STERN DISCIPLINE Ⅲ
それからまた時間が流れ、とうとう太陽が沈もうとしていた。まだ時間はあるものの、彼はまだ一枚も見つけてはいない。
アランは砂漠の中でたまたま発見した木々の日陰で座り込んでいた。コインの魔力を感じるために…
隣りではリースが立ち続けていたが、彼女は全く言葉を発することはなかった。
いつの間にかアレンはザァッと風によって動く木々の音すら聞いていなかった。もう彼の集中力はすべてコインへと向いていた。ここから西の方角、大きな岩の側……
………感じた…!!!
「リース!こっちだ!」
疲れを忘れ、西へ西へと突き抜けていく。すると、ぼんやりと感じた大きな岩があった。
そしてその近くを調べてみた。するとそこに金ぴかに輝いたコインが落ちていた。
ようやく三枚あるうちの一枚を手に入れることが出来た。喜んでばかりではいられない。リースに時間を尋ねると、残りはあと2時間、つまりスタークが動き出すまであと残り1時間。モタモタしている時間なんかない。
外の世界では、ビアンカが魔力を使って扉を維持していた。彼女はマリアの組織に所属していた頃から他に比べて魔力の維持を得意としていた。
「まぁ僕はそういうの苦手なんだけどなぁ〜」
「あんたも手伝いなさいよね!!」
「わかってるって。どれ、ちょいとやってみようかな。」
皆それぞれが役割を果たすことに専念していた。そして、アレンの訓練はさらに過酷さを増すこととなる。