3 ENEMIES Ⅲ
スタークとマリオの進んだ道の壁は血糊がべったりと塗られたグロテスクなものであった。案の定マリオは周りをきょろきょろしながら走っていたが、その途中でつまづいてしまい転倒してしまった。おそるおそる足元に視線を向けると、そこには人骨が転がっていたのである。彼は絶叫しながらそのまま前進していく。
スタークは彼を追いかけていったが、突然再びマリオの絶叫が周囲に響く。今度は何事かと思い前へと進むと腐敗臭が広がった大広間に出た。その空間には無数の死体が転がっていたのである。あまりにもひどい臭いの中に先程のゼトーがいたが、彼は不気味に笑いながら死体を撫でていた。まるでペットを愛でるようである。
「オォ…もう着いたんだネ。ようこそ、ネリスト城へ…そして改めて…僕はエデンNo.20ゼトー・ミクラネア。よろしくネ。」
「会いに来てやったぜ、悪趣味野郎。」
「あぁ…僕はあまり戦闘向きではないんダヨ。だから、僕の可愛いしもべたちがお相手を務めるヨ。」
おもむろにゼトーは死体に魔力を拡散させる。するとそれらはゆっくりと立ち上がり武器を拾ってスタークに立ち向かってきた。いびつな形をしたそれらは見た目によらず中々強力な攻撃を繰り出してくる。
「ヒュー!やるじゃねぇか!これでシビれちまいな!!」
スタークが雷をまとった白銀の剣を振り上げて死体に斬りつけると次々と感電していく。これで動くことはないと思ったが、直ぐに立ち上がり再びスタークに襲いかかる。武器によってダメージを受けた彼が怯んだ時に人骨によって作られた大槍によって腹部を貫かれた。
「ハハッ!!呆気ないネ…これが元エデンNo.2か!?」
しばらくスタークはぴくりとも動かずにマリオはただなす術もなく怯えていた。そしてゼトーは高笑いしていたがスタークは再び顔を上げて睨みつける。
「なんだよ。もう攻撃して来ないのかよ。」
ゼトーはまだ生きていたという想定外の出来事に驚きの表情を隠せなかった。そしてスタークは素手で大槍を折るとそのまま腹部を貫いた一部を引き抜きマリオの回復術によって治癒された。
「な、なぜだ…!?」
「さぁて、今度はこっちの番だな。生きててくれよ?これで終わったらつまらないだろう?」