。

「阿呆。人死にのあった遊園地だぞ。名前出しただけで逃げてくよ」

 老人は、ペットボトルに煙草の吸殻を突き込んだ。

 二人の向かう先は、例の観覧車である。老人と男は観覧車の乗り場まで行くと、観覧車乗り場で線香をあげた。

 線香をあげたあと、老人はその場に腰を下ろした。

「……親御さんも気の毒だったな。大事な一人娘だったそうじゃねえか。中学生っつったら、15か」

「中一は13ですよ。俺の娘の二つ上です」

 老人は、新しい煙草に火をつけた。

「……人はいつか死ぬけどなァ、こんなに早く死ぬもんじゃあ、ねえんだ。……ん?」

 老人は何かに気づいて立ちあがった。

 観覧車の柱に近寄って、そこをじっと見た。

「おい。三か月じゃこんなに錆びねえだろ」

 鉄柱は、塗装が脱皮したように剥げていて、赤茶色にひどく錆びついている。観覧車全体も、まるで長年海水に浸かっていたかのようなひどい錆び方だった。男も、近寄って柱をじっと見た。

「ああ、こりゃあ、中まで侵食が始まってるなあ……。ほっとくと倒れるなあ」

 と独り言を言う。

「なあ、こいつだけ、錆びんのが早かねえか? なんかあんじゃねえのか?」

「最初の塗装がまずかったんですね。海が近いですから、剥き出しの鉄骨だとこれくらいは錆びます。そんなに珍しいことじゃありません」

 老人は男の言葉を聞いて、納得したのか、しないのかは判然としないが、

「……ボウズにここの供養してくれるようにたのんどいたから。『一律10万でどこへでも出張いたします』だってよう。今はボウズも出張サービスだよ」

 男は、老人の顔を見た。

「祟りとか、信じるほうですか?」

「信じるとか、信じねえとかじゃなくてなァ、こういうのはきっちりしといたほうがいいんだよ」

 老人は頭上を見た。ゴンドラも錆びついていた。赤錆びが、バラバラと粉になって降ってきそうなほど錆びていた。

「キキキ……ギリギリギリ」

 ゴンドラが風に揺られたのか、軋んだ音がした。

 



 夜中。トモヤたちは、コンビニの駐車場の隅で雑談を交わしていた。

「いや、今回のはちょっとやりすぎたな。担任が庇ってくれなかったら、俺たちの青春、終わってたよな」

 トモヤが言った。ジュンが答える。

「あんなブタ一匹に人生狂わされるわけないっつうの」

 ジュンはスマートホンをいじりながら、コーラを飲んだ。

「ま、死んで当然のカスだったから、別によかったんじゃないの?」

「さーて。死んじまったなー。死んじまったよーおい。あの写真売れねえじゃねえかよ」

 冗談めかして、トモヤが言った。二人は、つられて笑う。

「今度は誰にする?」

「そうだな……。あいつがいいんじゃない? あの、隣のクラスの、加奈子と仲良かった……亜里抄」

「ああ、やりやすそうだしな」

「また裸にして、写真ばらまくべ? じゃあまずは『財布』からやって、大人しく言うこと聞くワンワンに調教するべか」

 マサヒロは噴き出して、

「親友そろって仲良くいじめられるとか、マジウケるけど。どんだけ弱者だよ」

 それから夜も更けたので、三人は解散することとなった。

「じゃあな」

 そう言って、トモヤは自分の家に向かった。

 深夜の1時。この時間になると、人通りはない。たまに走ってくるのは空車のタクシーだけだ。

「きー」

 何か音がした。

「きいー」

 トモヤは振り向いた。だが、何もないことを確認すると、また歩き出した。

 家の玄関を開けた。もう、親は寝ているだろう。

 無言で玄関を開けて中に入る。しかし、そこは別の場所だった。

 あの遊園地の廃墟だったのだ。

「なんだ、こりゃあ」

 ふりかえると、ドアがなくなっている。

 事態を確かめるべく、おそるおそる、トモヤは遊園地の奥へ進んだ。

「なんだよこれ、夢か?」

 思わず、スマートホンを取り出した。電波が無い。

 前に来た時と、随分様子が違う。この遊園地には、園の中心にそびえる巨大な観覧車しかない。

 観覧車を見上げる。遠目からでもわかるほど、異常に錆び付いた観覧車だ。観覧車は軋みながら動いている。

「……加奈子、お前か?」

 トモヤは呟いた。

 観覧車の乗り場に、歩みを進めた。何か踏んだ感触があって、地面を見た。それは、観覧車から剥がれ落ちた塗装だった。地面を覆い尽くさんばかりに、剥がれた塗装が散らばっている。

