GET RID OF DESPAIR Ⅳ
あれから僕はリーガルから逃れたが、気を失ってしまったんだ。
体が冷たい…そろそろ死ぬのだろうか。それも仕方ないことだ。あれだけ傷を負ったのだから。
目を開け、辺りを見渡した。ここは地獄か天国か…まぁまだ殺していないから地獄には行ってないと信じたい。
しかし、そこは暗い密室だった。またここは牢獄なのだろうか。
それなら、何故僕の傷は癒えているのだろう。何もかもが唐突すぎて理解出来ない。
すると奥に誰かがいた。敵か…!?
「ああ…!!まだ動くなってばさ!」
そこには揉み上げの濃い小柄な男がいた。何者なのだろう……
彼は上位兵の物とは異なるものの、たしかに平和軍の制服を着ていた。
「おいらは平和軍救命リカバリー・チームの第九席、マリオ・ボンテル…よろしくな。」
「どうしてそんなやつが僕を助けたんだ?」
「あのな、それは……」
マリオが話し出した途端に外が騒がしくなる。兵士が巡回しているのだろう。
「あんたはここで待ってろよな!」
マリオは部屋を出て、兵士達を呼びかけた。無論兵士は脱獄したアレンの居場所を尋ねる。
彼はこれは罠だったのだと考えた。マリオは密室に連れ込んだ自分を通報するにちがいない、そう思っていた。
「脱獄した人ですか…?あぁ、そういえば先程下のフロアが騒がしかったですよ。」
「ご苦労。皆、下へ向かうぞ!」
兵士達はそのまま下の階へと駆けていった。どうやら助かったらしい…
本当にこいつは僕を助けたのか…!?
「……君は?」
「おいらは…あんたにビアンカさんを助けてほしいんだよ。」
スターク一行は、あれから二手に分かれる行動を決断した。
スタークとドルコン…アルフレッドとリサ、バンテラである。
スタークらは内部に侵入したあと、奥へと進むドアのところへとたどり着いた。
入口には内部の構造が記されていて、奥に無数の部屋がありその中心には総監室があるらしい。
そこを目指すのが最優先だろう。おそらくその周辺、あるいは奥にビアンカ達はいるかもしれないからだ。
「おい、ドルコン!こいつらずっと出てきやがるぞ!なんとかならねぇのか!?」
「ふーむ…私もマイソードで戦っているのだがねぇ…」
兵士の軍団をなんとか一掃した後、さらに深部に繋がっているドアの前に新たな刺客が現れた。
それは、先程アレンと戦って傷を負ったリーガルだった。
「あはは…ここから先は立入禁止さ!!」
「ちっ…面倒なやつが出てきたか。」
スタークが剣を構えたが、それをドルコンが押さえた。相変わらず立派な髭を触りながらである。
「ユーは下がっていたまえ。ここは私の力を見てもらおうか。」