COMING TO A HEAD
凄まじい吸収によって魔力がぶれる。しかし、必死に抵抗していると三分過ぎるのはあっという間のことに感じられた。時間を過ぎた途端、機械の容量が満たされて故障した。アレンの持つあまりの量の魔力を吸いきれなかったのである。
実のところ、リースは彼はこの試練には手こずると思っていた。何故なら、一発で達成した者は今だかつてアレンを含めて二人だけだからだ。そしてその一人は…他ならぬスターク・オーウェンだった。
二人の魔力はどことなく似ている…彼女は二日間アレンを観察していてそう感じたのだった。
森林のさらに奥から光がさしてきた。紛れも無く出口に繋がっている。向かおうとした時、背後から無数のつたがものすごいスピードで追いかけてきていた。
後ろを振り返る暇なく彼らは走り込んだ。つまずきそうになってもひたすら走り、そしてようやく森林から脱出出来た。
そこにはスタークが腕を組んで待ちくたびれていた。
「よう、やっと戻ってきたか。」
「……ただいま。」
アレンは初日の時から今までの間で急激に魔力をつけ戦闘出来るほどにまで強くなった。それは誰が見ても一目瞭然と言えよう。
しかし、彼はさらに強くなってマリアの組織に対抗出来るようにならなくてはならない。彼はマリアという全ての根源を断つ最後の兵器となるのだから……
「こちらリンセイ。ええ、あと数時間といったところでしょうよ。反逆者達の居場所にね…!!」
少しずつ、また新たな影が迫っていた。現世に滞在していたのはビアンカとアルフレッドである…しかも彼らは魔力を著しく消耗しているのだ…
しかし、彼らはこれから最大の危機が迫ることをまだ知らない…。