SHUDDER WITH FEAR
早朝、晴れ渡る空、旅立ちには最適な天気である。相変わらず眠気は残っているけれど、今日ばかりはいつもよりマシだった。
起き上がると、もうそこには誰もいなかった。皆広場に行ってしまったのだろうか。
気掛かりのまま街路を歩く。ふと思えば、もうしばらくはこの道を歩くことはないのだろう。最悪、二度と帰れないかもしれない。それでも、道を歩き続けた。
案の定、広場に集まっていた。覚悟を決めて、そしてスタークが異界への扉を開いた。
恐る恐る中へと入ると、そこは淀んだ青色の管の中にいるようだった。いまにも崩れ落ちそうなほど脆い一本道の上を駆けていく。
もうある程度進んでると感じたが、まだまだ出口までの道のりは長い。不変の景色に飽きてきた頃に、退屈凌ぎにはなりそうな訪問者達が現れた。
「悪魔か…へっ……俺が一網打じ………」
「落ち着け!こんなところで戦ったら道が崩壊してしまう!」
剣に手を回したスタークをアルフレッドがとり押さえる。たしかにここでの戦闘は危険だ。しかし、戦わないとなると強攻策しか残されていない。
「逃げろー!!」
久々の戦いに飢えたスタークを無理矢理アルフレッドが抱き抱えて一目散に前方へと向かう。
しかしながら、悪魔達は現世にいる間は力が弱まるが、今いる場所では全力を出し切れる。そのため試みた逃走も敢え無く失敗した。
一体の悪魔が手にした鎌の一撃によって道が崩れ落ちていく!!さらにスピードを上げるが、崩壊する速度には敵わない。
出口が見えてきた。幸いアレンとビアンカは前方にいた。ここを出ればエデンへと辿り着けたのだが、その前に悪魔が立ち塞がり、続く道を破壊された。
そして、彼らは前方にいたアレン、ビアンカと遅れをとっていたスターク、アルフレッドがそれぞれ二つの方向に落下していってしまった。
こうして彼らははぐれてしまい、エデンから遠く離れた場所に飛ばされてしまった………
「いてて……あれ、ビアンカ?」
「アレン?そっちは無事??」
「あぁ、なんとかね…。…っ!!」
二人とも異変に気づいた。複数の魔力がこちらに近づいていることに…
そしてそれらはすぐに彼らと出くわした。魔力の持ち主達は皆白いローブを身にまとった集団だった。ローブの右肩には、「平和軍」という刺繍が施されていた。
「あんた達……!!」
中央にいた眼鏡をかけたリーダーらしき男が前に出て目を凝らす。それから一笑して言い放った。
「ほう、懐かしい顔だ。だが、今となっては貴様はエデンの者…故に我々は
ビアンカ・アンデリカ、貴様を正義の為、世界の為に捕獲する。」