COMING TO A HEAD Ⅱ
こうして異次元の中での最後の朝を迎えた。外の世界は雨や雪が降ったりするが、こっちはいつまでも同じ気温であり、天気など存在しない。まだこんな調子に慣れずにいた。
部屋の中心に集まり、スタークの指の合図と同時に周囲が変化した。ただ、今回は背景は変わらずに部屋の広さなどが変わり、大きな柱が林立している空間となった。殺風景であることは相変わらずだ。
「今日は実戦だ。お前はこれから戦闘を行う。そして、そのあいては…」
昨日戦った悪魔のようなやつが相手だろうか。緊迫感が高まりつつあったが、実際は意外なものだった。
身構えるアレンの目の前に立ったのは、長い黒髪をゴムでまとめ、白く輝いた刀身の剣を手にしたリースだった。まさか彼女と戦うことになるとは夢にも思わなかっただろう。
「アレン様、本日は修行の為…私も本気で挑みます。
ですから、貴方も本気でかかってきて下さい。」
その時の彼女の目は覚悟を決めたものだった。死ぬか生きるか…互いにどちらかの結末をたどることになるだろう。
アレンは様子見を兼ねて彼女との距離を空けた。しかし、その手段は何も意味なかった。彼女は剣を振りかざして迫ってきた。
素早く避けた時、剣の先を向けてそこから白い光線を発した。それはアレンの腕をかすった。もしあれが胸等を貫いていたらと考えるだけで恐怖を覚えた。
「………まだですよ。聖煌剣…」
そう唱え、彼女は剣を上へとかざす。するとまばゆい光が視界を遮った。次に瞳に映った時、それはさらに鋭利で荘厳さを増した剣と変化した。
柱に向けて一振りすると、それに亀裂が入った。それに凄まじい魔力を帯びていた…!!
「いきますよ…アレン様!!」
「くっ…!!」