Day1.(1)
「やばい!もうこんな時間!」
私は慌てて仕事の片付けをする。
慌てて作業してたら、机の上においていた大量の資料が崩れ落ちる。
「あぁ、あぁ。やっておくから、早く行ってあげな 。」
そういって拾ってくれたのは、上司のミキさんだ。
ミキさんは、いつでもしっかりしていて、私を助けてくれる人だ。
「本当にすみません!!ありがとうございます!」
「いいよ。いいよ。その代わりまたどこかで奢ってよ?」
「はい!」
私は駆け足で会社を出ていく。
もう秋が近づいているのだろうか。少し寒くなってきた。長袖を着ている人を見るのも少なくはない。今度彼にセーターをプレゼントで買ってあげようかな。
そうこうしているうちにいつもの風景が見えてきた。ここへ来るのは何度目になるだろう。そろそろ家にでもなってしまいそうだ。
私は慣れた手つきで病室のドアをあける。
「ごめん!!遅くなった!!」
「大丈夫だよ。どうせ、慌てて突っ走って来たんだろ。」
彼は私のことなら何でもお見通しだ。そういいながらもいつも笑って出迎えてくれる。
私は彼の笑顔が大好きだ。
「何で私の行動いっつも当てられるわけ?どこかで、のぞき見してるんじゃないの?」
彼はおかしそうに笑って答える。
「そんな訳ないだろ。第一ここから出られないんだから。俺はお前のことすぐに分かるんだから。」
「何それ(笑)」
照れ臭くて、つい、私は笑ってしまう。楽しくておしゃべりしているとつい時間を忘れてしまう。そうこうしている内に病室に金色の夕日が差してきた。白い病室を明るく照らす。
「きれいだね。」
と彼が言う。
「うん。」
と私も答えた。
「あのさ、ずっと病室にいる時、この時間帯が一番病室がきれいに見えるんだ。金色が部屋いっぱいに広がって輝いてみえるんだよ。」
「そうだね。私もこの時間帯が一番好きかも。何より一緒にいれるし。」
そういいながら、私は彼にもたれかかる。
「ありがとな。」
彼は私にキスしてきた。それに私も答える。
コンコン。
ドアのノック音がして私たちは慌てて離れる。
「検温です。」
「はい、分かりました。」
「あ、じゃあ私帰るね。」
「うん。ありがとな。また明日。気をつけてな。」
「うん。じゃあね。」
私は手を振りながらドアを閉める。
その後、一つ息を吐いた。