トモヤは構わず歩き続けた。

「勝手にパニクって死んじまってよう。こっちが迷惑してんだぞ」

「ぎー」

 観覧車が、トモヤの声に答えるように軋んだ。

「ぎー」

 軋んだ後の余韻が、「ぼーーーーん」と大きく響いた。

「化けて出たか? おめーが幽霊になってもこわかねえんだぞ! なんとか言えや、加奈子!」

「ぼーーーん」

 次の瞬間、ありえないことが起こった。地面に立っていたはずのトモヤは、どういうわけか、観覧車のゴンドラの中にいた。

「うわ」

 トモヤは何が起こったのか分からず、だが必死に扉を開けようとした。扉はしっかりロックされている。

 そうこうしているうちに、観覧車のゴンドラは悠々とした動きで乗り場から離れ、上昇を開始した。

「止めろ! 止めるんだ! 加奈子! 止めろ!」

 トモヤは大声で叫んだ。

「かーん」

 金属が弾けるような音がした。

 トモヤの乗ったゴンドラは、観覧車のちょうど真横で静止した。急停止したせいで、ゴンドラが揺れている。

 トモヤは、額に冷や汗をかいていた。真っ青な顔をしていた。荒く息をしていた。

「……おい、どうなるんだよ?」

 独り言を言った。

「ぎぎぎぎぎ」

 物凄い音を立てて、トモヤの頭上から音がした。

 何の音か。

「ぎぎぎーーー」

 さきほどの音とは違う音。

「ずず……がん」

 何かが外れていくような、不吉な音がした。

「おい、やめろやめろ、やめ、」

 言う間もなく、ゴンドラは落下した。

 凄まじい音と、地面が割れるほどの衝撃が走った。

 トモヤはゴンドラの中で死んでいた。顔面はどこにぶつけたのか、衝撃でえぐれ、手足はあらぬ方向を向いていた。目は恐怖で見開かれていた。顎が外れ、涎と血が流れ続けていた。

 

 


「はっ……」

 気がつくとトモヤは、あの遊園地に立っていた。

 生きている?

 あれは、夢か?

「なんだよ、これ?」

 おかしい。

 繰り返している。

 曇天の遊園地。その中心にそびえるのは、あの巨大な観覧車。

 さっきと同じ光景じゃないか。

 怖くなって、観覧車から逃げるように、に走った。門には、鍵がかかっている。

 ぐい、と体全体を、何かに引かれた。

「やめろ! やめてくれ」

 その力に耐えきれず、門から手を離した。

 その途端、トモヤは再び観覧車に乗っていた。

 事態が、ようやく呑みこめた。

「おい……そんな……待ってくれよ……」

 『復讐』なのだ。

 延々と、どこまでも無限に続く……。

「許してくれ! 加奈子! 許してくれ!」

 悲痛な叫びを上げた。膝をついて、祈るような仕草で頼んだ。

 観覧車は、のんびりとした動作で、さきほどの位置まで上昇し、

「ぎぎぎぎ……がんっ」

 そして、再び落下した。




 林トモヤと上野マサヒロの遺体は、警察の検視から事件性が疑われ司法解剖が行われることになった。林トモヤは自宅で、全身の骨を折って死んだ。階段から転げ落ちたとしても、こうはならない。上野マサヒロはさらに奇怪な死に方で発見された。全身を圧迫されて死んだそうだ。発見場所は市内の公園。死体を解剖しても死因は判然としなかった。

 8月某日。土地所有者である喜田健三の計らいで、遊園地の廃墟で僧侶によるお祓いが行われた。

 一人の僧侶が経を唱え、続いてもう一人が追って経を唱える。それから、もう一人がそれに続く。

 廃墟の遊園地で経を唱える。それ自体が異様な光景であった。

 僧侶たちは、いつまでも経を唱えていた。経文は、遊園地の外にも響いていた。




 殺される。加奈子に殺される。これは、加奈子の呪いなんだ。

 中川ジュンは、部屋に閉じこもっていた。学校も休みがちになり、昼間でもカーテンを閉め切って、外に出ないことも多かった。顔色も健康な人間のそれではない。目の下に異様なクマをつくり、目は虚ろで、髪も梳かしていなかった。

 あの二人が、廃園になった遊園地にわざわざ行くわけがない。

 ジュンは、部屋でトモヤたちのことを考えていた。

 加奈子は死んでもまだ、どこかにいるんだ。悪霊となって、私たちに復讐しようとしているんだ。

 ジュンはスマートホンを操作して、できるだけ楽しいと思えるようなサイトを閲覧した。しかし、恐怖をまぎらわすことはできない。

「きー」

 何か、金属のこすれる音がした。

「ききき」

 その音の正体をたしかめるために、ジュンは窓の外を見た。

 何もない。

 まだ昼間なのだ。何も起こるわけがない。

 だが、気味が悪いので布団にもぐった。

 顔を出して辺りを探っていたが、もう夜中に眠れなくなっていたジュンは、いつのまにか眠りに落ちた。




「ごご、ごご……」

 低い唸りで、ジュンは目を覚ました。

 赤茶色に錆び付いた、箱の中にいる。ジュンは辺りを探った。ここは観覧車の中だ。

 錆び付いた観覧車の外観は、まるで腐った樹木のようだ。

 観覧車が、ゆっくりとした調子で頂上まで上昇して止まった。

「どっ。どっ」

 何か、他のゴンドラを叩くような音がする。

 音がするたびに、ゴンドラに衝撃が走る。ジュンは窓から外をのぞいた。途端に窓からとびのいた。向こうのゴンドラに、何かがしがみついている。ゴンドラからゴンドラへ、何かが飛び移っている。そいつは、このゴンドラへ向かってきている。

