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夜の夢  作者: ルナ
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第15話 作戦開始

適当にぼーっとしてるといつの間にか9時になっていて慌ててお風呂に入った。もちろん、着替えはジャージ。私はファッションセンスがないのでかっこいい半そでに短パン、とかっていう組み合わせを作れないため、無難なものを選んだ。


「夜が、来る」


呟いてみたけど、胸の内にあるこの恐怖が消えることはなかった。安らぐことさえない。

どうしたら、これになれるのか。まぁ、慣れない方がいいのはわかっているけど。

それでも、楽になりたいと強く願ってしまう。


目を瞑る。もう寝ようと思ったから



目を開ける。いつも通りの無機質な白い病院。ボロボロになって血が飛び散っていたりと風貌は全く異なるが確かにあの総合病院だった。


「行こう」


声を出すことである種の覚悟というものが宿る。

ノートの切れ端。それさえ見つければいい。スマホを今回持ち込んでみた。スマホも感電させる、という点では殺傷能力を少なからず持っているものだが、この世界にはそもそも水がないからか持ってこれたのだろう。

まず初めにすると決めていたのは自分の方角の確認とタイマーの開始。ぽっちとタイマーを開始して、それからスマホの方角を見れるアプリを起動して確認…しようとしたのだが、クルクルクルと針が回ってバグを起こしていた。


まぁ、仕方ないか。ここ多分異空間だし…


次に一番端まで行って、歩いて奥のほうまで行きながら部屋数を確認。


あ、ここ階段あるんだ。あとでメモっとこ。…いち、に、さん、…

途中で面倒くさくなって、に、し、ろ、は、と数え始めた。片方だけ数えて二倍して部屋数を求めた。


その後はスマホのメモ機能にそれを記録。


本当は方角も記録出来たらもっとわかりやすかったんだろうけど。


そして絵をかくアプリを開いて簡単に廊下と、部屋の数と同じだけ四角を描く。

一番手前の右側の部屋に入ろうとしてやめた。あともう一つやると決めていたことを忘れていたのだ。

れいかさんがノートの切れ端を見せてくれた時にスクショしたものを表示させる。

アップしてもう一度ノートの切れ端を確認した。


ルーズリーフの見た目なんだ。フムフム。そこにきれいな字で物語が書かれている。見た目はキレイで汚れている場所はなさそう。紙もなく、すべてが風化しているこの世界では目立ちそうな感じだな。


とりあえず、ここを初期位置と考えて一番手前の右側(階段から見ておく側)のこの※-※※の部屋から見て…ん?※-※※?なんで読めないんだろう。明らかに文字?だってわかるのに。あれ?…怖

よし。一旦見なかったことにしよう。


ガラガラ


中は普通の病室だった。6つほどベットがある。奥には窓らしきものがついているが、中は見えない。

ベットの小脇には小さな棚が一つ。ランプがついてていかにもそれらしい。


らしいっていうか、今のところの予想だとここ本当の病院なんだけどね…


ここでも一番手前の右側から見ていく。ベッドの布団をひっくり返して、枕の下も確認する。マットレスもひっくり返そうとしたが、力が足りなくてできなかった。その後に棚からあさっていく。中にはメスが入ってた。それも、大量に。


れいかさんの言っていたことってこういうことか…

今まであまり気にしてこなかったから気付かなかったがちゃんと見てみればいろいろあるんだな、この世界。


二段目、三段目には特に何も入っていなかった。どうやら一段目にだけメスが入っているという仕組みのようだ。まぁ、二段目、三段目に切れ端が入っていたら大変なので全部確認した。

六つの棚とベッドを確認し終えたが、特に収穫はなかった。


「まぁ、そんなすぐに出てこないよね」


私は病室を出て、扉を閉めずに向かいの部屋に入る。


ガラガラ


ここもまた変わらぬ音と変わらぬ部屋が出迎えた。やはり血なまぐさい匂いというのは慣れない。

ここにも棚とベッドが六つずつあったので一つ一つ確認した。当然、収穫はなかった。


外に出て一旦、初期位置に戻る。そして、ペイントアプリを開いて先ほど書いた四角のうち、手前の左右にある四角にバツ印を付ける。ついでに端に小さく「び」と記載した。これは病室の頭文字だ。こういう細かいところを大事にすべきだと私は思っている。


「よし。次行こう」


そうして8個の病室の探索が終わった。一度、先生の声が聞こえたからあわてて隠れたり、病室の戸をできるだけ音が鳴らないように閉めたりもしたが、他に特別何かあるわけでもなかった。


