BLOODY WOODLAND
一方、スタークらも離れ離れになった後無事に異界に辿りついた。
そこは青々とした草原が広がっていた。この辺りから西へとずっと進むと大きな街がある。とりあえずその街を目指すことにした…
「スターク。」
アルフレッドがいつものようにけだるそうな口調でスタークにふと話しかけた。
「なんだい?」
「僕はこの辺の地理には疎いんだが…」
「はぁ!?てめぇの方がこっちの世界に長くいただろ?俺が現世へと姿をくらましてからどんだけ経ったと思ってんだ。」
「…それもそうだ。仕方ないな、あれを使うしかない。」
するとアルフレッドはおもむろに自身の槍であるルドゼラ(技名と同じ)を取り出し、天に矛先を向けた。
しばらくして、彼は街の方向を感じとったようだ。人の気配、魔力、そして風から場所を感知出来るのだ。
…どんだけスゲー能力なんだよ。スタークは心中でそう思っていた。
到着した街は、「ベッフェル」。剣や銃を売る商人や魔力を持ち合わせた旅人達が多く集う場所である。
街の至る所に微々たる程度だが魔力の気配を感じる。だが、何故かおかしい。それはスターク達にはすぐに気づくことだ。
「…まぁ、いいか。」
スタークはとくに気にもせず街中を散策した。大広間へと続く道を抜けた途端、男の怒鳴り声が響いた。その方向を見ると、盗賊らしき男が複数いた。こんな昼間からたかりか…どうやら治安は悪いらしい。
そいつらのカモは、どちらかと言えば薄い緑色の髪をした男だった。