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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
五章
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第4話「ガッコよりAV行ったら国民的性的アイドルなれた系」

 来週月曜が・巡条さんがやってきた。今日は早めに登校して、萌と玄関で待機・警戒してた。


「おはよう」「おはよー」

「クマくん・萌々奈……おはよ~。そんなお出迎えなんて~……」

「違うからー、逃げないようしょっぴくためだからー」

「……おまえは警察か・レンちゃんは容疑者か」


 しょっぴくなんてどこで・なにで覚えた……。

 下駄箱に靴入れて巡条さんが履き替えると、黒川は本当に連行するように横から腕を組む。


「ほら、行こ」

「え、ええ……」


 困った顔で僕を見つつ連れてかれる。……どうせならあいてるもう片方の腕、組みたいな。

 背中が小さく見える。迷いが・憂いが拭いきれないんだと思う。萌の奴、いい奴・にくい奴。強引だけど・癪だけどわかってる。僕らが待ってなかったら普通に逃げ帰ったかもしれない。

 教室前に到着。時の人ということで何人かはあっと目を剥いて、いわゆる顔を指してきた。

1年(学年中)にも2、3年(学校中)にも良くいえば認知・悪くいえば詮索されだしてる。


「なか入るよー。いいー?」

「ま、まって~。す~~……は~~……」


 片手を胸に深呼吸。


「ふ~~……ふ~~……」


 ……それは冷ますとき。


「ひ~~ひ~~ふ~~……」


 ……それはもう産まれるとき。


「あ、そうだ、席替えしたよ」

「あら~、そうよね~、11月になったものね~」


 巡条さんが不登校だったのは10月28日~11月4日。ちなみに今週末(11日)が文化祭。


「それで私の席って~?」

「説明すんのムズいとこなんだけどさー、アタシと佐ぁでナナメに挟まれてるー」

「まぁ~。オ○ロだったらひっくり返っちゃうわ~」


 優しい・慎ましい笑みを漏らす。見てたら聞くまでもないけど聞いてみる。


「落ち着いた?」

「え? ふふっ、ええ」

「じゃあ行く、よっ!」


 組んでる腕引いて頼もしく萌が踏みだす。

 あの野郎、早速だった・最速だった――


「おっ、しおりん……!」


 巡条さん、いや、天森栞を見つけて前田が寄ってくる。愛称で呼んでなれなれしい……!


「なあなあしおりん、めちゃシコ! さっすが〝グラドル めちゃシコ〟で出てきただけ――」


 黙れ・くたばれと言わんばかりに黒川がおもっきり殴った――壁を。


「もっぺん言ってみろ粗チ×チ×、タマつぶすぞゴラ」

「うるせークソブス・クサマ×コ、クリちぎるぞゴラ」


 口が悪すぎる・品がなさすぎる……。萌はたぶんこの手の歴代彼氏の悪影響受けてる……。

 一触即発、にらみ合う(こいつらふうにいえばガン飛ばし合う)。巡条さんも僕もビビってる。教室の連中も固唾を呑んで・口をつぐんで、クラス一の男女と全国一の美聖女を盗み見てる。

 例外は同格・同類のあいつらだった。


「しおりぃん!」


 赤崎までなれなれしくそう呼んで寄ってきた。青山・黄島・緑原、加えて後藤もぞろぞろと。


「……しおりん言うな」


 思いのほか小声でぼやいただけになった。対黒川なら慣れたもので強く言える・出れるのに。


「ねぇねぇ、りかちゅぴ紹介してぇ!」

「ほかにも芸能人と知り合いっしょ!? イケメン俳優頼む・求む!」

「シネ。たかるならカレンじゃなくてウンコだろうが、ハエどもが」


 しっしと手を払う。……おまえも『紹介してほしいんだけどー』って言ってたんだけどー?


「たかってんのはそっち」

「ハエ以下、金魚のフン」


 黄緑が辛辣に・簡潔に言い返す。ぬっと前に出てきて十数センチも低い萌を見下ろしてくる。

 こいつらの仲は依然悪い。あんな過激な・凄惨ないじめを受けて、黒川が許せるわけない。巡条さんが来なくなった一週間、実は危うかった。サンカレンさまこそが抑止力だったから。気安く話してても内心おそれがあるはず。怒らせたら――自傷して叫んで――たまらないと。


「も、萌々奈」


 怒らないでと耳打ちする。萌は舌打ちで応じ、目線を切った。

 そこへ後藤がぽーんと・ぼーんと爆弾発言。


「しおりん、なんで引退した系? ガッコよりAV行ったら国民的性的アイドルなれた系」


 場の空気が・メンツが凍りついた。味方の前田と四色さえも引いてる・あきれてる。


「っ……」


 黒川の腕を振り払い、巡条さんが逃げだす。


「カレン!」「レンちゃん!」


        ◎


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