BLOODY WOODLAND Ⅱ
「おらぁ!!てめぇ!!さっさと金を出しな!今なら許してやるよ!」
「おーこわっ。僕そないな物騒な事は嫌や。」
「なら力付くで奪うまでよっ!!」
一人の盗賊がナイフを取り出して無防備なカモに襲い掛かる。だが、盗賊は瞬く間にズパァンという軽快な音と共に倒れた。どうやら何らかの武器によって殴られたらしい。
だが、その男が手にしていたのは単なる木の棒だった。
「な、なんだぁ!!あいつは!?」
「はて、来ないんか?そんなら僕の番や……」
一瞬、男の表情が一変した。それだけではない。さっきまでは微々たる魔力だったが、飛躍的に上がったのである。
そして、彼は呟くように唱えた。
起きろ…食事や………
突然、手にしていた木の棒が妖しい輝きを放つ。それを地面に当てると、そこから複数の根っこのようなものが現れた。
再び地中に潜って、そして盗賊達のところで出てきて腹部を貫通させた。
ズルッと引き抜かれると同時に夥しい量の血液が流れた。
「う…うあぁああ!!」
悍ましい光景を目の当たりにした一人が逃走をはかった。しかしながら、男はにんまりと笑い、盗賊の四肢を木々が捕らえた。
だんだん力が入っていき、そのままゆっくりと四方に広がっていく。
盗賊の断末魔は虚しく響き、ぶちっという音が聞こえるほど綺麗に体が裂ける。まるで大昔に現世で行われた処刑のような行為をしてなお男は笑っていた。
「………なんや…もう終いか。」
男がこちらへと迫る。アルフレッドはスタークの肩を掴み、直ぐさま撤退を促した。こんな街中で戦うわけにはいかない。
しかし、アルフレッドは突如吹き出した黒い風に包まれた。目を開けると、そこは先程歩いてきた草原だった。
「アルフレッド・トルネード。貴様の相手はこの俺だ。」
「テセラか…まずいことになったもんだ。」
「…誰だ、てめぇは。」
「あー会うのは初めてやったなぁ。ほな自己紹介と行こか。
僕は…セル・ネルジュ。エデンNO.7や。」