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THE TEAR OF WORLD  作者: FRONTIER
MIDNIGHT PARTY
6/110

A PERFECT MADNESS

夜の風が痛いくらい顔や手を突き抜けていく。もはや声すら出ないくらいのスピードが出ていたのだろうか。イカれたように笑うスタークの横顔を見るのが精一杯だった。



やばいよ…やばいって!これ絶対死ぬよ!諦めて目をとじた。次に開けた時には魔の絶体絶命空中ダイブは終わっていた。





そこには天井があった。見知らぬ部屋、ここには誰もいない。いや、窓側にスタークがいた。


こいつといると嫌なことがいっぱい起きる気がする。残念ながら、僕の直感は見事的中した。









「やばいな、またあいつら来てやがる。」




「ね、ねぇ!あいつは一体なんなのさ!?まるで悪魔じゃないか!!」




「へぇ、案外鋭いね。そうさ、あいつらは皆悪魔…いや、元々はお前と同じ人間だった。


しかし菌にやられた感染者、それがあいつらなのさ。」





菌…さっきも同じようなことを聞いた。するとあいつらは皆菌を持っていて、それが暴走か何かして悪魔となったのか。




「いや、ちょっと違う。暴走じゃない、完全に一体化したのさ。

究極完全悪魔型ウィルス「マリア」の一部とな。そして、それはもう世界中に撒布されている。」









スタークの話で次のことが明らかになった。




数年前に欧州で起きた複数名の失踪事件。あれは、菌の感染つまりマリアによる完全コントロールである。




マリアは凄まじい勢いで世界中に広まっていき、ついには壊滅状態にまで陥った地区も次々と現れてきた。


その菌は三段階のフェーズに分かれて感染者の体内の細胞を破壊し、そして新たな生物として転生させる。


この過程を経て誕生したのが所謂悪魔である。





この菌が短期間で広まった要因は、ある組織による陰謀があった。その組織の一員が先程の髭男であり、スタークと同じく異界の住人だという。




彼らの目的は、異界との結合を実現し新たな世界を創造することである。それを阻止するためには、菌を排除することらしい。



そして、菌を排除する条件は……









「お前が必要なんだよ、人間。」




「え…えぇえええ!!う、嘘だろ!!??」









菌を排除することが可能なのは、人間だけだということだ。





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