STERN DISCIPLINE Ⅵ
悪魔達は高々と叫び声を揚げて襲い掛かる。もちろんアレンを殺すつもりである。一体の悪魔が尖った爪を向けて攻撃を仕掛けたが、危なっかしいステップながらもなんとか回避出来た。
魔力の流れを掴めるようになってから体の動きも少しずつ変わっていた。彼が反射的に繰り出した蹴りは想像以上の力だった。蹴り飛ばされた悪魔は大木にたたき付けられてダメージを受けた。あの夜初めて悪魔に会った時の彼ではないのだ。
ダメージを受け続けて少しずつ悪魔の動きが鈍ったところをアレンは剣で大きな一撃を与えた。すると悪魔達は黒い砂へと還った。この勝利は彼にとって大きな糧となっただろう。
それからさらに深部へと進んでいく。しばらくして、彼らは無数のつたが絡み付いた壁が道を塞いでいるのを発見した。邪魔なそれを切り落とそうと試みたが、切れた瞬間につたが伸び出してしまう。
しばらくの間その行動ばかり繰り返したが通れる様子ではない。
?困り果てていたが、再び始めようとした時に魔力の関係を意識してみる。やはりこの修行の根本は魔力を使うことである。
「……そうか!わかったぞ!!」
魔力のこもったつたを切るために…魔力をこめて一撃を与えたらどうなるのか…?やってみる価値はあるだろう。直ぐさま体勢を立て直し、彼は剣に集中力を向ける。すると剣は白い輝きを放ち出した。そのままつたを切り落してみると、それは再生することなく壁は崩壊した。
(この人…尋常でない早さで力を付けている…。まさかスターク様はアレン様を偶然マリアを倒す手段として選んだのではなく…必然的にそうなさるつもりだったのでしょうか…?)
リースの直感は的中していた。スタークにはわかっていたのである、アレン・クロニクルには素質があるということに。
そして、アレン達は最深部に到着し、最後の関門に直面した。一歩踏み入れた時、彼の周囲に掃除機の形態をした魔力を吸い取る機械が現れた。
「アレン様、これが本日の最後の訓練でございます。三分間これによる吸収に耐えてください。魔力の維持力向上のためです、ではご健闘を願います。」