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THE TEAR OF WORLD  作者: FRONTIER
MIDNIGHT PARTY
24/110

THE PAST Ⅱ

それから何週間か経ち、桜の季節となった。暖かい風が吹き始める。これだけでもビアンカの気分は高陽していった。この日はレオンの職場である平和軍総司令庁へと向かう予定だった。



鞄を肩にかけ、自慢の黒いハイヒールを履いて春の世界へと飛び出す。道を歩く速度も無意識のうちに速くなっていく。




あっという間に彼のもとへと着き、同僚は察してレオンの背を押してビアンカの方へと向かわせる。彼は若干頬を赤く染めながらも声色を正常に保とうとした。






「お、おう…もう着いたんだ。」




「おう…じゃないよ。レオン、大丈夫?今日は隊長就任式なんでしょ?いつまで緊張してるつもり?」




「だーっ!!わかってるって!俺の晴れ舞台を見てもっと惚れんなよ〜!?」




「うっさい!ほら、他の隊長さん達が呼んでるよ!」





すみませ〜んと間抜けな彼の声が響く。なんて落ち着きがない人なんだろう。いつもそうだ。そんなレオンもようやく一人前になれたんだ。



本当に馬鹿な人なんだから…










惚れてるっつーの。











無事式が閉幕し、レオンが舞台の階段から下りようとした時のことだった。会場内に息を切らし少し耳障りなほど音量の大きなアナウンスが届いた。




「内部にいる全ての者に警告します!!総司令庁に悪魔を引き連れた複数の侵入者が現れた模様!!ただちに避難せよ!!繰り返します!!総司令庁に悪魔を引き連れた複数の侵入者が現れた模様!ただちに避難せよ!」





アナウンスが途切れるとその場にいた多くの隊長達が行動を始める。レオンもそれに続いて駆け出していった。



なんだか…嫌な予感がする…まるで、大切な何かを失ってしまいそうな気がしてしまって……


まだ無力だったビアンカは他の女子供と同じように避難するしかなかったのだった。


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