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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
八章
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第5話『カノジョの予約ってこと』

 トモダチとしては祝福・オンナとしては複雑。付き合って一か月もつって思わなかったわー。歳の差あるしどっちも奥手だしー? やっぱ恋人やめよってなるって予想してたんだけどー。


「どうしよっかなー」


 赤崎のクソアマみたいに盗ったりしない。ていうか盗れないし。佐ぁがアタシに気ぃないし。まーでもちょっかいかけるくらいはマジでこれからしよー。それくらいしか対抗できなーい。

 あの日カレンはバイトある日ー。カラオケ途中で抜けてふたりになったら佐ぁ聞いてきた。


『こ、これ、どういうことだよ』

『どうって見たまんまじゃん』

『……からかってんのか?』

『ヒっドー。どうせオンナに初めてコクられたくせにー』


 マイクの底で肩小突く。アタシが行こって・歌おってつれてきて、一時間くらい経ってる。文化祭のときも思ったけどカレン歌ウマ。普段ふにゃふにゃしてんのに歌唱力ちゃんとある。愛過知(愛すことが過ちだなんて知らなかった)とか雨漏りしおりんとか聞かせてもらった。


『口で言わないとわかんない・信じらんない?』


 マイク置いてアタシにしては改まって。目ぇ見てシンプルに・ストレートに言ってやった。


『好き。付き合って』

『っ……』


 目ぇそらして固まる・赤くなる。ウケるー、ショーシンショーメーのピュっアじゃーん!

 ……とか言ってアタシも心臓やばいんだけどー。直接コクるの・自分からコクるの処女だし。


『そ……そうか……からかってないのか……』


 うつむいたまま噛みしめてる・飲み込もうとしてる。惚れられてるとかマジかーって感じー。


『お、おまえのタイプって……前田みたいなチャっラい・ごっつい奴だろ?』

『いやー、オラオラ系はホントもう懲りたしさー、アンタみたいなナヨナヨ系を試しにさー?』


 ナヨナヨ系で悪かったなってぼそっとぼやく。もじもじしててキっモ、こっち見てくんない。


『自分で言うのもなんだけど……どこがいいんだ?』

『どこだろ。フィーリング?』


 一番大きいのはそこかなー。アンタといてて・話してて楽しいし。アタシに口悪いとこ好き。そのくせカレンに甘すぎ・丁寧すぎ。年上ってのもあると思うけどさー、扱い違いすぎるわー。叩いてもなんだかんだ許してくれてるとこも好き。言っとくけど好きだから叩いてんだから。

 好きだし素ぅ見せれるからバシバシいってんの。


『あー、あと頭いいとこもー』

『別によくない……顔は?』

『べつによくないけどー?』


 ふたりとも笑った。緊張ほぐれてやっと顔上げて、チラチラ目ぇ見てタラタラ言ってくる。


『まあその……気持ちは……嬉しい。けど……すまん……付き合えない』

『そりゃーね? オッケーしたら逆に顔も腹も殴ってたわ』


 どっかのクソカップルみたいにこっそり付き合うとかありえないし。佐ぁもアタシもまとも。カレンのこと裏切れるわけないじゃん。文化祭終わりにコクれって佐ぁの背中押したの恩返し。アタシみたいなのとトモダチなってくれたから。見ててじれったかったしくっつけてやった。ただもうあのとき佐ぁ好きでー、別れたらもーらおって思ってて。ダサン的なキューピッド? 

 でも別れてないからこれからは――悪魔なってふたり向かって矢ぁ打たないとダメかもー。


『顔も腹も殴るな……じゃあなんで言ったんだ? やっぱからかってんのか?』

『ガチでコクったのにアンタこそからかってんの?』


 黙った・ビビった。はいナヨナヨ系ー。女々しいとこは好きじゃないけどまーいいけどー。


『カレンと別れてアタシと付き合えとかムリ言わないけどさー、予約しとくわー』

『予約? ……予約?』


 だからその二回言うの好きじゃないどころかクっソ嫌い! マイク取って底で太もも突く。


『ってーな……! 二回言うくらい意味不明だったんだよ! なんだよ予約って!』

『カレンと別れたらアタシと付き合えってこと。カノジョの予約ってこと』


 肩・もも突かれて警戒してちょっと離れた。カレン帰ってからアタシが佐ぁん隣座ってる。


『そんなの意味ないぞ。別れないぞ』

『フっ、言うじゃん。あさってで一か月なんだっけ。なんかエロいことあったー・やったー?』

『おまえが思ってるようなことだったら……とくにない』

『はい、おしまーい』

『なんでだよ! エロいことはないけど仲いいわ・気分いいわ!』

『それって付き合う前と変わんなくなーい? エロなしってトモダチと変わんなくなーい?』


 正論すぎて・真理すぎて口ごもった。ディベるヤツだったら今ので勝ちー、名言出たわー。

 ちょっと離れたのを距離詰めてー、ASMRみたいにあざとく耳元でささやいてやる。


『アタシと付き合ったらエロいことしてあげる――いつでも・どこでも・何回でも……』


 アハハ、頭ビクってしたー! チ×チ×もたぶんビクってしたー、ヌいてあげよっかー?

 離れろって言うから離れたらー、悪知恵働いたー! これで実質ふたつ頼めんじゃーん!


『予約ついでに言うこと聞いて。だって別れないならアタシの言うこと聞く機会ないしー?』

『屁理屈くさいがまあ……そうなるな。わかったよ、無茶言うなよ』


 こっちはちゃんと赤点全回避したのにさー、抵抗されたわー。来週月曜からそういうことで。


        ◎


「タクー、おはよー」

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