第13話 生と死の狭間で
一日遅れました!すみません…
添えに文字数も少ない…言い訳は。。。。。ないです…
心に全く持って緊張がない。その異常性に、私は気付いた。
しかし、私以外も同じように思っていて全くその思いは異常ではないと思いたかったのだが、機械越しに伝わる恐怖と緊張。そして何より、隣に座っている少女…楓花の真剣な顔を見た時、私だけが『死』というものに対して何も感じていないということを認めざるを得なくなった。
本当に人を『殺す』こと、『死ぬ』こと、に対してあんなにも忌避感を持っていたというのに、きっと、このメンバーの中で一番敏感だったというのに、私の心の中には何もない。
本当に『死ぬ』という意味を理解できていないだけなのかもしれないが、それでも、自分の心構えが異常だということは明らかだった。
そういう意味で私は青ざめていた。
「ではまず、管理者『白』の〘無個性〙の話からクリア条件は最後の日までに助かる方法を見つけること、だといわれたのを覚えておいででしょうか?」
「…」
「…無言は肯定として受け取り、話を進めていくことにしますわ。その最後の日までに助かる方法が記されているのがこのノート、だと思いますの。」
このノート、といったところでれいかさんは机の中から一冊の少し古めのノートを取り出した。
「このノートは本来ならばスタート時に渡されるものに加えて、対応が遅れたお詫びとして、〘無個性〙から支給されたものを追加したものです。皆さんが目を通した資料と中身はほぼ一緒です。その資料は未熟者ながら私が打たせてもらったものなので誤字脱字があるかと思います。誤字脱字などがありましたらご報告していただけると幸いですわ。」
え!?これれいかさんがデータに起こしたやつなの?れいかさんがそんなことするなんて少し意外だ。まぁ、この『夜の夢』が始まる前のれいかさんはこういう雑務のような仕事もいつの間にかやってくれている思いやりのある人だったから疑問はあまりない。
でも、楓花は少し驚いたのか一瞬、息を吞んでいた。
「それで、さっそくで申し訳ないのですが、その資料に記載漏れがありました。実はこのノートの表紙の裏に『切れ端を集めろ』と書かれていましたの」
「…ノートの切れ端ってとこかな?」
「少なくとも私はそのように解釈いたしましたわ。」
「まぁ、それ以外に候補ないしね」
「いいんじゃない?」
「私も異論はないよ」
「お詫びとして支給されたものがノートの切れ端ならまぁその解釈が妥当じゃない?」
「そうだね」
「なので今日から、『夜の夢』ではこのノートの切れ端を探しまわる、という方針に切り替えたいと思いますの…どうでしょうか?」
「りょーかい」「わかった」「いいよ」などの了承を伝える返事が彼女の問いに答えた。
れいかさんはほっと安堵したような顔を見せるとすぐにいつもの表情に戻った。
「では、私から提案がありますの。病院のMAPを作成してみるというのはいかがでしょうか?」
「MAP?」
「はい。今までは適当に集まる、ということをしていましたが、明確にMAPを作れば合流もスムーズになるかと思いまして。向こうの地形が変わらないという保証はありませんが、変わらなかった場合、大きな力となってくれると思いますの。」
え、と思った。そんなこと、考えたこともなかったからだ。いや、思い付きすらしなかった。
楓花も驚いたのか目を見開いている。
ちょっと脳筋のイメージというか、思い込み激しくてなんかっていうのがあったからね…れいかさん
「れいか…そんなこと考えてたのか」
「なんですの?チワワと呼ばないなんてあなたらしくないわね。熱でも引いたの?それとも、やっと私に頭の良さで負けていることを理解したのかしら?」
「チワワはチワワだったわ」
「なっ、失礼な」
少し面食らったような様子のれいかさん。憑き物が落ちたかのような新鮮さがあった。
私はやっぱり、こっちのれいかさんの方が好きだった。少し、思い込みが激しくて、決めつけやすい彼女より。…ただ気分がいいだけの可能性もなくはないんだけどね
「コ、コホン。それで、どうでしょうか?今一度、基本を見直してみるというのは」
「いいんじゃねぇの?」
「さんせーい!」
れいかさんが少し変わったからか、場の雰囲気は前よりも明るかったし、軽かった。
「基本って言うと例えば何?れいかちゃ」
「気持ち悪いですわ…何度言えばあなたはお分かりになられるのかしら?」
「え、えーとごめんなさい」
