第14話 優先順位
遅れてしまってすみません。リメイアルの方でも報告させていただいたのですがここ数日体調不良でdownしていました。
それに加えてまた定期テストが今週のみならず来週もある関係で結構投稿日程が崩れると思います。
本当にごめんなさい
「優先順位を付ける意味はあまりないのですが…とりあえず、こちらでの作業の優先順位としてガイドブック作成と基礎体力向上講座の二つ。どちらから先に行うべきだと思っているのか、アンケートを取りたいと思います。グループの方でアンケートを開始しましたので投票お願いいたしますわ」
ピコピコ、と通知が鳴った。開いてみれば確かにアンケートが開始されていた。
どちらでもよかったのだが、「どちらでもいい」という選択肢がなかったため、少し考えてからガイドブックの方に投票した。
確かに基礎体力向上や逃げ方のコツをちゃんとレクチャーするのも大切だが、夜のノートの切れ端集めを考えるとさっさとガイドブックを作って新しい人が来たときのために備えるのがよいと思ったのだ。
向こうの世界で、最小限の戸惑いに抑えるためにも。
それにガイドブックがあれば、向こうの世界で誰とも会えないという不幸すぎることがあっても自己判断しやすいだろう。
隣の楓花の様子をちらりと確認すると彼女も投票を終えたようだった。
投票した方も見えたのだが、私と違って基礎体力向上講座の方だった。きっと彼女は、余裕のある人はガイドブックをやればいい、というような考えなのだろう。
理解できる。でも、そっちに経験のある人が行ってしまったらガイドブック作成なんて進まないだろうということが容易に想像できた。
「あと1分で投票を締め切りますわ」
その言葉通り、体感約一分後投票が締め切られた。
「結果を言いますわ。結果は____」
メッセージの方でも結果が公開された。
「基礎体力向上講座、ですわね」
56%と44%。5対4で基礎体力向上講座になっていた。
やばくない、と思ったが、まぁこれが俗にいう多数決であり、民意だ。
仕方がないな、と思った。まぁ、れいかさんや楓花、ブルドッグこと浦賀がいればガイドブックに関しては作れるだろうし、大丈夫かな。
「では、講師をきめたいですわ。さっさとここでの話を終わらせてMAPづくりとノートの切れ端に関しての話を進めたいですし…もう、時間が」
スマホの時計を見てみると19時。つまり、午後7時。脳でその変換をして唖然とした。
たしかに、お母さんがクッキーを持ってきてからかなりの時間がたっている。
「…優奈、ごめん。私家に帰るね。流石にこれ以上遅くなると怒られそうだし」
私たちは大人に言えない悩みを抱えていて、もちろん言っていない。だから、親…大人が、私達を配慮してくれる事はない。
「いや、いいよ。こっちこそごめん。こんな遅くまで」
「ううん。じゃ、また夜で」
そう簡単なやり取りをして私は楓花を玄関まで見送った。部屋に戻って通話を開いた。
「うだな。なら、講師は河井とれいかでいいか?」
講師の話だった。それは、と思った。れいかさんの頭の中にはきっと多くの情報が入ってる。それを活用せずにガイドブックを作成するなんて、中途半端なものになるのが目に見えている。
「私がれいかさんの代わりに教えるよ」
反射的にそう言っていた。
上から目線で言っちゃった。大丈夫かな…
「構いませんわ。それでいいかしら?」
「別にいいよ」
「りょーかい」
「よろしくね、優奈ちゃん」
「うん。よろしく」
「では、余った私たちは皆さんが講座を受講している間ガイドブックの作成に勤しみますわ」
「だな。ガイドブックに関しては共有ページで作成するから気になることがあったらコメントをしてく
れ。それをもとに修正、改善していきながら作る。」
フムフム。わかりやすい。流石だ。話をまとめたり進行したりするのは浦賀以上に上手いやつがいるのだろうか。
まぁいつもこの有能さを発揮してくれればいいんだけどね…
