DARING CHALLENGERS
平和軍基地を去ったあと、アレン一行はドルコンらの案内によって魔人旅団のアジトへと向かうことにした。
リサの能力によって全員が別の空間へと転送された。そこは今までいた場所とは一風変わった森丘だった。
しかし、アレンらは感じていた。どこからかひしひしと伝わる魔力に…
辿り着いた場所はこの世界の魔境のようだった。近くには滝が流れていた。清潔な水が絶えることなく流れてゆく。
丘を登り始めて小一時間程経過した時、閑散とした洞穴を発見した。
「な、なんだかおっかない場所っすね…!!」
マリオは震えながらも奥へと突き進んでいく皆を追いかけた。ドルコンを先頭に深部を目指すと、辺りに設置してある松明が逐次点いていく。
間違いない。この先にいる。魔人旅団が…!!
長い一本道を抜けた後、そこには不思議な光景が繰り広げられていた。
軽快なミュージック、白黒のタイル、棚に敷き詰められている酒、そこはまるで現世のバーのようである。
「なんだここは…」
「ヘイ!ただいま帰ってきたの…さ!」
ドルコンらを迎えたのは5人の魔人である。
「ヘイ、ラスト。彼らが噂のやつら…さ。」
「……ほう、どうも俺のこの眼にはそうは見えないがな。」
「まぁまぁ、そう言うな。とりあえず、ユーたちの紹介をしようではないか。」
魔人旅団は八人構成の小規模な組織である。第八、七、四魔人はそれぞれリサ・アミューサ、バンテラ・クリングス、ドルコン・モンテリオ。
そして、第六魔人ヤマヌシ。日本刀に似た剣を腰に据えた侍のような魔人である。
第五魔人はアギラ・マホラ。アジアンじみた衣服を身に纏った男である。その瞳は焦点が合っていない。どうやら盲目のようである。
第三魔人ティア・ワルディーン。リサと同じく女性であるが、その実力は相当高い。
第二魔人スルガ・マルコヴィッチ。短銃と短剣を兼ね備えた戦法で強敵を打倒し、マニアと言われる程の戦闘好きである。
そして、中央に立つ黒髪で色白の男性こそが魔人旅団のトップ。ラストである。
その場所にいた誰もがとてつもなく強大な威圧感を放っていた。さすが第三勢力と恐れられていた存在である。