第五話
ユーリが教えてくれた【透視】に必要なポイントは2ポイントだったので、取得してみた。
............部屋の外が見えるような事はないがレベルの問題だろうか? でも、自分の腕を見ても変化がない......うーん、とりあえず街の外に出てモンスターにも試してみるか。
街の外にいるモンスターは、ウサギ、馬。なんか馬は強いイメージがあるけど、練習用モンスターだから強くはないらしい。
なんて解説して気分紛らわしてるけどさ、周りの奴らパーティー組みすぎなんだよ!? 楽しそうに笑いやがって............目の前にウサギに八つ当たりしてぇ。
いやそれより、このウサギなんかおかしくないか?
「............まじかよ」
多分、【透視】の効果だと思うが、目の前のウサギがレントゲン写真のように骨だけの姿になった。全体像はあるから、骨だけってわけじゃないけど骨だ。
「ていうか、斬れる場所が腹しかないぞ!?」
確かに骨だけになったのも衝撃的だがそれよりだ、このウサギの骨のない場所は腹。しかし、腹を下にして草を食べてるウサギは斬り難いすぎる。
俺がしゃがんで腹を突くべきか、ウサギが起き上がるのを待つべきか。はぁ、いったい俺は何のゲームをしてるんだ?
「あ。起き上がった」
なら普通に斬らせてもらおう。馬鹿にされると思い締まっていた、刀を装備し横に薙ぐ。正直、居合い斬りとかで倒したかったけど、刀の損傷なく倒せた。これはかなりの収穫だ。
「案外レベル10とか楽勝かもな」
このゲームでは、レベル10で別の職業に転職又は今の職業を進化出来る。だから、スキルポイント目当てで転職するプレイヤーもいるらしいが、転職すると職業スキルは消えてしまう。しかも、一度取得した職業スキルは二度と取得出来ない。
俺からすれば職業スキルが消えるとかどうでもいいけど、侍から転職するのなんか負けた気がするんだよなぁ。
まぁ考えるのもこの辺にして、やっとまとも?な戦闘が出来るんだ。楽しむとしますか!
レベルが上がった時に気がついたけど、練習用モンスターをいくら倒してもお金にならない。
買った刀も折れてしまったし、完全に調子にのっていた。