GET RID OF DESPAIR Ⅲ
たった今僕は豪語したのだろうか。いや、事実を宣言しただけのことだ。
それからリーガルの攻撃はいっこうに命中することなく、彼は聖煌剣の一撃によってダメージを負う。そう、彼の戦い方はリースが訓練で仕掛けてきたパターンと酷似していたのだ。
そうとなれば対処法は単純。相手が火玉を全て使い果たした瞬間を狙う。しかし相手は戦い慣れしているため、このような策は一度きりしか使えない。
「くっ……!!」
「どうやら、火玉を使いすぎて魔力をひどく消耗したようだね…」
「甘んじるな!!君は僕の最大級の力で葬ってやろう!!」
リーガルは全身全霊の力の解放を試みる。すると、彼はグロリアと同じように白い翼を生やし、神々しい輝きを放った。
「これは僕ら平和軍の上位兵のみに与えられた能力…浄魂……!!
一時的に、僕らは一体化するんだ…
神の如く煌めく、ハル様と…!!」
リーガルと目が合った瞬間に悟った。今までの彼ではない…!!魔力が桁違いに跳ね上がっていたのである。
先程の火玉はさらに威力を増し、強力な武器と化した。反撃を仕掛けるタイミングすら与えられず一方的に攻撃を受ける。
尽力し、やっと剣を持てるのが精一杯である。そんな状態で何が出来るのか??
「………僕は…死ぬわけにはいかない!」
聖煌剣…解放!!
シャイリアス・レイ!!
聖煌剣を天井に向け、魔力の光線を放つ。それによって天井は崩れ、戦場は瓦礫に埋もれてしまった。
リーガルは反射的に退いたため、アレンの行方を見失ってしまった。一方彼はどうにかその場を離れたが、人目に付かない陰のところで倒れてしまった。
「くっ…ハル様……いらっしゃいますか?僕の声が届いてますか?」
リーガルは通信するように瞑想し、ハルという人物に語りかける。
………リーガル…。早急に確保する必要はない。それより、侵入者達がきたようだ。遊んであげてね……。
この声の人物こそが、ハルである。彼はどういう者か不明だが平和軍の中でも上位にいるようだ。
リーガルはすぐさま場所を離れた。
アレンは息すらままならぬ状態だったが、何者かが彼の元に訪れた。