第一話 私の夢
みなさんこんにちは~^^琉亡です。ヨムのを借りて書かせていただいてます。ヨムのと同じく連載していきますが、結構頻度が遅くなる可能性があります。すみません。小説自体あまり書いたことがないのでどこがホラーだよと、思われる方もいらっしゃると思いますが温かい目で見守ってください。
私は空っぽだ。ずっとずっと空っぽだ。何も感じていない。
空白だから黒く塗りつぶされたキャンパスを見ると、ああと思う。いいなって。
だって私にはなんもない。なんもないからぬりつぶされてるものを見ると羨ましくなっちゃう。だから、私は、
あいつを、
片手だけでは数えきれない数のあの動物を殺した。
私はそのあと、殺してない、殺す感触を一度も味わったことのないそいつを殺した。
私の人生はそこで終わった。
「ふぁ、おはよう。」
「おはよう、優奈」
「おはようお母さん」
「今日も遅刻しないようにね。いっつもギリギリなんだから」
「はーい」
私は優奈という普通の女の子だ。中学2年で丘の上にある学校に通ってる。自転車で行ける距離だからこそ毎回遅刻していないのだ。
7時40分。うんうん。早くいかなきゃ!?
「行ってきます!」
あぁ、やばいやばい。今回は本当にヤバイ。8時に行けるかな?なんでこういう時に限って自転車のカギはうまく刺さらないの!?
かちりという音がして自転車のカギは解除された。
よ、よかった…
ほっと一息ついた優奈はその勢いのまま学校へ向かったのだった。
バーン
「と、とうちゃーく」
あ、扉壊れてないよね?
ぜぇぜぇはぁはぁと慌ただしく息をする優奈。その姿はもう見飽きたとでもいうように各々自分のことを進めているクラスメイトが視界に入った。でもいつもとは全く違う雰囲気のような気がした。なぜなら、いつもなら仲が驚くほど悪い女子二人が考え込んで話し合っていたのが見えたからだ。しばらく、と言っても数秒だが優奈が二人のことをじっと見ていたが、声をかけられてはっとした
「優奈~、なーにやってんの?扉壊したらどうするのよ」
「あはは…しょうがないじゃん。遅刻するよりかは遥かに」
「学校の扉って20万はするよ?」
「すんませんでした」
「私に言ってもなぁ・・・てか、さっさとバック片付けないと鬼主任が確認に来るかもよ?優奈のこと遅刻ギリギリ常習犯としてマークしてそうだし…」
「あ、そうだった!」
鬼主任、通称妖怪の名で親しまれている(親しまれてはいない?)先生だ。
妖怪みたいにめんどくさくてぬっと現れるからそんなあだ名がついたみたいで、ほかの学年でも一度でも担任になったりしたらほぼみんながそう呼んでいる、共通意識が高い名だ。ある意味人気者なんじゃないかと私は思ってる。でも普通に投票があると人気は低い
「おはようございまーす、皆さん、元気でしたか?」
こちらもめんどいがまぁ美人でかわいらしくてそこそこ人気のある先生だ
「たかが二日なのに」
「元気ってことですね、よかった。数週間前に担任の先生が自殺されたから落ち込んでいると思ったんですけど、やっぱり皆さんお強いですね。」
そう。私たちの担任は自殺した。それも身勝手な理由で。その日は21日前の金曜日だっただろうか、帰りの会の最後の最後に先生は一言、こういった。
「私にはとある動物の中で殺してない種類のやつががいなかった。でも一人だけいたので殺してさよならしますね」
教師にしては不謹慎な発言しかしてない、そんな教師だったがみんなには人気でそういう発言も笑える冗談として受け入れられていたからいつも通りのことだと思って気にせず帰った
誰も、疑問を持たなかった。
その次の日の深夜だった。先生は自殺していた。事件性が疑われるほどの残忍な死に方だったみたいで私たちも事情を聴かれた。でも、刃物も薬物も全部先生のものだとわかった。そしてアパートには誰も訪問してないという事実が記録された監視カメラがあったから私達への事情聴取もすぐにおわった。
先生がいつ死んだのか私が大まかに知ってたのは見てたからだ。
その日の深夜はまやと矢風とゲームしてて早々に負けてしまった私はテレビを見てた。私たち三人の力量はほぼ互角で私は二人が結託したからやられた。だからそう簡単に勝負がつかないことは分かってた。だから見てた。いや、見てしまった。
リアルタイムで流れるニュースを。
