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THE TEAR OF WORLD  作者: FRONTIER
SCARLET XXX
107/110

3 ENEMIES Ⅴ

突如姿を現した数年前命を失ったレオン・レスターク。彼はビアンカと緊密な関係を持っていた人物であった。何故今現在こうして目の前にいるのかは不明である。彼女はそれは幻と捉えたが、どうやら様子がおかしい。彼は、涙を流していたのだ。ただ、ひたすら涙を流していた。そして彼はようやく口を開いた。




「すまない…今まで、俺は死んでいたことになっていた。ビアンカも知っているように、俺はあの日悪魔となって理性を失い肉体は死滅した。だが魂だけは残り彷徨っていた時にとある人物に出会ったんだ。それはハル様だった…あの方は偉大だ。あの方の能力によって俺は少し前に再び蘇生し、こうしてここにいる。今となってはエデンの策略のせいで意識がないのはわかっている。だから、俺はここに乗り込みエデンと戦いに来たんだ。」



よかった…本当によかった。


彼女も感情を抑え切れずに涙を流して彼を抱きしめた。間違いなく、それはレオンであった。そして彼は彼女とアルフレッドに自分も共に戦うことを決意した。こうして彼らはさらに奥へと突き進んでいたが、アルフレッドだけはどうも腑に落ちない様子であった。どうも都合が良すぎる…と。





その後さらに険しい道程になっていき、広々とした空間へと出た。そして再び複数の悪魔が現れて三人に襲いかかる。ビアンカは遠く離れた位置に行ってしまったが、レオンは悪魔を次々と倒していった。



悪魔の群れを討伐し一段落し、アルフレッドはレオンに合流出来た。互いに初対面であったが、レオンは予想外にもフレンドリーな人柄だった。


しかし、彼の疑いの念は晴れてはいない。彼はとうとう意を決してレオンに問いかけた。




「よく生きてこれたね。」




「いやー、これもハル様のおかげだよ。あの方のお陰は偉大さ。もし様態が無事であればここにいるエデンのやつらもやっつけられるのになぁ。ここにいるセルの野郎も簡単に倒せるだろうに。」




「セルかぁ…ここにいるんだね。知らなかったよ。僕らはここまでの道程で会ってないのに。よくここにいることがわかったね。」




「俺は君達よりも早くからここにいるからな。その時にセルに出会ったのさ。」




「へぇ、よく生き延びたね。君は彼よりも番号が低いはずだろ。」




「戦闘は回避出来たんだよ。全く…あいつはやっかいな能力を使ってくるからな。」



「よく知ってるなぁ。彼が組織に入ったの、ここ最近なんだけどな。」





もはやレオンの嘘は見破られていた。数年前に亡くなり、つい最近蘇生したレオンがセルのことを知っているなんてあり得ない。ましてや、都合が良すぎるだろう。もしエデンの者ではないのならば、番号について言及するはずである。アルフレッドの尋問にようやく屈したレオンはため息をついて短剣を手にする。




「仕方ないな…君にはここで犠牲になってもらうか。」


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