「べた」

 手足がゴンドラにはりつく音だ。

「どん。どん。どん」

 奴の手と足がゴンドラの外側を叩いている。

 そいつが、トカゲのように這うようにして、窓の上まで上ってきた。 

 ジュンは、声がでなかった。

 喉が締め付けられて、声が出ない。

 そいつがガラスに手をはりつけて、ゴンドラの中にいるジュンをのぞいている。

 黄色い目で、口には歯が一本も無い。首は、ねじれている。

「いっいっいっいっ」

 潰れた喉から出るような、不気味な笑い声で笑い続けた。

 そいつは、ガラスをすり抜けて、中へ侵入してきた。

 ジュンは、その生き物から遠ざかりたいがために、思い切り壁に背中を押しつけて体を縮めた。

「いーーーー」

 そいつの声は、やがて苦しそうな呻きになった。

 




 一週間後。

 亜里抄は、あの遊園地に来ていた。夕暮れ時だった。

 廃墟となった遊園地。どのアトラクションも、電気を入れればそのまま動かせそうな、綺麗な原型を保っていた。

「加奈子……」

 亜里抄は呟いた。

 意を決したように、歩みを進めた。

 加奈子を執拗にいじめていた、トモヤとマサヒロは死んだ。亜里抄は、ジュンが入院する病院を訪れたが、一体何を見たのか分からないが、もう正気に戻ることはないだろう。

 やっぱり、加奈子がやったのだろうか。

 園内は不気味なほど静かだ。

 亜里抄は、観覧車を見上げた。親友が死んだ場所。自分がもっと加奈子を守っていれば、こんなことにはならなかったのに。

 亜里抄は深い後悔をしていた。

 観覧車だけは、ひどく錆び付いている。亜里抄は、そのことが加奈子の死と関連があることを疑わなかった。加奈子は泣いているのだ。

「ぎー」

 突如、観覧車が稼働し始めた。

 亜里抄は辺りを見渡すが、誰もいない。

「加奈子、いるの?」

 呼びかけて、観覧車の方へ向かった。

 乗り場に着いた。

 たしかに、観覧車は動いている。

 ゴンドラの扉は開放されている。

「乗れってことなの?」

 亜里抄はそう言って、迷わずゴンドラに乗った。

 軋んだ音を立てている。今にも落ちそうだ。

 観覧車は、何事もなく、ゆっくりと上昇していく。亜里抄は、何が起こるかと身を硬くして、辺りを見回していた。

「きーい」

 ゴンドラは、静かに頂上で止まった。

 ゴンドラ内の照明が消えた。辺りは暗くなった。

 体は硬直したまま、目だけで辺りを探った。

 すると、ぼんやりとだが、向かいの席に、人間のような形が浮かんできた。

「加奈子……」

 生前の姿そのままの彼女だった。

 間違いない、加奈子だ。暗い表情で、下を向いているが、口元は親友のものだ。

 亜里抄は夢中で話しかけた。

「加奈子……もう止めて。もういいでしょ? 殺すなら私を殺して。ずっと、あなたと一緒にいてあげるから」

 加奈子は、何も答えなかった。ただ、静かに座しているだけだった。その表情は見えない。

「ごめん、なんにも……できなかった」

 亜里抄は、加奈子を抱きしめようとした。

 すでに加奈子の姿はなかった。




 数か月後。

 加奈子の通っていた中学校の校長は、加奈子のいじめの事実を認めた。

 落書きされたノートや、加奈子を脅して撮られた写真、それに加奈子が残した遺書が見つかったことが決定的な証拠となった。 

「死にたい。誰か助けて。この世がなくなればいい。明日が来なければいい。死ねば楽になれるのかな?」

 そこには、いままで受けたいじめの内容が記されていた。どれもこれも、中学生がやったとは思えないような陰湿な内容だった。

 会見でいじめの事実を認めた校長は、事実を隠蔽したとして罰せられることとなった。体罰を繰り返した担任も、懲戒免職を言い渡された。




 月日が経ち、遊園地の事故は忘れられていった。だが、ある日突然、それは都市伝説的な噂として蘇った。

「……知ってる? あの閉園した遊園地。今でも観覧車だけは動いてることがあるんだって。それって、観覧車のカラ子さんの仕業なんだって」

「なにそれ? トイレのが花子さんで、観覧車はカラ子さん?」

「でね、その観覧車に乗った人は、カラ子さんに異次元に連れて行かれて、殺されちゃうんだって。目は真っ黄色で、歯が一本も無くて、首はぐるぐるになってるんだって」




「ぎー」

 錆びついた、塗装の剥げた観覧車が、悲鳴を上げるように大きく軋んだ。



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