そこでは私たちの市で殺人が行われたことが載っていた。うわ、こわ。って軽い気持ちで見てたから思わず手に持ってたジュースを落としても床を拭く気になれなかった。先生が死んだことが信じられなくて、ゲームしてる二人に心配された。それでうわの空で「テレビ見て」としか言えなくて。
殺人なんてそうそう起こるものじゃないからほぼ全部のニュース番組でそれがやっててまやと矢風もみてしまって、相当ショックだったみたいで私たち三人は茫然とした様子で固まってしまった。
土曜の1時。でも、起きてたクラスメイトは多かったみたいでグルチャは我に返った一人が発信した情報で騒然としていた。
後々聞いてみるとスマホを持っていない子も、持ってる子も寝てた時に親に起こされて知らされたみたいだった。あの先生は親からも人気があったから当然だろう。
性格は今の先生そっくりだった。言ってることの不謹慎さが比べる必要もないくらいやばかったけど。
まぁ、これが概要だ。その凄惨で残虐な死に方で死ぬなんて先生は何を考えて死んだんだろう?だって自殺を考えるひとってほぼ安楽死したいと思うのが普通じゃないの?
もういないからどうでもいいけど、さ
そういえば私が遅刻ギリギリ登校するようになったのってその辺ぐらいからだなあ、なんでなんだろ?
「コホン…優奈さん?」
「あ、はい。なんですか?」
「先生の話は退屈かもしれませんがきちんと聞いてください。」
「はーい」
そうやって適当に今の担任に返事しながら思った。
今日はいつもよりうるさくないな、と。
朝の読書時間でほかのことをしていたら怒られることがわかってるのに最近は周りがなんかそわそわしてざわついていた。
「ね、ねえ、神代さん。」
この子は…朝、いつもなら仲の悪い人と話してた子で名前はたしか、宮日 れいかさんだ…全く話したことがないのにどうしたんだろ?
「なんですか?宮日さん」
「変な夢を最近多く見たりしなかった?」
変な夢?最近夢見ないからなー
「う~ん、見た覚えはないかな?忘れてるかもしれないけどね。」
「あんなにインパクトの強い、夢みたいな現実忘れれるわけがない。けど、数日ごとに見る人は増えていってるし…」
小さな声でよく聞こえない。なんだろう?
「宮日さん、どうかしたんですか?」
「ううん、何でもないよ。でも、怖い夢を見たら教えて」
「あ、うん。わかった。」
本当に何があったんだろう?う~ん、中二病ってやつ?でも、宮日さんに限ってそれはないだろうな…でも、怖い夢なら見たかも。確か7日前と14日前に。顔が見えない人がどんどん近づいてくる怖い夢。別に顔が見えないだけならいいんだけど、金縛りにあったみたいに体は動かないし、そこは私たちの市の総合病院みたいな見た目で真っ暗だし。
「先生、」
「はい。なんですか、宮日さん」
「今日、放課後に残って作業したいことがあるので、残ってもいいですか?」
「最近どうしたんですか?まぁいいですよ。鍵をきちんと返してくださいね。」
「わかりました」
宮日さん…
「えっと、今回も残ってもらう人は『夜の夢』で悩みがある方です。その他の方は来ないでください。部活は強制的に休んでもらいます。違う方かどうかはすぐにわかりますので。」
まぁ、あるっちゃあるけどないといえばないからいいかな。
私は特にその言葉の意味を考えずに読書を再開した。
いつものように授業を終えた。最近ざわついてまともに授業を受けられないこともあるけど少し収まってくれて何よりだ。
そう思って授業を受け、いつも通り家に帰って寝ようとした。
でも、寝れなかった。臓物が煮えくり返るような苦しさ。何をしてもそれが収まることはないということを本能で何となく理解した。苦しくて苦しくて、でもじっと耐えた。寝たら終了だと、この苦しさは消えるのだと言い聞かせて。
そうやって何分が立っただろうか、私は疲れ果てて寝たようだった。なんで意識があるのかはわからない。でも、これがあの怖い夢だということは瞬時に理解できた。本当ならここで夢は覚めるはずなのだろう。夢というのは本人がその事実に気づいたら消えるものだから。しかし、今の私にそんなことを考えてる余裕などない。
ひゅっと声にならない恐怖が空気とともに外へ出た。唯一、助かったことは今回は動けるのだということ。私は振り返ってまっすぐ走って角で曲がって階段を下って、とにかくあの場所から離れたかった。
ずっと走ってた。そしたら首元をグイっと引っ張られる感覚があって死んだと思った。
「ひっ」
「しっ、お前、初めてか?」
なんとなく聞き覚えのある声に安堵を覚えた。けど、なんでこいつがここに?
