第13話「ッチ~~~~~~~~・ッキ~~~~~~~~!」(前話と地続きです)
机の上にどーんと・じゃーんとなんかでっかい丸いの置く。ご、ごちそうだ・お寿司だ!
続けて「これもね」って缶チューハイってやつも出す。僕と萌には缶コーラ渡してくれた。
「ジュース買ってきてってなにかと思ったらこういうことね。ふたりとも炭酸いける?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「大好きー」
早速プシュって開けやがる・グビって飲みやがる。……お礼くらい言えよ。
「さあさあ食べましょ~・飲みましょ~。クマくん・萌々奈、好きな物好きなだけ取ってね~」
小皿を持ってきて各人配っていただきます。僕とこいつまでいいんですか……すいません。
黒川がベッド降りて机の前に・僕の左にきた。相変わらずあぐらかいて色黒の太もも丸出し。
「……好きな物好きなだけ取るなよ」
真に受けて好物だけ独り占めしかねない――ぼそっと言ってやったけど普通にガン無視!
ただまあ見てたらマグロ・エビ・玉子って取った。ひとネタ総取りはさすがにしないか。
右隣の巡条さんはトロとおいなりさんを・正面のコバさんはサーモンとハマチを取る。
「…………」
癪だけど・かぶるけど僕もまだまだお子様で、まずはマグロと玉子取った。
「どう~? おいし~?」
「うん、すごいおいしい」
絶対いいやつだ・高いやつだ。コーラと楽しむのがもったいないほど・はばかられるほど。
「コバさんってなにしてる人ー・稼いでる人ー?」
イントネーションが完全におばさん! ……いや、仕方ないか・失礼じゃないか。
「稼いでない稼いでない、しがない受付嬢。こんな寿司、たまの贅沢よ」
大人って・仕事ってやってられないのよ……だそう。おいなりさんもぐもぐレンちゃん見て。
「な、なみにょ~! わふぁひばっふぇ・ばっふぉうばっふぇたいふぇんにょ~!」
「な、なによ~、私だって・学校だって大変よ~って?」
巡条さんはうんうん力強くうなずく。……今のわかったんですね・モノマネ似てないですね。
「現役高校生のふたりにはムっとされるかもしれないけどね、学校なんて楽勝よ・天国よ」
あたしに代わって受付嬢やってみな! おいなりさん飲み込んだところへイカ突っ込む!
「えっと……レンちゃんも現役高校生ですよ?」
「違う違う、こんなもんとっくに退役。退役高校生よ」
ふぉんないいふぁたないふぇひょ~(そんな言いかたないでしょ~)! 二度目のぱたポカ。
突っ込まれたイカをおいしそうに食べると、お返しにウニを・イクラを持って押しつける。
「舞歌~、お口を開けなさ~い! ウニさん・イクラさんも食べなさ~い!」
「やめろ、嫌いなウニ・イクラやめろ! せっかくイカあげたのにタコ突っ込むぞ!」
「や、やめて~! タコさん近づけないで~!」
お互い寿司持って謎の格闘しだす。……巡条さんたぶんイカ好きなんだ・タコ嫌いなんだ。
ひとり淡々と・延々と食べる萌がさらっとつぶやく。
「おばさん同士楽しそー」
「……おい。おばさん言うな」
たくさん食うな。マグロ・エビ・玉子ばっかいきやがって。お姉さん方の分ちゃんと残せよ。
こいつが横でばくばく止めどなく食べるから、僕はやけに遠慮して・萎縮して映ったらしい。
「クマくんももっと食べて食べて~。は~い、ア~ン」
「え? ……え?」
思わずにやける・口開ける。マグロ食べさせてくれた。おいしい・嬉しい・恥ずかしい……。
「……花恋あんた今のなに? 母性?」
「なにってア~ンって。母性ってなによ~?」
コバさんは今度は僕にいつも今のしてくるのか聞いてきた。いいえ、初です・ビックリです。
「は~い、玉子もア~ン」
また食べさせてくれた。左隣の黒川が「キっモー」って引く・毒づく。わ、悪かったな!
それから一旦静かになって食べ進める。コバさん・巡条さんは缶チューハイも飲み進める。
「あ、セッサくん知ってる? 花恋、ハジメテはバックがいいんだって」
「っ……!? 舞歌~~~~~~~~!」
真っ赤に・マッハになって三度目のぱたポカ。バ、バック……!?
「アハハ、バックって! なんてったっけー、ヨッキューフマンなのー?」
「そうそう、この子飢えてんのよ。後ろからおもっきりハメられたいのよ」
「お、男の子の前でなんてこと言うの~~~~!? 向かい合うのは恥ずかしいの~~~~!」
威力増で両腕ばたばた、ボカボカ叩く! でも飢えもバックも否定してなくて僕は沸く! お尻を突き出す裸のレンちゃんを思い描く! 『は、初めてで恥ずかしいの……後ろから……ね』
「痛い痛い、やめろって・ごめんって。ほら、セッサくん見てみ。あんたぐらい真っ赤っ赤よ」
「ク、クマく~ん? 今のは嘘よ~・違うのよ~? 誤解しないで~・想像しないで~……」
「してないしてない!」
「してるしてる、もっこりしてるー」
人の股間を見て意地悪く・いやらしく言う! すぐ両手で抑えたけど巡条さんに見られた!
「こ、これは嘘だよ・違うんだよ。保健体育でやった勃――じゃないんだよ」
「ッチ~~~~~~~~・ッキ~~~~~~~~!」
とまあわいわい・やいやいお寿司食べて、お姉さん方はお酒をがぶがぶ何本も飲んで――




