MENACE Ⅲ
バギーにダメージを与えられたが、これで終わるほど生ぬるい相手ではない。頭から流血していたが、彼はゆっくりと立ち上がった。
そして背中に背負っていた大きな剣を手にし、振りかざした。
雄叫びとともに床に振り下ろしてスタークに攻撃を仕掛ける。彼はなんとか避けたが、床にはぽっかりと穴が空いた。あれをまともに受けていたらただでは済まないだろう。
「ふん…一撃だ。儂の愛剣であるこの轟剣で一撃受けたならば、死ぬだろう。」
「ちっ…やっぱり一筋縄じゃいかねぇか。どうしたらいいかな。」
「それは愚問だな。魔人となり戦えば良いのだ。そうすれば、もう少しは興じられる戦となるだろう。」
「いやだね…魔人なんか解放したら、おっちゃん死ぬぜ?」
「ふははは!!!ならば、儂を殺してみろ!!」
右足をあげて四股を踏むような動作をすると、床が揺れ始めてスターク達は尻餅をついてしまう。
バギーはその無防備な状態を狙って大剣でスタークを斬りつけた。床が壊れて彼はそのまま下のフロアへと落下していった。
「そんな…スターク!」
「これでまずは一人。次はもう一人の反逆者を消すまでだ。」
一歩ずつ戦意を失いかけているビアンカの元へと歩み寄る。このままでは本当に負けてしまう、アレンまでもがそう思っていた矢先のことだった。
先程スタークが落下した穴から神々しい紅い光が発生した。同時に何かとてつもなく重々しい魔力で満ち溢れていた。これはまさか……!!!
「ふん………魔人が現れたか。」
穴から現れたのは黒みのある紅い尾や角を生やした男だった。しかしそれは紛れも無くスタークである。右手をかざして前方に押した時、バギーの体は宙に舞い吹き飛ばされた。
「……………………」
「ふはははは!!!実に愉快だ!!よかろう…儂の手で今度こそ葬ってくれるわ!!」