「初めて?なに、それ」
「あー今日の放課後大丈夫だと思ってこなかったやつか…なんだっけ、お前の名前。そうだそうだ、神代か。お前、この夢は何回目?」
「14日前と、7日前に見て、今日、初めて、動けた」
でも、よかった。私は死ななかった。生きてるんだ
「うぅ、あぁ、わた、わたし、」
「あのさぁ、なんで寄りにもよって俺の前で泣くわけ?あと静かにしてないと来るぞ」
「ぐ、ぐる?」
「お前も夢見てたんだろ?あの、顔が見えないやつだよ。」
「いやだけど、」
涙がそう簡単に止まってくれないのだ。自分の体なのに。言うことぐらい聞いてほしい。
「あぁ、もう。これで涙ふけ。あと、しゃべんな」
は?え?え、え、え?
「あぁもう。だからいやなんだ。女と会うのは。」
「はぁ?」
いまなんと?自分から口ふさぎに言っておいて何がいやなんだ、なの!?ま、まぁいいや。
「これでいい?」
「もういいよ。早くセーフゾーンを探そう。」
「セーフゾーン?」
「ああ。1か所だけあいつが襲ってこれない部屋があるんだ。あと、あいつの正体はもう見当がついてる。でも、その真相を聞くのは後にしたほうがいいぞ。」
「なんで?」
「結構ショックかもしれない。特にお前は。とにかくセーフゾーンを探そう。じゃないといつまでたっても安心できねぇ。」
「わかった」
でも、特に私だとショックを受けるってどの人のことだろう…?いや、そんなこと考えてる暇なんかない。こいつに迷わずついていかなきゃ。そういや、セーフゾーンってどうやったらわかるんだろ?
「っち…ここでもないか。」
「どんなのが目印なの?」
「部屋の中に血がない時。」
「血っ!?」
「そうだ。」
血?病院ならあっておかしくないけど 血がない部屋が一つしかないの!?この病院って一体…ていうかなんでこいつは平然としてるの…?
「かわいいおめめがほ~しいなぁ。恐怖ににじんだかわいいおめめ~」
「きた」
焦りも何もないような会声音で冷静に言い放った。
「手足はちぎってかざろぉか?」
いや、言ってる内容エグすぎ…
「頭はみぃんなそろえて神棚にぃ。」
う~ん、なんか似た人知ってるような気もしなくもなくもないんだけど…
「臓物ねじってぞぉきんにぃ」
誰だっけ?まぁいいけど。
「心臓の血ぃはみずがわりぃ」
どんどん近づいてきて、る?…はぁはぁはぁあ、あ、ああああ
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いぃぃぃぃいやだいやだいやだぁぁぁぁぁぁ
私の体はあの夢みたいに固まった。もともと閉所恐怖症の私がこの暗いなか細い廊下で耐えていたこと自体が奇跡だったのだ。
息が荒くなり思考が真っ白になる。何も考えられず、立つこともままならない。音はほぼほぼ出てないが、パニックになってるせいで周りの状況が一切把握できない。
そんな状況の私は上からのぞいてきた人物を見て目を見開く。パニックなんてもの、その一瞬で消え去った。なぜならそこには
「ん?あれ?私のかわいい生徒ちゃんじゃないですか。どうしたんですか?こんなところで。」
自殺したはずの先生がいたから
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