「今回は構いませんんが次からはお気を付けくださいな」
「ありがとうれいかちゃ」
「だからやめろと言っているではありませんか!」
「ふふ」
河井の笑顔は気持ち悪かったが、まぁキャラがこれなので仕方がない。
仕方ないか…?まぁ、一旦置いておいて。
ここまでれいかさんが丸いとなると一時の気の迷いとか、気分が少しいいだけとか、そういうものじゃなくてちゃんと変わったんだということがわかった。
率直にうれしいと感じた。良い方向に変わったと思った。変わったというか、戻ったという方が正しいのかもしれないが。
「コ、コホン」
「さっきから咳が多いけどどうしたんだ?チワワ」
「わざとですの!…はぁ。では河井からの質問なのですが先ほど言ったようにMAPの作成、先生への対処方法等を記したガイドブックを作る、などでしょうか。また数日たてば新しく人がやってくるでしょうからそれに備えて一つ、説明書などを作成するのも悪くないと思います。」
「フムフム」
結構話が分かりやすかった。
説明力もそういやあったな、れいかさん…と思ったのだが自分の思考に少し引っ掛かりを覚えた。本当に小さなことなのだが、なぜ、私は『そういや』といったのだろうか。
まるでれいかさんが昔、優しかったのを忘れていたかのようないいかたではないか。
謎だ。
まぁ、そんなことを一つ一つ気にしていても埒が明かない。この疑問もポイっといったん捨てておく。
「はい!そういう話なら、護身術っていうか基礎体力向上講座的なのやってほしいな」
「それは俺もやってほしいと思ってた。俺って体力もなければ足も別に速くないからさ。」
「さっき例に挙げてた先生への対処法が書かれた本?欲しい。すぐに捕まっちゃうから逃げ方教えてほしい」
「僕は~」
「「「お前は一旦黙っとけ」」」
「えぇ…ひどいなぁみんな」
河井…は別にかわいそうでも何でもないな。自業自得だ。
基本を見直したうえで欲しいもの…生き残るうえで役に立つもの、ねぇ…何があるかな
向こうに今のところ物を持って行けた例はない。でも、向こうでの服装は何だったかといわれると恥ずかしいことにパジャマだった。
うん。あの時はパニックになってたり情報量が多かったりで気付いてなかったけど確かに私はパジャマだった。よくパジャマで逃げれてたなぁと思うのだがそれは気にしないでおこう。
それよりも重要なのは現実世界の衣服が反映される、という点だ。私以外はみんな学校のジャージやTシャツに短パン、とかといったシンプルで動きやすい服を着ていたからそれは確かだと思う。なぜ言ってくれなかったんだ!?と思うのも束の間、私が放課後に集まらなかったせいだと思うと河井以上の自業自得だとしか言いようがない。
現実世界の衣服が反映されるということは持ち物も持って行ける可能性がある。例えばズボンのポケットに小さいメモやペンを入れる、とかで。
聞いてみるか
「れいかさん、向こうに物って持って行けるんですか?」
「殺傷能力を有しない程度のものは持って行けるわ。シャーペンや鉛筆類も基本持って行けなかったけれど、消しゴムなどは持って行けていたわね。小さな冊子程度なら持って行けると思うわ。」
「そうだったんですね」
「え、そうなんだ」「初めて知った」などの声も少なくない数上がり、結構な人が知らなかった情報なんだなと思った。
れいかさんがここまで素直に話してくれたということは特別隠していた情報というわけでもないのだろうが、やはり少し勘ぐってしまうのは失礼なことなのだろうか
「これはブルドッグが発見してくれたの。あの時は今ほど余裕もなくて、今の今までこの情報を共有していなかったことを忘れていたわ。ごめんなさい…他に質問や意見はあるかしら?なかったら、今、出たものをまとめて優先順位をつけてその順番に実行していく形にしていきたいと思っているわ。」
「特になし」
「右に同じく~」
「同じく」
「特になし、かな」
私も特になかったので特になし、と言っておいた。
隣の楓はというと神妙な面持ちのまま特になし、と小さくつぶやせんいた
そんな面々の反応を見てれいかさんは少し、満足げな__とはいっても、私たちがおとなしく従ったからとかといった悪趣味な考えからではなく、自分の考えがよい方向に向かったことに対しての__表情になった。
「では優先順位をつけていきたいと思いますわ」
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