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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
七章
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第11話「三か月記念妬んで嫌がらせぇ!?」

土日(26・27日)は巡宅にて・金月火(25・28・29日)は萌宅にて(23・24・30日は後述)。やっぱり自分がバイト中にふたりきりになられるのは妬けるみたいで、翌朝ばかぽかされた。普通にかわいいけどちょっとめんどくさいかな……。やましい・やらしいことなんかないのに。萌はやたらべたべたくっついてくるけどただ童貞をからかってるだけだ。僕に気なんてない。僕も奴に気なんてない。百ゼロで巡条さんが大好きだ。お姉さんの魅力・包容力には及ばない。

 水木水(23・24・30日)は巡条さんも萌宅に行きたいと三人で萌宅へ。祝くんと対面した。今までこんな小さい弟をひとりにしていたのかと憂えたけど、実際はそうでもないんだとか。塾に英会話・フィギュアスケート教室と忙しく、萌が夜遅く帰っても待ちぼうけではないと。祝くんは僕以上に巡条さんになついた。ねえちゃんよりよっぽどねえちゃんと核心をついた。部屋に連れられてあっと・まぁ~と思ったことは、あのクオッカのぬいぐるみがあったこと。萌が盗ったのは弟にあげたくてだった。改めて謝って返すって渡したけど、ほほ笑んで退けた。

 というような一週間。ぜんぶ赤点回避(30点以上)――ふたりともなんとかいけると思う。


「膜電位の変化によりイオンの透過性が変化するチャネルは?」

「電位依存性イオンチャネルー」

「特定の物質との結合の有無により、イオンの透過性が変化するチャネルは?」

「リガンド依存性イオンチャネル~」


 とまあ呪文として習得。テスト中は問題文を黙読で詠唱して、筆記で発動(解答)してね。


「こんなの社会出て意味あんのー・役立つのー?」

「ないな。立たないな」

「……学校って・テストってなんなの?」

「むなしくなるな・考えるな」


 ほら、違うの詠唱するから発動してみろ。

 迎えたテスト初日、12月1日。朝のホームルーム前に生物の出題してる。理科系は魔道だ。あと5分でチャイム鳴るけど前赤がまだ来てない。遅刻・欠席なんか許されないテストの日に。


「テストはと~ってもつらいけれど~、お昼までなのは嬉しいわよね~」


 るんるん帰って再放送のドラマをだらだら観たものよ~。十年前(中学生の頃)を振り返る。


「フっ、再放送のドラマって。まーそっかー、ネトフェリとかもまだなかったかー」

「萌々奈って~――今の10代の子って~――やっぱりテレビは観ないの~?」

「観るわけないし。ニューチューブの六秒とかで飛ばせるヤツふたつでもクっソムカつくのに、テレビとか飛ばせもしないの何百秒あんのって話。それだけで負けてるわー・終わってるわー」


 相対的に・根本的にディスる奴……。僕も聞かれたけどノーコメントとさせていただきます。

 そんな話もしつつ僕が詠唱・ふたりが発動する。テスト直前、みんな大体教科書開いてる。

 赤崎がやっと来た。機嫌も口も斜めに僕たちのとこに来た。


「ちょっとぉ、これなにぃ!? どういうつもりぃ!?」


 机の上に数枚の紙を投げ捨てる。前田と黒川が写ってる・笑ってる。こんな頃もあったのか。恥ずかしいな・痛々しいな。落書きのLOVEとかHAPPY笑えるな。プリクラバカップル。しかもこれツイックーの投稿で、画像の上に文章まである。どうも前田のアカウントらしい。


「はぁ? そっくりそのまま返すわ、これなに? どういうつもり?」

「きゃ~~! や~~ん!」


 萌がお姫様抱っこされてる一枚を取ってレンちゃん大興奮! 頭叩かれた・写真奪われた。

 びりっびりに破り捨てた……!


「テスト前にこんなの見せんな・思い出させんな。印刷するとかバカかコラ・ヒマかゴラ?」

「こっちのセリフぅ! 印刷してマナの下駄箱入れてぇ! 三か月記念妬んで嫌がらせぇ!?」


 そこへ遅れて前田も来た。彼女に比べて冷静だ・神妙だ。一緒に登校して発見したという。


「おまえじゃねーよな、萌々――黒川。オレらのこととか今さらどーでもいいよな?」

「よくわかってんじゃん。アンタらのツイックーとかイソスタとか見もしてないから」


 それなのにわざわざさかのぼって、印刷までして下駄箱に入れて嫌がらせすると思うのか。黒川も前田も赤崎にそう問うた。ぷりぷり・かりかり納得しかねてる。「じゃあ誰なのぉ!?」


「アイツらの誰か」


 青黄緑・後左右に向かって顎をしゃくる。「ほかに誰かいる?」って即断する・嘲笑する。


「そんなの考えたくないからアタシのせいにしたいわけ? 百万回シネ」


 あっちに行けと右手を二回払う。持って行けと左手で残りの四枚を渡す。

 赤崎ははたき落とした・泣き落とした。


「あんたが処分してよぉ……! こんなグロ画像のせいでケンカになったんだからぁ……! 昨日いっぱいえっちして……仲も中もよかったのにぃ……! っ……ぐすっ……ぅぅぅ……!」


 テスト前日にお盛ん・お猿さん! 泣かれて・嘆かれて傍目には萌が悪者に。……『中も』?

 収拾も決着もつきそうにないままチャイムが鳴った。担任が来ては泣く赤も席に座らされる。

 はじまったホームルーム中に右斜め前のレンちゃんが、僕のほうに振り向いて小声で話した。


「青山さんや後藤くんたちの誰かって~、萌々奈は言ったけれど~……本当にそうかしら~?」

「え? そう――なんじゃないかな」


 前赤のツイックーを見てるのは・知ってるのは、仲間の三方三色くらいなんじゃないかな。わからないけど誰かが嫌ってて、最近なにかきっかけがあって嫌がらせするに至ったとか?


「でもね~、今朝ね~、私、見たの~。下駄箱で――」

「おーい巡条、前向けー・話聞けー」


        ◎


 下駄箱で――なんだろう? 気になったけどテストが開始して、その件は流れた・忘れた。

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