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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
六章
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第13話「小鳥がぴーぴーうっせーな・うっぜーな!」

「お、お耳に入ったお水が抜けるときって~~~~! あ~~~~ったかいわよね~~~~!」


 どんな話題ですか・ひきだしですか!? そうですね~~、あ~~~~ったかいですね~~!

 レンちゃんも萌がキレるのを察したのかな、ものすごい大声でいつものやつでうやむやに?

 事実、機先を制されたからか――


「ぶつかってくんなクソが」


 おとなしく・重々しくひっくい声で言い放った。聖女の叫びに驚いて止まった石田・左近に。

 最恐の女ににらまれ・恨まれ、ふたりはクールダウン。右京・岩田がようやく引き離した。


「気持ちはわかる、けどなよっひー、暴力はよくない」

「サコショーの言い分も聞いてやれ」


 言い分といってもおれじゃないと繰り返すばかり。石はみるみる・ぷるぷるイラつきだす。

 あの……自分らの席で座ってやってくれませんか? こいつら僕らの横に立ったまま……。巡条さんは心配そうに・仲裁したそうに眺めてて、黒川は腕組んで目を閉じてうっとうしそう。

 イラだちまぎれかなんなのか、財布を開けてなかを見た石がまた騒ぎだした。


「ない……! 札ぜんぶ抜かれてる……!」


 怒りの・疑いの矛先は当然ハゲへ。ふたりはヒートアップ、第二ラウンドが幕を開け――

 なかった。


「ぴーぴーぴーぴーオトコがわめくな、ぶっとばすぞゴルァ! テメーら小鳥か、ああん!?」


 出たぁ、『ゴルァ』・『ああん』! 相手にするとおそろしい・味方にすると頼もしい……!


「萌~々~奈~!」


 いきり立った女反社に続いて席を立ち、奴の後ろにまわり込んで抑えるように両肩を抱く。


「石田くん・左近くん、落ち着きましょ~。話し合えばわかるわ~」

「話し合わなくても聞いててわかったわ。ケン・岩田、テメーらのどっちかが盗ったんだろ」


 で、ショウにヌレギヌ着せたんだろ。……口調も推理も鋭いな。その線、いい線いってるな。

 石も左もはっとして・ぞっとして右と岩を見る。


「ひどいなモモナ、そんなわけない」

「暴論はやめてくれ」


 毅然と・平然と否定するも可能性はある。石田の猜疑心はくすぐられた。


「おまえらも調べさせろ」


 財布から抜いたならポケットに直接入れてるかもしれない。左ともどもボディーチェック。たかが二千円らしいがされど二千円。体からは見つからず、次いで岩田の机・かばんを漁る。


「…………。疑って悪かったな、岩ちゃん」

「いいさ。気にしないでくれ」


 岩からは見つからず、続いて右京。この騒動みんな目が離せなくなって普通に注視してる。

 机のなかの物をぜんぶ取り出して――石田は目をむいた・右(京)を向いた。


「おいおいおい!」


 探し求めた二千円を引っぱりだしてびらびら振る。教科書・ノートの一番下に隠していたか。


「はぁ!? 違う、そんなわけない!」

「そんなわけあるだろうが!」


 剣道じゃないけど胴を蹴った! まぁた喧嘩がおっぱじまる……!


「死ねっ! 知れっ! 恥を知れっ!」

「違うっ! 聞けっ! 話を聞けっ!」


 サッカーも負けじと蹴り返す。岩は無論、左が止めに入る始末・結末……。

 別に怪しく・疑わしくなかったけど、今にして思えば左近を擁護してたのもそういうことか。理解ある・良識ある第三者を気取っていたものの、露見すればみっともないことこのうえない。

 まさに『恥を知れ』――だが石田、衆人環視で二千円で喧嘩する恥を知れ。


「小鳥がぴーぴーうっせーな・うっぜーな!」


 巨鳥がばさばさはばたきだした……! もうすぐ飛び立つ、どうしよう・怖いよう……!


「レンちゃ――ん?」


 困って見たら・呼んだらちょうど席を立った。暴れて危ないあいつらのもとへ行く。


「や~~~~め~~~~て~~~~!」


 両目も両手もぎゅっと閉じ、力いっぱい絶叫した。


「…………」「…………」「…………」「…………」


 揉みくちゃでめちゃくちゃの男四人が止まる・黙る。RPGなら石化に沈黙(魔封じ)だ。

 強っ!


「喧嘩はダメよ~、よくないわ~……。石田く~ん、これ~」


 手を取って千円札を二枚渡して握る。え? ……え?


「いやいやいや! なんでしおりんが!?」

「いいの~、もらって~。だからおねがい、斧を収めて~……」


 ……矛です。


「わ、わかった……わかったから」


 こんなのもらえないと押し返す。手を握られて悲しげに見つめられて少々赤くなってる。

 おいおいおい!

 サンカレンさま、左右岩石を鎮めたり。……先生とか要らないや。さすが大人のお姉さん。


「しおりんに免じて引き下がってやるがな、おまえとは絶交だ泥棒」

「上等だ、二度と口きくか・顔見るか」



 こうして石田と右京はたもとを分かち、岩田は前者に・左近は後者に付き、奴らは二分した。

 学級崩壊じゃなくていわばグループ崩壊――振り返ってみればこれがはじまりだったんだ。


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