う~ん…なかなか見つからないなぁ


「あ、優奈」

「楓花じゃん。どうしてここに?」

「構造がさ、予想以上に入り組んでて…あ、スマホ?スマホって持ち込めるんだ…いいね、それ。私も持ってくればよかったな。」

「お疲れ様。あ、ここだけなら記録してあるけど見る?」

「うん。ありがと」


私は楓花にペイントアプリに描いた簡易的な構造図を見せた


「どこから来たの?」

「えっと、ここより一階上かな。上も同じような構造だったよ。んで、上はこの一番奥…そうそう。そこの一室が診察室だったかな。」

「へぇ。ありがとう」


下地に書いた四角と廊下だけの図を複製して出して、そこに一回上と書いた後、楓花に教えてもらった場所に「し」と書いた。


「楓花、ここの部屋の内部って探索した?」

「できてないかな…ごめん。」

「いや、私に謝らなくてもいいよ。楓花は記録するの頑張ってね」

「うん。じゃ、またあとでね」


楓花はそのままさっき来た方向にある階段に戻って下に降りて行った。

階段の表記もついでに二つの構造図に追加しておいた。さっき端から端まで歩いたはずなのに記入するのを忘れていたのだ。

もう一度見て記入漏れがないことを確認した。


よし。私も探索続けよう。



体感約数時間後


疲れたぁぁ…


私は最初に探索した、初期位置から見て一番手前の右側の病室のベットの上に座り込んだ。理由は一番きれいだったからだ。


優奈の右手には電源の入ったスマホが握られていた。ペイントアプリが表示されていて、バツのついた四角があった。

否、一つだけ違った。

一つだけ、丸がついてあった。その丸の書かれた四角から→が伸びていて、その矢印の先にはびっしり大量にメモが書いてあった。


見つかってよかった…


安堵の表情で右下を見つめる。その視線の先にある右手にはノートの切れ端が一枚。一枚といっても内容量はとても多く、こちらにも文字がびっしりと書いてあった。見る人が見れば呪いの文書にも見えてくるだろう。


病室の扉は開けっ放しにしている。なぜか?それは簡単。先生にここにいると勘付かれないようにするためだ。今は、最初に先生が来た時と違って全ての扉が開け放たれている。頭のいい先生のことだから最初と違ってすべて開け放たれた扉を見てここにはもういないと判断すると思う。


少し、休憩しよう…




「っは!?」


私は、何を?寝ていた?この世界で?嘘でしょう?それに休憩って言ったってそんな寝ることないでしょ…?

あ、あっぁぁっぁ…何時間経った?


タイマーを確認すると5hと書かれていた。


ノートの切れ端を見つけてここに来たのが3hだったから…二時間!?やばいやばい。早く次行かなきゃ


慌てて病室を出ようとして、止まった。


なんでこんなに悠長していたのに先生に気づかれなかったんだ?いや、私は襲われなかったんだ?

おかしい。寝息が漏れてバレて今頃起きているはずなのに…私は起きていない。殺されなかったってことだ。まさか、ここセーフゾーン?確かにここは他の部屋と違って血生臭くない。それに、血だってない。


…え、私馬鹿?


い、一旦落ち着こう。ここはセーフゾーン。そして誰も来ていない状態を考えるにほとんど全員死んでる?


そっと廊下を覗いた。別に肉塊が散らばっているわけでも、血だまりができているわけでもなかった。最初見た時と変わっていない、あの廊下だった。


息をひそめて奥にある階段まで行き、ゆっくりと一個上の階まで上る。

自分の心臓の鼓動すらもこの静寂の中ではうるさかった。

問題なく一個上の階まで行ったところであたりを見渡す。もちろん誰もいなかった。もともといた階と同じで肉塊があるわけでも、血だまりがあるわけでもなかった。


「フぅ…怖かった」


開いている部屋は一つもなかったので部屋数を置くに歩きながら確認する。そして、また一番手前右側の部屋から調べ始めた。一番手前の部屋は楓花が言っていたとおり診察室だった。変わらぬ悪臭が鼻につく。パソコンらしきものとモニターらしきもの。そしてキーボードがあった。他にはやっぱり、メスがあった。本来なら薬品が入っている引き出しに入っていた。

パソコンのキーボードを押したりしてみるのだが、反応はなかった。どうやら、持ち込んできた電子機器以外は使えないらしい。


「フムフム…じゃあ次の部屋行こうかな」


出るときにカーテンが閉まっているのが気になったのでバッとカーテンを開いてみた。


「え…?」


そこにあったのは血。そして、肉塊。

血だけならいつも通りだった。血生臭かったけど、それもいつものことだから気にしなかった。

だけど、肉塊。

これは異常だ。恐る恐る近づいてみれば紺の体操服の切れ端?が目に入った。その近くには校章が縫い付けられた切れ端もあった。当然、この校章には馴染みがある。私たちの中学校の校章だったからだ。

肉塊しかなくて誰かは判別不可能だった。髪もバラバラに散っていた。性別さえわからない。


「あ、あ、あ、、、、」


絶望、だった。ここまでひどい人の死骸は見たことなかった。私が今まで見てきた死骸といえば、おじいちゃんの安らかな、寝てるときみたいな顔のもの。そして最初の夜の、れいかさんと浦賀がみんなの音をスパッと切り殺したのだけ。

認識が、甘かった。


「わ、わた、しは…どう、すれ、ば?」


出た声はそれだった。頭の中がごちゃごちゃになって全く整理されなくて出たのがそれだった。


わたしは…どうすれば?

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