THE PAST Ⅲ
レオンは年齢的には後輩となるマルクス隊長に後方の悪魔の殲滅命令を受けて、グローブを敵に向ける。数は多くとも力は弱いため、たやすく倒せた。
しかし、マルクスの方の相手は違った。大量の悪魔を率いていたリーダー格の者だったのだ。小柄なその男は腕が伸びたり刺を生やし攻撃したりなど奇妙な技を扱っていた。
「もう終わりかな?まぁ平和軍でも僕ら魔人旅団の前では手足も出ないのはわかりきってたことだけどね〜」
「くっ…どうやら我々を愚弄しておるようだな。魔人旅団…知っておるぞ。」
「そりゃどうも。」
魔人旅団…それはメンバー、そして目的でさえデータが残っていない謎の組織。しかし、マリアの組織とは関係はないということは確かである。
彼らが総司令庁を奇襲したのには何か訳があるにちがいない。
「なぜお前達は総司令庁を……」
「うーん、わかんないって言ったら?」
「こうするまでだ。」
レオンは瞬時に男の後ろに回り込み、背中に手を押さえる。そして能力を発揮した時、今度はグローブから小さな爆発を起こした。小さいとはいえ相手にダメージを与えるには申し分ないほとだ。
「げほっ…なんだよ、お前…?」
「平和軍第五軍隊長レオン・レスターク。おい、名乗りやがれ旅団よ!」
「ずいぶんと図に乗るなぁ…まぁいいや……僕の名はラット。魔人旅団の第三魔人だ…!!」
すると腕が大蛇と化し、レオンに向かって突撃してくる。それにたいして彼はグローブをかざす。すると今度はごろつきに切り傷を負わせた能力を使い大蛇をぶつ切りにした。
「なぁるほど、それが君の能力か…一つは爆発…二つ目はかまいたちのような攻撃といったところか。」
不気味に笑い、ラットの腕が復活した。まだ何か策略がある様子であり、油断は禁物である。