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夜の夢  作者: ルナ
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第7話

遅れてしまって誠にすみません!!

さて、と。これからどうしよっか。


保健室は私しかいない。こんな状況でできることといえば…


あ、思い出した。ここには何本か注射器があったんだった。


「ふふ」


理科室の××を注射器にいれて、首筋…ううん。口の中に入れたらどんな反応するのかなぁ


「ううん。これはやっぱり、酸素を注入すべき?」


「ん…?」


誰かいたのかな?ミスっちゃった。共犯者つくるか。


「おい」


私ってこんな低い声出せたんだ。ま、そんなことは関係ない。


「今ここで死ぬか、私に協力するか、すぐに選びなさい。」


「し…?」


「今すぐにでも、私はあなたを殺せる」


さぁ、どうする?哀れな、哀れな、ことりちゃん。私に食い殺されるか、生き延びて…


私ははさみを構えた。はさみといっても…。あれだ、あの折り畳み式や子供用じゃない、普通の大人が使うはさみ。その状態でことり(獲物)の首の前に行ったらとてもおびえた顔をした。


かわいいなぁ


とてもかわいい。そうとしか思えなかった。今すぐここで殺して、その顔を保存しておきたい…そう、願ってしまうほどに。


「で、どうする?死にたい?」


フルフルと顔を横に振った。


やはり、さすがにそれは無理だった。私だって一応人間。選択を与えておいてここで殺すなんて理不尽なことはできない。さっきのは選択なんて与えてすらいないからセーフ。


「い、生き、たい…」


「そっか。わかったよ。じゃあ、これから私が話す内容、行動、すべてを黙認して先生に、この子は何もしていませんでした、って話してほしいな。」


「う…うん」


「ありがと。」


「・・・」


どうしたんだろう?ま、さっきはずいぶんと笑ったから筋肉が柔らかくなって笑いやすくなったのかな?


「理科室に行かなくちゃ…」


私はスゥっと保健室から出て行った。幽霊のように、あの時のように、気配をできるだけ小さくして。


「あ、あれ…?」


戸惑いの声は理科室に向かうために集中していた私には聞こえなかった。


「やっとついた。早くしなくちゃ。」


先生が廊下に似ないのは想定済み。警察も一旦、教室か相談室かで事情聴取を行うはず。理科室の鍵はかかってない。いつも理科の・・・理科の・・・理科の先生がめんどくさくてかけてないからね。一番の難関は理科準備室。ここは、きちんと鍵がかかってる。なぜなら、いじめられていた生徒が一回体が解けるあの液体をを勝手に持ち出して復讐として殺しちゃったから。本当に馬鹿だよね、本当に先生なのかなぁ?だからここは鍵をピンで開ける。やり方はわかってる。鍵の構造は家と一緒だからコツはつかんでる。あの大泥棒みたくピンを使って簡単に可能。


「ふぅ」


やっぱり目の前に来ると緊張感があるよね。私の作った特別なゴム手袋を装着して…あ、ピンは未使用のものを使わないと…


ゴソゴソ


あ、あったあった。このまま慎重に取り出して…よし。


ガ…カチ…カチカチ


ちなみにこの方法は鍵を壊す可能性があるから要注意。


「っ!!」


あ!!や、やったぁ


とたんに安どで心が凪ぐ。無意識のうちに緊張してしまっていたようだった。


…結構緊張してたんだな、私。気を取り直して…目的の酸素と…あ、水素とかも使えそう。さっき言った溶けるやつに、血とかもあるんだ。へぇ~・・・血?うそでしょ?


カコン


瓶の一つを手にとってまじまじと見てみた。その赤黒い液体の入った瓶は真空だった


やっぱりかぁ。本物な気がするな、これ。ドラマとか演劇とかで使われる血のりはもっとベチョって感じがしてるしね。多分、人の血かなぁ。これは予想でしかないけど。そういや、人体骨格模型とかやけにリアルだったな。成人男性と女性、それぞれがあって、どっちも教科書に記されたのと同じくらい。ふふ…


あっはははははっははははは


顔が醜くゆがんだ。


いるじゃんいるじゃん。私よりも外道が。全部そいつと濡れ衣着せる予定だったあいつに着せてしまおう。どんなふうに鳴いてくれるのかなぁ


「やってみなくちゃわかんないし、ね?」


それなら、早く行かなくちゃ。


私は自分の教室に向かった。予想通り誰もいなかった。それどころか他のクラスの人どころかバックすらなくなっていた。


早退させたのか?それはそれで好都合。でも、私たちのクラスのバックはあるし、やっぱり事情聴取かな。無意味なのに。とにかく私の盗んだものを入れて早く戻らないと。


急ぎ足で保健室に戻る。ルートは念には念を入れてトイレの方向から。


ガチャ


白衣の女性、雅先生がこちらを向いた


「どこに行ってたの?大丈夫?」


「は、はい…と、トイレに行ってて」


「そうだったの、よかったわ。今日は帰っていいわよ。さすがにつらいと思うし。親御さんに連絡しましょうか?」


「ッ!?い、いえ、やめてください!!」


「え?」


「あ…え、えっと、親は仕事で忙しいのでもうしわけ、ないんです」


「そうなのね。それじゃあ、バック持ってくるけど必要なも」


「じ、自分で片づけて帰るのでお気になさらず…そ、それじゃあさようなら!!」


ガチャ


「フゥ」


なかなかにいい演技だったんじゃないの?女優にでもなってみようかな。


早く帰らなくちゃな…


そして彼女はクラスメイト全員を殺害した。

彼女に罪が降りかかることはなかった。

それはほかでもない理科教師と彼女の父が行ったことだとして処理された。


彼女は社会に出てからもそれを繰り返した。でも満たされることはなかった。



その・・・






                         欲求心が

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