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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
八章
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第6話「……拓真のま抜きでタク・萌々奈のな抜きでモモだよ」

「おはよう。……モ、モモ」

「え? え~~~~!?」


 ひとまずなにも説明せず席に座る。……あったかい。僕が来るまで巡条さんが座ってたから。


「レンちゃんもおはよう」

「おはよ~、じゃないわ~、なによ~! 『タク』って・『モモ』って~!」

「……拓真のま抜きでタク・萌々奈のな抜きでモモだよ」

「意味は聞いてないわ~・わかるわ~! 理由よ理由~!」

「理由もなにも赤点全回避のヤツだけどー? 呼びかた変えよってさー」


 アンタのことこれからタクって呼ぶわー。アンタもアタシのことモモって呼ぶってことでー。嫌だよ・なんでだよ……。じゃあこっちだって言うこと今使う。呼びかた変えるとかやめろ。ムリー、そんなのなしー。祝か。バリアーってやってもバリアーこわしーとかアレざけんな。別にいいだろ腹立てんなお姉ちゃん……。なんで今さら呼びかた変えるん――だはっ……!

 ……そういう次第だ(最後は暴力だ。顔はパーで・腹はグーで殴られた。器用に同時に)。


「ダメダメダメ~~~~!」


 髪を振り乱して取り乱していやいやする。……レンちゃん、園児ちゃん。


「恋人同士の私たちより恋人っぽいわ~!」

「クマくん・レンちゃんのが恋人っぽいわー」


 ねータクーって半身の僕の首に腕まわしてきた! 挑発・挑戦するように巡条さん見てる。


「むむむむむ~ぅ……!」


 みるみる頬がふくらんで、正面から僕の首に腕まわしてきた! っていっても萌の腕の上。ふたりとも匂いがらしくて違ってて、かたや清々しい・かたや毒々しい。……離れてほしい。


「んだよセッタ、モテモテだなー!?」


 ロッカー上のゴカゲオ前田が冷やかしてくる。取り巻きの左近・右京もこっち見てニヤニヤ。


「マナ・ミナ、俺らも見せつける系!」


 教壇上の後藤が真似してくる。いや、真似できなかった。赤崎・青山が抱きつかなかった。

 いいかげん離れてほしい!


「ふ、ふたりとも。見られてるって・笑われてるって……」


 その実なかなかどうして悪くない。朝から女子ふたりが抱きついてきて嬉しい・誇らしい。

 やっと離れた。レンちゃんはめらめら・萌はへらへら。


「も~ぅ、べたべたしないで~! 萌々奈のハレンチさ~ん!」

「だったらアタシはがせっての。なんで一緒になって抱きつくのー? さすがフシギさーん」


 火花バっチバチ! こいつ――僕を奪うのか? 前赤みたいに盗るんじゃなくて正々堂々。

 ほどなく担任が来てホームルームで、巡条さんは口を酸っぱく席に戻った。目も光らせてる。


「こっわー、めっちゃ見てんじゃーん。けどさー、横目でここまで見えるわけー?」


 また首に腕まわしてしなだれかかってきた! 横目でもここまで見えてるようで反応する。机の下でなにかこそこそする。再び監視しだすと同時、萌にも僕にもグループルインがきた。


    ばかばかばかばか~~~~!


 そしてなんか怒りのスタンプをぽんぽんぽんぽん。……ぽかぽかぽかぽかってことですね。


「萌……やめろ・離れろ」


 離れたけどゴキブリ殺すくらい強く・重く頭バシっ!


「モモだっつっただろ。いっぺん言ってみろ」

「……モモ」


 今度は目覚まし止めるくらい弱く・軽くはたく。褒めてるらしい。……頭叩き放題だな!

 まさかこいつが僕なんか好きとか思わなかった。鈍感? かもしれないけど考えられない。前田以前の三人の歴代彼氏もチャラいかついって聞く。男らしいのが・ノリいいのがタイプと。どこがいいんだ、フィーリングとか答えたけど……それはまあ。なんだかんだ話しやすいかな。だからって別にノリはよくない。言うまでもなく男らしくもない。おまえのタイプじゃない。僕もおまえはタイプじゃない。かといって好きじゃないわけじゃない。……そういうことか? 好意は・告白は普通に嬉しかったし、仮に巡条さんがいなかったら――ぜんぜん付き合ってた。

 もっとも巡条さんがいなかったら、仲よくなることもなかっただろうけど。


「1‐5の三大美女って誰だと思う?」


 ホームルームが終わってつかの間の休み時間もどきに、石田が右隣のはなぶさくんに問いかける。石は僕のふたつ前・萌のみっつ前。近いから聞こえる。なお現在の岩石は、英米と親交が深い。

 英米ってあの、英くん・よねくんです。


「岩ちゃんも米もしおりん・赤崎・黒川って言っててな。ぶっさんは?」


 ぶっさんじゃなくてせっさんもそう思う。順に1・2・3位だと思う。赤崎はかわいい。倫理観はあれだけど。黒川はかわいいより怖い。元々吊り目で鋭いうえに化粧でいやがうえに。


「巡条さん・赤崎さんは同意。ただボクは黒川さんより小林さん」

「……あん?」


 怒るなって……陰口とかじゃなくてたわいもない会話だって。それはともかく――小林?


「小林って嘘だろ、ガリ勉メガネだろ。暗すぎてろくに顔見たことないわ」

「暗いは暗いけどよく見てみなよ。端整な顔してるよ・綺麗な目してるよ」


        ◎


 レンちゃんはよほど僕らが気になるのか、授業中ずっと赤い光線みたいな視線送ってきた。

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