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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
七章
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第5話「レンちゃんはそんなことしない・知らない!」

「お、おまえな!」

「べつに見ていいけどー? いやー、干したニーソ片っぽなくて探してさー、結局なくてさー」


 タンスに向かって膝立ちで尻をこっちに衣類を漁りだす。わ……わざとか・AVか……? 見ていいって言うから顔を両手で覆って目のとこだけ指開く。下着は上下とも黒っぽいエロ紫。


『ク~マ~くん!』


 スケベを見られた・怒られた気がした……すいませんでした。

 盗み見はやめても気は・音は普通に伝わってくる。かえって股間も想像力もふくらみかけた。ほっぺたぷっぷくかわいくむくれる年上彼女を思い、黒川の下着を・肢体を考えないように。


「フっ、ウケるー、見てないじゃーん。着替え終わったけどー?」


 カタツムリくらいゆっくり顔を向ければ、白と藍の横じまのなんかもこもこのやつ着てた。上は長袖・下は短パン。だけど黒ニーソ履いてあったかそう。膝のすぐ上ら辺に絶対領域が。


「ねー、どうー?」


 ムっチムチ! 下半身はもちろん、ゆったりした服だけど胸が浮き出てる。直視できない。


「パジャマおばさんよりよくなーい・かわいくなーい?」

「おばさん言うな」


 パジャマもいいわ・かわいいわ!

 ベッドの端に転がってるビビッドピンクッションを引っつかみ、尻に敷いて体育座りした。とっ散らかったローテーブルを挟んで対面で、小首を傾げて黙って見つめてくる。…………。

 漂いはじめた妙な雰囲気を濁そうと聞いてみた。


「べ、勉強机の上の大量の瓶はなんだよ」

「化粧水の空ー。捨てるのもったいなくて取ってんの。べつになんに使うってないけどさー」

「い、椅子のアマヅンは?」

「なんだったっけー、忘れたー。買ったはいいけど開けもしてなーい」


 話が広がらず沈黙。相変わらず体育座りで小首を傾げてかわいげ出してくる。舌も出した。


「……なんなんだよ!」

「なんだと思うー? アハハハハ!」


 笑いながら立ってローテーブルを持ちあげた。『なんだと思う?』 からかってると思う!

 なにをするのか見ていれば、化粧道具類をベッドの上にぶちまけた。……片づけた、らしい。テーブルを元にクッション取って僕の隣に座る。巡条さんとはまた違う女女した匂いがする。


「じゃ、勉強やろっかー」


        ◎


 まずは漢字の読み書きー。現国はこれで点稼げって言うけどさー、ムズすぎなんだけどー。


「『あの実業家はチョウラクした』――チョウラク? こうー?」

「超楽したってギャルじゃ・おまえじゃないんだよ……こうだ」


 凋落、とか訳わかんない字ぃ書いた。なにこれ、どういう意味?


「落ちぶれるってことだよ。もっと噛み砕いて今風に言えば――炎上して消えるってとこか」

「あーね、やらかしたインフルエンサーの未路ってわけね」

「……末路な。ミロじゃない」


 次は読みー。『恩師の薫陶を受けた』って例文で〝薫陶〟に傍線。だからムズすぎだからー。


「くんとう、な。徳をもって人を感化して、優れた人間にすることだ」


 頭叩く。することだ、じゃないっての。


「アタシにわかるように言え」

「…………。巡条さんの優しさでおまえが改心したってとこだな」


 元は性悪女だっただろ。でもあのゆるふわな人柄にかなわなくて、トゲが・毒が抜けただろ。


「黒川萌々奈は巡条花恋の薫陶を受けた、そう覚えと――けっ!?」


 腹殴る。だっただろ・抜けただろ、じゃないし。カレンだけじゃないし。……アンタもだし。

 ボウリング場のトイレでアタシが返り討ちにあったとき、止めようとして出てきたじゃん。ビビりながらでクっソダっサかったけど――かっこよかった。佐って女々しい・弱々しいけど、本気出したら男らしいっていうか。最初にアタシらに突っかかってきたのもマジ度胸あるし。

 今思えばあの口ゲンカした時点で惚れてたかも。


「腹はやめろよ、いってーな……!」


 目に涙浮かべて痛そー・苦しそー。さすがに悪かったなって腕取っておっぱい当ててやる。


「こ、今度はなんだ」

「ムチからのアメー。アハハ、ボッキするー? びゅるっと・じゅるっと出してあげよっかー?」

「放せ……じゅるってなんだよ」

「フxラじゃん。オトコってみんな、じゅるじゅる音立てて吸われたいんじゃーん?」


 あとオンナがラーメンすするのって、ザー×ンすするのと同じだってクソヤロー言ってたー。


「前田の放言・妄言だろ……そんなの知るか」


 ホーゲン・モーゲン? どこの何語よ・何人よ。テスト出んの?


「ラーメンはともかくカレンにじゅるじゅる吸われたくないわけー?」

「レンちゃんはそんなことしない・知らない! いいかげん放せ!」


 とか言って自分で振り払った。これくらいのスキンシップはまー許してよ、『レンちゃん』さ。


        ◎


 漢字にはじまり、徹底的に現国をやった。ギャルに国語教えるのひと苦労……超楽したい。

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