「優奈、なにか文句でもあるのか?」
「う、ううん。なんでもないよ」
洞察力というか察知能力高すぎない…?心読める域にまで達してそう…
「失礼なことを相変わらず懲りずに考えてそうで何よりだ。」
「ブルドッグ、お戯れが過ぎますわ。」
「は?」
「MAP作成に関してなのですが、あの病院は別に現実世界に存在しないというわけでもありません。」
「え?」
何人かが息を呑んだ音が聞こえた。私からすると予想内。最初感じた印象と今までの感じから総合病院だと勝手に思い込んでる。
「廃棄されて廃病院となった場所、というわけでもございませんの。」
「あんなに壊れて朽ち果ててそうなところがか?」
「えぇ。見た目的には私たちの市の総合病院。それがもととなっているのがわかりますわ。」
「まじ…?」
予想通り。ここまでは大丈夫。
「しかし、明らかにおかしいのが病室の数や診察室の数。あとは手術室がないことですわね。お気づきになられている方もおられと思いますが、先述した通り、手術室がありませんわ。しかし、診察室が1.5倍、病室は2~3倍になっておりますわ。そして手術室がない代わりとでもいうかの如く、ほぼすべての診察室にはメスが用意されていますわ。まぁ、メスは用意されていても『セーフゾーン』以外では使用不可になっていますわ」
そんなに病室の数把握する暇あった!?え…すご
流石れいかさん、と言わさざるを得ない。それは私も気づかなかったしわからなかった。
「だからセーフゾーンいかないと殺しが始まらなかったんだ…」
「そういうことだ。セーフゾーン以外で使えるなら俺はすぐさま自死してた。」
「それが可能なら私はとっくの昔に先生と呼ぶのもおこがましいあの方にその先を突き立てていましたわ。」
れいかさん…
「話が逸れてしまいましたわね。…MAP作成は一階の端から行いたいと思いますの。または最上階の端。MAP作成も私を含めて4人程度で行うのが最適だと思っていますわ。そのほかの方にはノートの切れ端を探していただきたいですわ」
「MAP作成は俺、れいか、楓花、河井で行おうと思う。異論は?」
河井…?
「ないよ」
「了解」
「おけ」
「その四人を抜擢した理由は?」
あ、誰かが聞いてくれた
「先生から逃げれる技量、または足を持ち、MAP作成時の書き方が雑ではなく、方向感覚等が優れているもの。ってとこだ。河井は結構お茶らけているがそういうところは基本的にわきまえている。だから採用した。」
「ならいいよ」
フム。私も納得できるな、その理由なら。河井のふざけてる部分くらいしか見たことがないから心配だけど浦賀が抜擢したわけだし、他の人が質問せずにすぐ賛同したことからも日常生活では頼りになる部分が多いのだろう。
きっと。うん。大丈夫だ。…大丈夫かな‥‥‥‥
「じゃあ、皆さん、夜までゆっくり過ごしてください。今日から頑張りましょう」
れいかさんは通話から抜けた。
私も抜けた。
フぅ。と思わず深呼吸した。イレギュラーなことばかりで疲れてしまった。でも、今の私にとって睡眠は休憩になり得ない。
夢を見てしまうからだ。時間であの世界に行くのだろうが、寝たら時間なんてすぐに過ぎてしまうし、そんな時間通りに起きれる自信があるわけでもない。
ゲームチェアに体重を預けて少し目を瞑る。もちろん寝るためではない。
頭の中を整理するためだ。
自分が少しずつ、『夜の夢』以前の私から変化しているのは理解している。
少しずつじゃないのかもしれない。既に自分でもわからないほど根本的な部分が大きくずれてるかもしれない。
でも、でも。
私はあのままでいたい。
無理なことかもしれない。あの感覚に完全に戻るなんて不可能。理解ってる。
でもさ、現実逃避かもしれないし、ただ、目をそらしているだけかもしれないけど、
納得できるわけないじゃん。
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