表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE TEAR OF WORLD  作者: FRONTIER
MIDNIGHT PARTY
28/110

THE PAST Ⅵ

これは現実なのか、それを疑うことしか今の彼女には出来ない。愛する人の変わり果てた姿、それはあまりにも過酷で、そして悲愴なるものだった。



レオンは一歩ずつ近寄ってくる。彼の目には彼女はただの目標(ターゲット)にしか映らない。今の彼は…レオン・レスタークという悪魔なのである。






「あ………あぁ……」




彼に対して恐怖心を抱きたくはない…。それでも、彼の手はゆっくりとビアンカの小さな頭へと近づく。




勇気を振り絞り、その場から逃げだす。それでも悪魔の力には敵わず、すぐに捕まってしまう。冷たい手が腕を強く握る。前なら…彼が握ってくれると安心感がどこからかわいてきた。それでも、今もうレオンはいないのだ…。






「さようなら…レオン・レスターク……」




目を閉じ…全てを諦めた。もう……これでいいのだから…運命なら抗う必要はない…。









「ひゃー、ずいぶんド派手にやってくれたじゃないの!」







誰…?赤い長髪の男は剣を片手にしてレオンの攻撃を見事に防いだ。どこからともなく現れた男…それがあたしとスタークの出会いだった。



スタークは力ずくでレオンを弾き返すと、一気に距離を縮めて剣先を喉仏に当てる。少しでも奥に押せば一たまりもない。






「や、やめて!!」




「………残念だけど、こいつにはもう感情どころか理性もない。いっそ楽にさせてやれよ。」






意を決し、あたしはスタークの剣に手を添えてぐっと力を込めて刺した。不思議なことに、レオンは苦しい声を揚げず、その代わりに涙を流した。その時レオンは彼女の頭を撫でて、元の彼を彷彿とさせた。





さようなら…さようならレオン・レスターク……








しばらく声を揚げて泣いたあと、スタークはにやりと笑いながら話しかけてきた。




「なぁ姉ちゃん。俺達のところに来なよ。」




彼はそう言い残し、総司令庁をあとにした。そして行く先を失ったビアンカも彼について行くことにした。



その時、彼女は決めたのだった。彼らの元で強くなり、魔人旅団達に…復讐を誓ったのである。

 

 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