GET RID OF DESPAIR
ふと目が覚めると、黒い鉄格子が自由を束縛していた。
どうやら自分は気を失った後に連行されたらしい…ということはここは……
監視が着ていた衣服の肩を見てみると、やはり平和軍のエンブレムの刺繍が施されていた。
ビアンカ…?ビアンカはどこに行ったんだ!?まさかもう処刑されたのだろうか…
おもむろに鉄格子を掴んで監視に呼びかける。監視は警備用の槍を手にして構える。
「おとなしくしているんだ!!
死刑囚ビアンカ・アンデリカの執行は二日後の早朝に行われる。これは最終決定故、助けだそうなどと企まないように。」
また…大切な人を失うのか…
あの日の夜のように…また…!!
精一杯、叫んだ。とにかく、叫んだ。
怒り、悲しみ、無力さ、そして大きな絶望が一斉に襲い掛かる。
それでも…涙を流すわけにはいかない。彼女に会わせる顔がないじゃないか…。
まだ諦めてはいけない。
「僕は……」
「何だ?」
「僕は…お前達が掲げる正義とは違うかもしれない。
それでも、僕はビアンカを救う、そして旅の戦いを続けるんだ。
それが…僕の正義だッ!!」
アレンの言葉と共に、手元が白く輝いた。視界が戻ると、手には聖煌剣があった。
それを一振りすると、鉄格子が切断される。監視はこの光景に思わず怖じけづく。
槍で攻撃を仕掛けたが、アレンの力を前にして呆気なく敗れた。
「待っててね…ビアンカ!!」
「ヒアァアア!!!ウィイイイー!!アァアアアー!!!」
「うるせぇ!!」
スタークは騒がしいドルコンを蹴飛ばす。警備に発見されたらどうするつもりだ……?
「まぁ…警備は甘くはねぇか…」
ぞろぞろと警備兵が現れる。下手な悪魔よりも実力はあるだろう。
それでも、彼らは盗賊を始末するわけではない。魔人達を相手にするのである…
「さぁて…暴れるか!」