DARING CHALLENGERS Ⅳ
ヤマヌシの驚異的な能力によってアルフレッドは徐々になす術を封じられてゆく。
しかし、まだ彼は諦めていないようである。完全に術を失ったわけではない。むやみに突撃せずに攻めるしかない。
アルフレッドはルドゼラを使い全力で突いた。すると槍の形状をした疾風の塊が吹き飛んだ。
しかしながら、それはあまりにも弱く、ヤマヌシの刀によって防がれてしまう。再び現れた姿から目を逸らした時、ヤマヌシはその隙を突いて斬りかかった。
「諦めるが良い。拙者の戦法には敵わぬとな…」
「まいったなぁ…」
頭をボリボリと掻いてしばらく立っていたが、とうとう行動に移ろうとしていた。ルドゼラに手を添えて何かブツブツと呟いている。
「この子は僕のことが嫌いでね…いっつも起こすと子どものように怒るんだ。」
ヤマヌシにはアルフレッドの発言を理解出来なかった。しかし、それはすぐにわかることになるのである。
突然ルドゼラから凄まじい魔力が漂う。それと同時に形状が今までよりも鋭利になり厳つくなっていた。
「馬鹿な…冥刀によって魔力をあれ程減少させたはずだ!!」
「あー、これは僕の魔力じゃないんだ。このルドゼラ君自体が持つ魔力…
この槍はただの武器じゃない。意思を持った悪魔の武器だ。」
再び疾風の塊を繰り出した。それは先程の何倍もの力が込められていた。予想外の展開にヤマヌシはまともにダメージを受ける。
風が止んだ時、ヤマヌシはふらつくながら立ち尽くしていた。勝敗は決まったようである。
「無念…お主の勝利だ。」
目が覚めると、そこは外の世界だった。起き上がろうとした時、アルフレッドは体の痛みを覚える。ルドゼラの能力を使用した反動と戦いの傷が重なったせいである。
「へっ、よくやったじゃねぇか。」
スタークが歯を見せて笑いを見せる。勝利を祝福するかのように。
「なんか気味悪いなぁ。」
ジョーク混じりの会話をしていた時に続いて新たな魔人が前に出る。それは盲目のアギラ
だった。こちら側はアレンが挑むことになった。