WAKING!!!!
あれから彼らはもぬけの殻と化したフィリップス・シャンデリアを跡にしてスタークが住み着いていた古い家へと向かって睡眠をとることにした。
つかの間の休息、そして決意の朝がきたのだった…。
昨夜の疲れもあり誰もが熟睡していた中で最初に目覚めたのはアレンだった。彼起きると体をうんと伸ばしてすぐさま洗面所へと向かった。
ふと外に出てみても顔見知りどころか誰一人として通りを歩いていない。昨日の悪夢のような出来事が悪夢のままであれば良いのにと何度願ったことだろうか。しかし、朝は来てしまった。彼の心に癒えない傷を負わせて……
部屋の方から足音が聞こえた。誰か起きたようだった。その正体は寝癖のついたままのアルフレッドだった。
「どうしたんだい?こんな早くに。」
と欠伸混じりに彼は言った。
「僕は………この街を…守れなかった。ただ傍観しているだけしか出来なかったんだ…!!」
その時の僕の声は誰が聞いても震えていた。それは恐怖、情けなさ、自分の無力さに対する怒り故だった。アルフレッドは頭を掻きながら隣り合わせに座り込んだ。
「…なら、君も強くなりたくないか?」
彼は真っすぐな眼差しで僕を見つめた。その発言は決して気休めではなく、悪魔に対抗出来る力を欲するかどうかという質問だった。一瞬言葉が出てこなかったが、僕はもう決心していた。
もう、誰の足手まといになりたくない、と。
「なら…決まりだね。いつまでコソコソしてんのさ?」
すると部屋からスタークとビアンカが現れた。どうやら僕の答えを待ち望んでいたようだ。
そしてスタークは昨夜僕に託した剣を手にし地面に刺して
「その言葉、本気なら剣を抜いてみろ。その手で、その力で。」
と言った。もはや迷いはない、恐れなどない!にいっと笑って高らかに決意を示して剣を抜いた。
僕は…強くなりたい!!