THE DIVINE JUVENILE
天は怒り
神は沈め
民は従い
少年は生まれた
魔人旅団のメンバーが二人、そしてアルフレッドの力が合わさったとしても敵わないなんて…!!
いったい何が…!?
前方を見ると、彼を白い布でまとった謎の少年がいて、その背後にミランダやシルヴァ以外の兵士も待機していた。
そして、彼を見た瞬間に悟った。彼と戦ってはならない…と。
「はぁ…はぁ…!!」
「もういいでしょう。結末は見えている。」
少年は片手をアルフレッドにかざした。部屋にいた誰もがその魔力を感じた。
今まで感じていた魔力は彼のものだったのだ…!
もはや強大という一言では済まない。ありとあらゆる生命体を超越した存在感を醸し出している。
少年の手から凄まじい雷が放たれる。グロリアの雷とは破壊力が格段に異なる。
それに直撃したアルフレッドはもはや立てず、死にかけていた。
「アルフレッド!!」
「アレン君かい…?申し訳ないなぁ…」
これ以上喋ることで負担がかかり苦しむ姿を見ることは出来ない。
悲しみを堪え、少年と対峙する。どこか冷たく、綺麗な瞳がいっそう不気味である。
「ようこそ、そしてはじめまして…僕が平和軍総帥ハルだ。」
こいつが…平和軍のボス…!!
ひしひしと伝わってくる力、本能が戦いを拒み続ける。
しかし、僕らには使命がある。
ビアンカ…!!
「僕と戦うのか?」
「…守るべき人がいるんだ!!」
「ならば、君の術をひとつひとつと消してあげよう。」
全てをかけた戦いが始まろうとしていた…!!